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過料とは?過料と科料、罰金の違い

過料とは?過料と科料、罰金の違い

監修者

弁護士:村岡つばさ(よつば総合法律事務所千葉事務所)

よつば総合法律事務所千葉事務所

弁護士 村岡つばさ

よつば総合法律事務所の弁護士の村岡と申します。日常生活や会社を運営する中で気になる法律の問題を分かりやすく解説します。

過料とは?科料や罰金との違い

テレビのニュースや新聞等で時々目や耳にする「過料」という言葉。しかしその意味をしっかりと理解している人は少ないと思います。
また、同じ「かりょう」という呼び方で、「科料」という言葉もありますが、この両者の違いを理解している人はほとんどいないでしょう。
更に、ペナルティ-として一定の金銭を徴収されるという点では、「罰金」も同じですが、過料、科料、罰金は、法律上は持つ意味合いが異なります。

この記事では、そもそも過料とは何なのかという点や、過料と科料の違いや、罰金との違いについて説明します。

過料とは

過料(かりょう)とは、行政上の義務違反に対するペナルティーとして、義務違反者に対して科される金銭的な罰を意味します。このようなペナルティーを科すことで、社会の秩序を守るという目的を持っています。後で説明する「科料」との区別の観点から、「あやまちりょう」と呼ばれることもあります。

これだけだと少しわかりづらいのですが、身近な例でいうと、転居したにもかかわらず住民票を移転しない(届出をしない)まま一定期間を経過した場合には、「五万円以下の過料に処する」とされており(住民基本台帳法第52条2項)、過料が科される可能性があります。
その他、各自治体が定めている「路上喫煙禁止条例」に違反し、歩きたばこ等をした場合や、検認(裁判所による確認)を受けないまま遺言書を開封してしまった場合、会社を清算したのに清算の登記をしなかった場合などでも、「過料」の対象となります。

これは、あくまでも「行政上」のペナルティーとして科されるものであり、犯罪行為に対して科される「刑罰」ではないため、前科などはつきません。

科料とは

科料(かりょう)とは、比較的軽微な犯罪に対して科される金銭罰を意味し、刑罰の一種として定められているものとなります。「過料」との区別の観点から、「とがりょう」と呼ばれることもあります。

これも少しわかりづらいと思うので、身近な例でいうと、例えば意図的に他人の物を壊してしまった場合には、刑法上、「器物損壊罪」が成立しますが、器物損壊罪の法定刑は、「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料」となっております。そのため、器物損壊罪が成立する場合でも、その程度が軽いものについては、懲役刑や罰金が科されるのではなく、科料が科されることとなります。

過料と科料の違い、罰金との違い

過料と科料の違い

「過料」と「科料」の一番の違いは、刑罰か否か、という点です。
上で見たように、過料は行政上のペナルティーとして科されるものであり、刑事罰の一種ではありません。他方、科料は、「犯罪行為」に対して科される「刑罰」です。これが両者の大きな違いとなります。
科料はあくまでも刑罰の一種である以上、これを科された場合には、前科がついてしまいます。他方、過料が科されたとしても、前科がつくことはありません。

過料・科料と罰金の違い

過料と罰金の違いは、「科料」との違いで見た通り、刑罰か否かという点です。
罰金は科料と同様、刑罰の一種であるため、これが科されれば前科がついてしまいます。

科料と罰金の違いは、金額の違いです。
1000円以上1万円未満の金額の支払いを科すのが科料で、1万円以上の支払いを科すのが罰金です。そのため、広い意味では、科料も罰金の一種とも言えるでしょう。
先に見た器物損壊罪では、「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料」が法定刑として予定されており、懲役刑も、罰金も、科料もあり得ます。いずれの刑罰が科されるかは、その行為の重さ、被害の程度、同種前科の有無、本人の反省態度等の諸事情を考慮の上決定されることとなります。