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「保証人」「連帯保証人」の意味と違い

「保証人」「連帯保証人」の意味と違い

監修者

弁護士:村岡つばさ(よつば総合法律事務所千葉事務所)

よつば総合法律事務所千葉事務所

弁護士 村岡つばさ

よつば総合法律事務所の弁護士の村岡と申します。日常生活や会社を運営する中で気になる法律の問題を分かりやすく解説します。

「保証人」「連帯保証人」の意味と違い

「●●の保証人、連帯保証人になって欲しい」-友人や親戚からこのようなお願いをされたことはないでしょうか。奨学金を借りる際や家を借りる際、住宅ローンを利用する際、会社に入社する際(身元保証人)等、様々な場面で「保証」というものが活用されています。
実はこの「保証」ですが、単なる「保証」と「連帯保証」とで、大きく意味が異なっています。このような違いがあること自体、知らない人も多いかもしれません。

この記事では、「保証人」と「連帯保証人」の意味や違い、使い分けのポイントについて解説しますので、是非参考にしてみてください。

「保証人」とは

「保証人」とは、「主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う」者です。
例えば、貸金業者であるA社よりBさんがお金を借りようとする際に、Cさんが保証人となったとすると、Bさん(主たる債務者)がお金を返さない(債務を履行しない)ときに、Bさんの代わりにCさんがお金を返す責任(履行をする責任)を負うこととなります。

保証人・連帯保証人をつける理由は、「債権を回収する可能性を高めること」にあります。上の事例で、仮に保証人がついていなければ、お金を借りたBさんが自己破産をすれば、A社がお金を回収することはできません。他方、Cさんという保証人がいれば、たとえBさんが自己破産をしたとしても、Cさんからお金を回収することができます。

「保証人」と「連帯保証人」は、どちらも、「主債務者の債務について保証をする立場」にあるという点で違いはありません。もっとも、保証人には、催告の抗弁、検索の抗弁、分別の利益という3つの権利・利益が認められているのに対し、連帯保証人は、これらの権利・利益が認められておらず、より重い責任を負うこととなります。
次の項目でこの点を詳しく見ていきます。

「連帯保証人」とは

「連帯保証人」とは、「主債務者と連帯して債務を保証する者」を意味します。「連帯して」
というのが、単なる保証人との違いです。

「催告の抗弁」

まず、保証人と連帯保証人の違いの1つに、「催告の抗弁」の有無があります。
この「催告の抗弁」とは、債権者が保証人に請求をした際に、まずは主たる債務者に請求することを求めることができる権利です。
先の例でみると、貸金業者であるA社が、保証人であるCさんに「Bさんのお金を代わりに返済して」と請求した場合に、Cさんが、「まずはBさんに請求してください」と求めることができます。
これは、あくまでも保証人が二次的に責任を負う立場であることが理由です。
他方、連帯保証の場合には、このような「催告の抗弁」は認められていません。そのため、主たる債務者に請求をせず、いきなり連帯保証人に請求することもできますし、これを拒むこともできません。「連帯して」債務を負担する以上、その責任は二次的なものではなく、ほぼ債務者と同一の立場で責任を負うこととなります。

「検索の抗弁」

次に、保証人・連帯保証人の違いとして、「検索の抗弁」の有無が挙げられます。
これは、主たる債務者に支払能力(財産等)があり、その執行が容易であることを保証人が証明したときは、まずは主たる債務者の財産について執行しなければならない、というルールです。
先の例でみると、貸金業者であるA社が、保証人であるCさんに「Bさんのお金を代わりに返済して」と請求した場合に、Cさんが、「Bさんには●●という財産があるので、そちらから回収してください」と主張することができます。単に主張するだけでなく、支払能力があり、その執行が容易であることを「証明」しなければなりませんが、そのような証明ができれば、支払を免れることが可能です。
他方、連帯保証の場合には、いくら主たる債務者が財産を持っていたとしても、そのことを理由に支払を免れることはできません。

「分別の利益」

最後に、「分別の利益」の有無についても違いがあります。
これは、保証人が1人ではなく複数人いる場合に、1人当たりの負担額が少なくなる(頭数で割られる)という利益です。
先の例で、Bさんが借りていた金額が300万円で、保証人がCさん、Dさんの2名いる場合、Cさん、Dさんが支払わなければならない金額は、150万円です。3名いれば100万円です。
他方、連帯保証人の場合、このような利益はなく、連帯保証人が何人いようとも、全額の支払義務を負います。上の例でみると、Cさん、Dさんは、2人とも300万円全額の支払義務を負います。両者から300万円ずつ回収することは、二重払いとなるため認められませんが、債権者であるA社は、Cさんから300万円を回収しても、Dさんから300万円を回収しても、150万円ずつ回収しても、100万・200万円ずつ回収しても良いわけです。

おわりに

このように、「保証人」と「連帯保証人」とでは、検索の抗弁、催告の抗弁、分別の利益の有無につき違いがあり、連帯保証人の方が、保証人よりも重い責任を負います。
とはいえ、どちらも「主債務者の債務について保証をする立場」にあるという点では共通しており、「本人が支払えなかった場合に支払義務を負う」という重い立場にある点では、保証人も異なりません。
そのため、保証人になることを依頼されたとしても、本当に保証人になるべきかは、慎重に考えることをお勧めします。