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ビジネスでも使える1月の時候の挨拶と結びの挨拶(例文付き)

ビジネスでも使える1月の時候の挨拶と結びの挨拶(例文付き)

ビジネスでも使える1月の時候の挨拶と結びの挨拶を例文付きで解説

ビジネスレターに限らず、改まった手紙では、まず「時候の挨拶」から始まることが通常です。普通の言葉とは違う時候の挨拶は、ただでさえ難しく感じますが、特に1月は松の内とそれ以降で表現が変わるため、ますますややこしくなっています。

そこでここでは、ビジネスでも使える1月の時候の挨拶について、例文付きで詳しく解説していきたいと思います。また、結びの挨拶についても合わせて紹介しますので、参考にしてみてください。

1月の漢語調の時候の挨拶

1月の漢語調の時候の挨拶

新春の候

使用時期:1月1日から1月15日まで

1月の時候の挨拶、まずはビジネス文書で使われる機会の多い漢語調の挨拶から見ていきましょう。漢語調の挨拶では、「~の候(こう)」という表現がよくされます。「候」とは季節や時節といった意味の言葉で、「新春の候」もよく使われる表現です。「新春」はもちろん、「新年」を意味しています。陰暦(旧暦)の1月が暦の上では春にあたることから、この名で呼ばれます。「新春」が使えるのは、遅くとも小正月までという認識が多いので、松の内である7日~15日くらいまでの挨拶になります。

「新春の候」を用いた例文は、以下の通りです。結びの句もあわせてご紹介します。

<例文>

拝啓 新春の候、皆様ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

(本文)

本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
まずは書中にてお知らせいたします。

敬具

寒冷の候

使用時期:12月中、または1月16日から1月末まで

「寒冷の候」の読みは、「かんれいのこう」です。「寒冷」は、「寒冷前線」や「寒冷地」のように普段でもよく聞く言葉ですが、「ひえびえとして寒いこと」を表します。ですので、「寒冷の候」は「ひえびえと寒い季節」を意味しています。「寒冷」の言葉が使われるのは、寒さが本格化する12月ごろからとなっています。1月中も時候の挨拶として使うことができますが、前述のように15日までは「新春」や「初春」を使うのがふさわしいので、それ以降に使われるのが一般的です。

「寒冷の候」のビジネスレターでの例文は、以下のようになります。

<例文>

拝啓 寒冷の候、貴社におかれましてはますますご発展のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

(本文)

本年も倍旧のご支援ご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中にてお知らせいたします。

敬具

厳寒の候

使用時期:1月20日ごろから2月3日まで

「厳寒の候」の読みは、「げんかんのこう」です。「厳寒」とは、文字通り「厳しい寒さ」ということで、冬の季語でもあります。よく似た表現に「極寒(ごっかん)」がありますが、「厳寒」はそれよりも寒さの点ではやわらぐものの、気温が非常に低いことは変わりありません。「厳寒」が表す時期は、はっきりいつごろという断定はできません。しかし一般的には、もっとも寒さが厳しくなる1月下旬から、節分あたりまでを指すようになっています。

「厳寒の候」を用いたビジネス文書での時候の挨拶の例文は、以下のようになります。

<例文>

拝啓 厳寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

(本文)

今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
まずは書中にてお知らせいたします。

敬具

1月の口語調の時候の挨拶

1月の口語調の時候の挨拶

皆様おそろいで、よき初春をお迎えのことと存じます。

使用時期:1月1日から1月15日まで

前述のように、漢語調の時候の挨拶は主にビジネスの文書で使われますが、口語調の挨拶は、一般的に親しい人や気心の知れた人への手紙などで使います。しかし、あまり堅苦しい感じを出したくない場合には、ビジネスレターでも口語調の挨拶を使うことも少なくありません。こちらの言い回しも、取引先などへの挨拶として使えるものです。砕けすぎず、適度な親しみを表すことができます。

結びの句を加えた例文については、以下で見てみましょう。基本的な構成としては、漢語調の場合とそれほど変わりません。

<例文>

拝啓 皆様おそろいで、よき初春をお迎えのことと存じます。
平素は格別のお引き立てを賜り、心よりお礼申し上げます。

(本文)

本年も変わらぬご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら、書中にてお知らせいたします。

敬具

初春を迎え、ますますご壮健のことと拝察いたします。

使用時期:1月1日から1月15日まで

こちらの言い回しも、1月の時候の挨拶として使えるものです。「初春」は「しょしゅん」とも読みますが、「新年」を表す場合は、「はつはる」と読むことが多くなっています。こちらも大体、1月中旬ごろまで使える言葉です。「壮健」とは、「健康で元気なこと」を意味していますから、全体では「新年を迎えて、ますますお元気でいらっしゃることでしょう」といった意味合いになります。
ビジネス文書で使う場合の例文は、以下のようになります。

