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日本と海外のビジネスマナーの違い30選
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日本企業と海外企業のビジネスマナーの違い30選
日本企業でも、グローバル化を目指して外国人採用が積極的に行われたり、大手企業などでは社内の公用語の英語化を進めたりと言った取り組みが増えています。
そのため普段、直接外国人と触れ合う仕事をしていなくても、これからは社内外を問わず外国人とのやり取りが発生することも十分考えられます。
しかし海外の方と取引をする上で異なるのは英語や中国語と言った言語だけでなく、ビジネスのやり方にも異なる点が多くみられます。
もちろん、国が違えば仕事に関する様々な部分で取り組みや捉え方に異なる点があることは当然ですが、中には日本人には理解しがたい海外のビジネスの風習や不文律などもあります。
そこで、今回は海外と日本では異なるビジネスマナーを30個ほどご紹介します。
主に、関わりが多いと思われるアメリカとの違いを挙げ、その他の国で特徴的なことがあれば記載していきます。
決断のスピードが違う
アメリカの企業は日本に比べ意思決定が早い。
日本の企業は役職の下から上へエスカレーション式に意思決定の承認過程がありますが、アメリカの場合は上司が責任を持って部下に決断の自由を与えることが多く、迅速な意思決定が行われる傾向があります。
しかし、日本の意思決定は時間がかかる分ミスが少なく、高い品質が保たれると言えます。
逆にアメリカでは部下の自由な意思決定が後から問題を引き起こすこともあります。
「個人」と「グループ」の比重が違う
日本では、「グループ」での成果が大きな意味を持ちます。
そのため、リーダーを中心としてサブリーダー、マネージャー、現場での実働部隊などの役割が明確にされており、グループ単位での実績が重要視されます。
一方アメリカでは、個人個人がそれぞれ有用な役割を担い、個人単位での貢献が求められます。
そのため、上司だけでなく、メンバー全員にリーダーシップが求められ、その分、決断の自由や責任が個々に持たされます。
「結果」と「過程」の評価が違う
アメリカの企業は、「過程」よりも「結果」を評価する傾向があります。
日本企業では過程を構成することに予算や時間を割くことを惜しみませんが、それに比べるとアメリカの企業は「過程」に対して予算や時間を費やすことをあまり重視しません。
日本人は「結果よりも過程が大切」という言い方をすることがありますが、アメリカの企業では一般的に「過程よりも結果が大切」とされます。
「目標達成の可能性」の捉え方が違う
日本人は、ほぼ確実に100%できることでないと「できる」と言いません。
より正確であることが重視され、「できる」と言ってできないことは良くないことと取られます。
一方、アメリカ人は概ね可能そうであれば「できる」とし、100%で取り組むよう努力します。
個人による主張の傾向が違う
日本企業の場合、個人の発信力よりは「調整力」や「根回し」が重要視されます。
また、「空気を読む」ことで自分が何をすべきか把握し、動くことが良いとされます。
しかしアメリカやインド、中国などの他民族により構成される国の場合、誤解や誤りのないよう自らの意思を伝えられるよう、個人レベルでの主張や発信力が重視されます。
ミーティングに関する考え方が違う
日本での会議は、形式的、儀礼的に行われ、あらかじめ主要な関係者が根回ししてスムーズに進めることが多い傾向にあります。
一方、海外企業の会議においては激しいディスカッションが行われます。
海外では学生の頃からディスカッションが授業に取り入れられ、日本に比べ慣れているということ、また、日本人は単民族で「空気を読む」「融通を利かせる」など互いに思惑を察することに重きを置くからだと考えられます。
海外では多くの人種や民族、主義主張の異なる人々との関わりが多いため、自分の主張を正しくできないと誤解を招く場合があります。
テレビ会議などのテクノロジーの導入への積極性が違う
日本では、大事な話は会ってする、という考え方が根強くありますが、海外の企業では、Webカメラによるテレビ会議などを積極的に活用する傾向があります。
電話やメールも日本に比べて活用されています。
日本でも導入する企業が増えていますが、直接会って話をすることが礼儀として重んじられる傾向があります。
仕事を行う場所に関する考え方が違う
アメリカでは家にいながら仕事を行う「テレワーク」が一般的に行われています。
