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試用期間と研修期間の違い

試用期間と研修期間の違い

監修者

弁護士:村岡つばさ(よつば総合法律事務所千葉事務所)

よつば総合法律事務所千葉事務所

弁護士 村岡つばさ

よつば総合法律事務所の弁護士の村岡と申します。日常生活や会社を運営する中で気になる法律の問題を分かりやすく解説します。

試用期間と研修期間の違いについて

「試用期間」「研修期間」という単語を耳にしたことがある方も多いと思いますが、この両者の違いを正確に理解している人は、それほど多くありません。
両者とも、「会社に入社した直後に設定される期間」という点では共通していますが、実は、持つ意味が大きく異なります。

ここでは、試用期間と研修期間の違いについて紹介していきます。

試用期間とは

試用期間とは

試用期間とは、労働者の適性(会社・業種へのマッチ)などを見極めるために、会社側が設定する期間です。

正社員、アルバイトなど、雇用形態に関わらず、多くの会社では、「入社後●か月間は試用期間とする」などと定め、試用期間を設定しています。ただし、中途採用の場合には、その労働者の職歴等から、労働者の適性が分かっていることも多いため、試用期間を設定しないこともあります。

よくありがちな誤解として、「試用期間中であれば、簡単に労働者を辞めさせることができる」というものが挙げられます。確かに、試用期間は、労働者の適性を見極めるための期間ではありますが、既に採用され、会社の労働者である以上、簡単に辞めさせることはできません。
試用期間中に労働者を辞めさせる、試用期間が満了となったタイミングで辞めてもらう(本採用拒否などと言われます)というのは、解雇に他ならないため、その有効性が厳しく判断されることとなります。勿論、試用期間の性質(適性の見極め)上、通常の解雇の場合よりはやや緩やかに有効性が判断される傾向にありますが、それでもなお、相当な理由がなければ解雇することはできません。

とはいえ、「遅刻・無断欠勤が多い」「明らかに協調性を欠いた言動が見られる」といった問題行動等がある場合、会社側としては、「本採用したくない」と考えるのも当然です。試用期間に限った話ではありませんが、特に試用期間中は、「適性を見極められている期間」ということを自覚し、より注意深く行動する必要があります。

研修期間とは

研修期間とは

特に決まった定義があるわけではありませんが、「通常業務を行うための研修を受ける期間」や、「実際の業務に従事しながら、業務内容を体得するまでの見習い期間」を指すことが多いです。
特に、接客業(コンビニエンスストア、スーパー、レストラン、塾等)においては、このような研修期間が設けられることが多くあります。

上で見た通り、試用期間は、あくまでも労働者の適性を見極めるために設けられる期間でしたが、研修期間は、適性の見極めというよりは、業務の習得のために設けられる期間です。
ただし、実際には、試用期間と研修期間とで全く同じ期間が設定されることも多くあります。実際の業務に従事させ、業務の習得度を見ながら、適性をチェックする、というように、両者を兼ねていることもあります。

試用期間・研修期間として設定される期間の長さは?

試用期間・研修期間として設置される期間の長さにつき、法律上の規制があるわけではなく、会社によって大きく異なります。また、試用期間・研修期間を両方設定する会社においても、全く同じ期間を設定する会社もあれば、異なる会社もあります。更には、労働者によって設定する期間を変えることも多くあります。

ただし、試用期間は、あくまでも「労働者の適性を見極める」ための期間であり、それほど長期の期間を試用期間として設定することは想定されていません。一般的な会社においては、3か月~半年程度が試用期間として設定されることが多く、例えば1年以上の期間を試用期間として設定しても、長すぎるため無効(=試用期間は既に経過している)と判断される可能性があります。

給与面の違い

試用期間や研修期間中の給与を、通常時の給与(=期間経過後の給与)より低く設定することは違法ではありませんが、面接や採用時に、具体的な金額等を明示する必要があります。

特に研修期間中の給与は、通常時の給与より低めに設定される傾向にあります。ただし、研修期間中とはいえ、「労働」している点に変わりはないため、最低賃金を下回ることはできません。例えば、入社後のある日に、会社の指示により研修(4時間)を受けたものの、日当として2000円しか払われなかった、というのは許されません。この場合、時給500円という計算になり、最低賃金を下回るからです。

なお、上記は入社後の研修の話ですが、会社によっては、入社前に研修が行われることもあります。特に新卒入社の場合には、このような入社前研修があることが多いです。
入社前研修でも、その研修の参加が事実上必須であり、半ば「義務」として参加が必要な場合には、賃金を支払う必要があります。他方、完全な任意参加であり、出席しなくても不利益を被らないような場合には、給与を支払う必要はありません。

まとめ

今回は、試用期間と研修期間の違いについてお話させていただきました。
両者は混同されてしまうことも多いですが、特に新しい会社で働く場合などには、自分に設定された期間が試用期間なのか研修期間なのか、これらの期間中の給与はどうなるのか、といった点をよく確認する必要があります。