<例文>

拝啓 初春を迎え、ますますご壮健のことと拝察いたします。
日ごろは何かとお力添えをいただき、まことにありがとうございます。

(本文)

本年も変わらぬご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
まずは書中にてお知らせいたします。

敬具

三が日は寒さもゆるみ、晴天に恵まれました。

使用時期:1月1日から1月3日まで

「三が日」は、1月1日から3日までを表す言葉です。こちらも時候の挨拶では、よく使われるフレーズになります。陽暦の1月5日ごろまでは、二十四節気の「小寒(寒の入り)」にあたりますが、「小寒を迎え、穏やかな三が日です」などの言い回しも使われます。特に太平洋側では、正月三が日は穏やかな日が多いので、こうした言い回しを使う機会は少なくありません。

こちらの時候の挨拶を使用したビジネス用の例文は、以下のようになります。

<例文>

三が日は寒さもゆるみ、晴天に恵まれました。
いつも多大のお力添えを賜り、感謝に堪えません。

(本文)

ますますのお引き立てを宜しくお願い申し上げます。
本日は取りあえずお知らせのみにて失礼いたします。

1月の結びの挨拶

1月の結びの挨拶

寒さに関する結びの挨拶

続いては、ビジネスレターの時候の挨拶における結びの文句について見てみましょう。まずは寒さに関する結びの挨拶です。1月は寒さも厳しくなり、体調を崩しやすい季節ですから、相手の健康を気遣うフレーズがよく使われます。特に寒さが厳しい場合なら、「厳寒の折から」「寒さ厳しき折から」などが使われます。また、前述の「小寒」に加え、1年でもっとも寒さが厳しくなる「大寒(1月20日~2月3日)」について言及することもよくあります。

寒さに関する結びの挨拶の例文は、以下のようなものがあります。

  • 極寒の折から、くれぐれもご自愛ください。
  • 寒さ厳しき折から、ご自愛の上ご活躍のほど、お祈り申し上げます。
  • 大寒も間近、どうかお元気でお過ごしください。
  • 暖冬とは申しますが、何卒お身体おいといください。
  • 極寒の候ではございますが、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

相手の健康を気遣う結びの挨拶

続いては、相手の健康を気遣う結びの挨拶です。日本では、古くから相手の健康や体調を思いやることが大事なマナーとされてきました。ですから個人的な手紙のほか、ビジネスレターでも一般的に使われるケースが多くなっています。もちろん、時候の挨拶のあるなしに限りません。「ご健勝」や「ご多幸」といったフレーズがよく用いられます。

健康を気遣う結びの挨拶の例文は、以下のようなものです。

  • 皆様方のご健勝をお祈りしますとともに、今後なお一層ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
  • 貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。
  • 社員皆々様には一層のご健勝を心よりお祈りいたします。
  • 時節柄、ご自愛のほどお祈りいたします。
  • 末筆ながら、皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
  • どうぞお体に気をつけてお過ごしください。

新年に関する結びの挨拶

1月は新しい年のスタートとなる月ですから、そうした点を強調した結びの挨拶もよく使われます。この場合のビジネス文書における結びの挨拶では、「本年も~」というフレーズが使われるのが一般的です。「今年も~」という言い方は、少々くだけて聞こえるため、ビジネスではあまり使われません。その後には、「ご愛顧」や「ご高配」「ご指導」といった言葉が続くことが多くなっています。
新年に関する結びの挨拶の例文は、次のようなものになります。

  • 本年もご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
  • 本年も倍旧のご愛顧のほど、ひとえにお願い申し上げます。
  • 本年もよろしくご指導のほど願いあげます。
  • 本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
  • 本年も変わらぬお付き合いのほど、宜しくお願い申し上げます。
  • 皆様にとりまして本年が幸多き年でありますよう、お祈り申し上げます。

1月の時候の挨拶と結びの挨拶を使用する際の注意点

最後に、1月の時候の挨拶と結びの挨拶を使う際の注意点について見ておきましょう。1月上旬にビジネスレターを出す場合は、年賀状と時候の挨拶を区別することが大切です。年賀状では「謹賀新年」などと書くのが通常ですが、こうした表現は時候の挨拶とは異なります。1月上旬のビジネスレターに関しては、年賀状と区別した手紙か、または便箋に書いて送るのが良いでしょう。

時候の挨拶と結びの挨拶一覧

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