日本でもテレワークの導入を進める企業が増える傾向にありますが、まだ本格的とは言えません。
また、職場のスペースに関してもアメリカでは個人のスペースが広く区切られて確保されているのに対し、日本のオフィスは上司をトップとしてそこに属するメンバーの机が一列に並ぶ、いわゆる「シマ」を作って配置されることがほとんどで、アメリカのような個人のスペースが設けられることはほとんどありません。
時間に関しても、日本は定められて勤務時間で働きますが、アメリカの企業では時間をフレキシブルに決めることができる会社が多くあります。
日本でも、外資系企業やクリエイティブ系の企業などが中心にフレックス制の勤務時間制が取り入れられつつありますが、まだ主流とは言えません。
(※「テレワーク」・・・「Telework」または「Telecommuting」。情報通信機器などを活用して、時間や場所にとらわれることなく柔軟に働く勤務形態のこと。)
退職に対する考え方が違う
アメリカと日本では、退職金制度が異なります。
日本では企業が退職金を積み立て、退職する社員に規定の退職金を支払いますが、
アメリカの企業では、「確定拠出年金制度」が多く適用されています。
日本で一般的な退職金制度では、会社が社員と約束した退職金を、退職時にしっかりと支払えるように準備しておく必要があります。
一方「確定拠出年金制度」では、会社が負担した年金がひとりひとりの専用口座に積み立てられ、その運用は社員自身で行います。
そのため、アメリカでは「確定拠出年金制度」が積み立てられているため「勤務期間が短いと退職金が少ない」といったデメリットがないことから、退職や転職への抵抗が日本より少ないと言えます。
ライフワークバランスに関する考え方が違う
日本でも「ライフワークバランス」という言葉が聞かれるようになってきましたが、まだ仕事が生活の中心とされることが多いようです。
アメリカではプライベートの時間が非常に大切にされます。
イタリアやブラジルなどにおいても、仕事よりも家庭、プライベートが重視される傾向にあります。
名刺交換の方法やマナーが違う
日本と海外では名刺に対する考え方が違います。
日本では、名刺は非常に重要視されます。
名刺の渡し方からしても儀礼的なマナーが重んじられ、重要な営業ツールとしても非常に大切に扱われますが、海外では名刺にそこまでの重要性はありません。
日本では挨拶をする前にまず名刺の交換が行われますが、海外ではまず握手して敵意がないことを示し、少し会話してから名刺を渡すのが一般的です。
ボディランゲージが異なる場合がある
言葉が異なる場合、ボディランゲージによる意思の伝達は便利です。
しかし、国が違うとあるボディランゲージが異なる意味を持つ場合があります。
日本では会議や打ち合わせなどの話し合いの時に無意識に腕を組む人がいますが、これは海外のビジネスマンの前ではNGです。
「敵対の意思表示」と見なされる場合があり、ビジネスマナーとしてあまり良いものとされていません。
海外企業のビジネスマンとの商談の際には、腕組みをしないように心がける必要があるでしょう。
また、日本人が誰かを呼ぶ時に行う、手のひらを下にして「おいで、おいで」と手招きをするジェスチャーはアメリカでは「あっちへ行け」の意味になりますし、
「いいね!」の感情を伝えるために親指を立てたり、人差し指と親指で◯を作ったりすることがありますが、これは国によっては強い侮辱の意味を表すことがあります。
海外のビジネスマンと接する時は、迂闊なジェスチャーは危険であると心しておくべきでしょう。
ビジネスにおいては用意に笑顔を見せることがよしとされない場合がある
日本人は、分からない時や困った時、どうしていいか分からない時など、笑顔が出てしまう傾向があります。
日本人同士であればなんとなくこの笑顔のニュアンスが理解できますが、海外では意味の分からない笑顔は「どうして分からないのにへらへらしているのか」と不快感を与えることがあります。
「分かりません」と言いながら笑っていると、バカにされていると取られることもありますので、分からない時は真剣な表情で「分かりません」と返事をするようにしましょう。
お辞儀、礼儀に関する考え方が違う
日本ではお辞儀が相手に礼儀を表現する方法として多く用いられますが、海外ではあまり一般的ではありません。
アメリカなどではアイコンタクトを取ることを重要視しますので、頭を下げると視線が合わなくなりアイコンタクトが取りづらくなってしまうため、あまり良い印象を与えません。
また、あまりペコペコ頭を下げていると落ち着かない印象を与えてしまいます。
しっかりお辞儀をする時はして、それ以外は毅然とした態度を取って接するのがよいでしょう。
敬う優先順位が異なる場合がある
日本では、目上の人や上司、先輩を敬うことが一般的です。
会食での座席やタクシーなどの乗車位置、エレベーターの乗り方まで「上座」があり、肩書きや役職の順に座る位置が決まっています。
しかしアメリカでは目上の人よりも女性を優先する、レディーファーストが一般的です。
相手が取引先であれ、自社の女性社員であれ関係なく、女性を優先します。
これはビジネスの席でもプライベートでも区別はありません。
面識のない女性のためであってもドアを開けておいてあげる、など、日本とは大きく異なりますので気を付けましょう。
女子社員を容易に食事に誘うことの意味の違い
日本でも男性が女性を誘って食事やお酒を飲みに行くことはありますが、アメリカでは特に、男性が女性を一対一で食事に誘うことは、イコール「デートに誘う」ことで、特別な意味を持ちます。
重要な任務をこなした女性社員に対して「お疲れさま」の意味で飲みに誘っただけだとしても、一対一で誘うと「異性として見られている」と取られますので注意が必要です。
お酒を注ぐことに関する違い
日本では、飲み会の席で上司や目上の人に「お酌」をすることが一般的です。
しかし海外には「お酌」の文化がないことがほとんどです。
たとえ接待であっても、客、上司などのグラスにお酒を注ぐことはありません。
自分で注ぐか、ウェーターが注ぐのが一般的です。
日本では当たり前だからといって注いであげると、不審に思われる場合があります。
食事の際の店員の呼び方が違う
日本では、飲食店で店員を呼ぶ際には「すみません!」と手を挙げることがあります。
一方、アメリカなどでは、アイコンタクトが一般的なため、店員を手を挙げて呼ぶことはなく、目で合図します。
店員も常に気を配っているため、すぐに気付いてくれます。
仕事の後の食事で仕事の愚痴を言わない
アメリカでは食事の席で仕事の愚痴などを言うことはありません。
ビジネスについての話か、またはビジネスは全く関係ないプライベートな話が中心です。
日本人は仕事が終わった後に飲んで帰る、というと、「上司や会社、仕事への愚痴」が話題の多くを占める傾向がありますが、これは仕事とプライベートを混同しているとしてあまり好まれません。
また、日本では仕事が終わってそのままスーツで飲み会をすることがほとんどですが、アメリカでは一度帰って着替えて、私服で飲み会に参加することも少なくありません。
飲み過ぎてお酒で酔いつぶれることは恥ずかしい
日本では時々、居酒屋の前で酔いつぶれて歩道で朝まで寝ている、というサラリーマンの話を聞きます。
また、どちらかということこういった話しが一種の「武勇伝」のように自慢げに語られることも多いですが、海外では酔いつぶれることは恥ずかしいこととされます。
日本人を含めアジア系の人種は、遺伝子的にアルコールに弱いという研究結果があります。
そのため、欧米のビジネスマンに合わせてお酒を飲んでしまうと、無理して酔いつぶれてしまうことがあります。
自分に取って適切な量のお酒を理解し、無理せずに飲めるかどうかもビジネスマンとしての素質として求められます。
人の目の前を横切る時は一声掛ける
日本人は満員電車などの混雑に比較的慣れており、人の目の前を通り過ぎることにあまり意識を払いませんが、アメリカなどでは人の前を通り過ぎる時には「Excuse me」と一声かけるのが一般的です。
仕事を理由に飲み会に遅れて参加しない
アメリカでは、仕事が遅くなることを理由に飲み会に遅れて出席することは、自己管理ができていないとみなされ、ビジネスマンとして悪い印象を与えかねません。
仕事とプレイベートはしっかり分けて考えますので、仕事だからといって飲み会に遅くなる理由にはならないのです。
一方日本は「仕事で忙しくて」と言えばその他の事に関しては許されてしまうような風潮がありますが、このような仕事最優先主義は欧米の企業にはあまりありません。
時間に間に合わないことを理由に走らない
日本では会社や学校に遅刻しそうになって走って電車に駆け込んだりする人がいますが、これは海外のビジネスマンにはあまり見かけません。
アメリカなどでは時間に間に合わないからといって走っている人は、ひったくりに間違えられたり奇妙な行為に見えたりします。
また、時間にだらしない人、という印象を持たれてしまいます。
時間には余裕を持って行動する必要があります。
ビジネスメールにおける定型文の意識が異なる
日本のビジネスメールには、定型文があります。
この定型文をどれだけしっかりと使えるかがビジネスマナーの高さを表しているとも言えます。
冒頭のあいさつや様々な言い回し、企業や業種ごとの独特なマナーなどもあり、複雑なルールを守れていないと失礼に当たると見られる場合もあります。
一方、海外のビジネスメールはごくシンプルです。
日本で重視される敬称や敬語は不要です。
伝えたい内容をいかに簡潔に的確に伝えられるかを重要視します。
少なく、効率的に、が海外企業のミーティング
アメリカなどのミーティングは、より少ない回数、短い時間で成果を出すことが求められます。
日本の会議は、よく揶揄されるように儀礼化、定例化してしまうことが多く、会社によっては社長や幹部職員が参加する重要な会議のため、あらかじめ会議をしておくという「会議のための会議」がある場合があるなど、非常に形式を重んじ、上役の意見が極端に重要視される傾向があります。
ただし、多くの時間や回数を重ねることで緻密な計画を立てたり、相互の意識合わせが徹底して行われるというメリットもあります。
活発に議論することが海外の企業のミーティングであるのに対し、日本ではメンバーの意識の統一を目的とした会合になることが多いようです。
日本は敬語が複雑
日本語は海外に比べて、敬語が複雑であると言われます。
尊敬語、謙譲語、丁寧語という分類に加え、状況により多くの一人称や二人称が存在し、使い方を誤ると、相手に失礼な言葉遣いとなってしまう場合があります。
海外でも敬語に当たる表現がありますが、日本語ほど複雑ではありません。
贈り物に関する意識が異なる
日本のビジネスにおいては、お中元やお歳暮など、季節の贈り物を通して義理を果たすことが礼儀とされています。
贈り物は丁寧にラッピングされ、より高級なもの、または食料品、日用品が季節の贈り物用に詰め合わされたセット商品が好んで贈られます。
一方、アメリカではよりポピュラーにワインや花束が贈られます。
基本的にはどの国でも、花を贈る際には注意が必要です。
日本ではユリや菊、アメリカでは白いバラ、また、フランスであれば菊やカーネーションなどは、葬式や別れを連想させるため、贈り物には向きません。
社交、付き合いの距離感が異なる
日本では仕事や接待、打ち上げなど、あくまで仕事の延長として飲み会などが催されます。
社風にもよりますが、同僚同士で個人的な付き合いはあまりなく、お互いを家に招いて食事会をすることなどもあまりありません。
一方アメリカでは、ビジネスでの付き合いでも比較的すぐ家に招待され、食事を共にすることも多いです。
形式張らずにプライベートのようなラフな付き合いが求められます。
自らの才能や実績をアピールする
日本人は、あまり自らの能力や行ってきた業績、実績をアピールすることはありません。
しかし、アメリカ人は特に、自分の才能や実績を他人に直接アピールします。
本当のことであれば自分の才能を他人にアピールすることは彼らに取って当たり前のことです。
アメリカ人と話す時は、まずこれまで自分が行ってきたことやできることを恥ずかしがらずにお互いに話すことで、相手の能力を確認し、ビジネスをスムーズに始めることができます。
日本に比べて海外のビジネスではハッキリと物を言うことを求められる
よく、日本人は外国人に対して「ハッキリと物を言う」という印象を抱きがちですが、海外のビジネスマンからすると日本人はしゃべらなさすぎと見られています。
日本人は、会社内、または業界内で培われた独特のルールの中で、「言わなくても通じる」ことが美徳とされ、ビジネスでも重宝される傾向があります。
ですが、海外のビジネスマンは自分の意見を発信することの重要さを教育されていることがほとんどです。
グローバルにビジネスを広げて行く上では、日本企業の持つ「行間を読む」というコミュニケーションを当たり前のものとせず、積極的に自らの主張を明確にしていく必要があります。
まとめ
海外と日本のビジネスマナーの違いについてご紹介しましたが、いかがでしょうか?
今回は主にアメリカとの違いについてご紹介しましたが、国により異なることも多いです。
同じ英語圏のアメリカとイギリス、また、アジアであっても日本と中国、韓国でも民族性やマナーは大きく異なります。
日本で当たり前と思っていることが海外のビジネスマンにとっては間違いと見なされたり、不快感を与えてしまうことがあるということを頭の片隅に置いておき、失礼のないように対応するよう心がけましょう。
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