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コミュニケーション

ビジネスメールの基本とマナー29選

ビジネスメールの基本とマナー

近年はビジネスシーンでもチャットなどの非対面コミュニケーションツールが使われるようになってきましたが、やはり最も多く利用されているのはメールかと思います。
もちろん、中には「メールよりもチャットを利用する方が多い」と言った方もいると思いますが、メールを全く使わないと言った方は少ないと思います。

そんなビジネスメールにも基本やマナーが存在します。
仕事を通して様々な方とやり取りすることで自然に基本やマナーを覚えられるかもしれませんが、我流になってしまうことも多く、気づかずにマナーに反したメールを相手に送ってしまうことになるかもしれません。
ここではビジネスメールに関する基本やマナーについてご紹介していきます。

件名の基本とマナー

プライベートでメールを送る際にはあまり件名を気にすることはありませんが、ビジネスシーンでメールを送る場合には、本文だけでなく件名にも基本やマナーが存在します。

件名は内容が分かるように

多い方の中には1日に100通以上のメールが届く方もいます。
それだけの量のメールを毎日捌くとなると「急ぎで内容を確認する必要があるメールなのか」「返信が必要なのか」「単なる共有事項なのか」などを件名から一瞬で判断していかなければ業務をこなしきれません。
そのため、ビジネスでメールを送る際は、件名を見ただけでメールの内容がある程度分かるようにすることがビジネスメールの基本です。

悪い件名の例でいえば、

例:再送付
例:先週お話した件

などがあります。

「再送付」では件名を見てもメールの内容を予想することができません。また、「先週お話した件」も相手が覚えていてくれれば伝わるかもしれませんが、覚えていない場合や後になって見返す際には件名だけでは何のメールか判別しにくくなってしまいます。

それよりも

例:〇〇サービスに関する資料と契約書の再送付
例:営業会議の時間変更に関するお知らせ

と言ったような件名にした方が相手は本文を見る前にある程度内容を推測することができますし、後日メールを探す際も探しやすくなります。

【】をうまく使う

重要なメールには【重要】、急ぎのメールには【至急】と言ったように隅付き括弧(すみつきかっこ)と呼ばれる【】を件名につけることがビジネスシーンではよく見られますが、重要性や緊急性にあわせてうまく使い分けることもビジネスメールの基本です。

ただし、重要でもないメールに【重要】と記載することはもちろん、メールを送るたびに【重要】や【至急】、【共有】、【お知らせ】【ご確認】と言ったように毎回使うのはマナー違反です。

「Re:」「Fw:」はつける

返信する時につく「Re:」や転送する時につく「Fw:」。
煩わしいと感じる方もいますが、そのメールが返信であることや転送であることがひと目で分かることから付けたままにするのが基本的なマナーです。

「Re:」や「Fw:」は長くなったら消す

上記で紹介した「Re:」や「Fw:」は、何度もやり取りをしている内に「Re:Re:Re:」と言ったように数が増えてきてしまい、件名が「Re:」や「Fw:」で読みにくくなってしまいます。

そういった時は「Re:」や「Fw:」を一定数で消したり、止まることがマナーです。
全て消してしまうとやり取りが分かりにくくなってしまいますので残しつつも適度に止める、または消すようにしましょう。

はっきりと決まっているわけではありませんが、「Re:Re:Re:」と言ったように3回前後で止め、それ以上に付く場合には消すようにしましょう。

本文の基本とマナー

メールの本文にも基本やマナーが存在します。
マナーが出来ていなくとも相手に必要な情報を伝えることは可能ですが、基本やマナーができていれば、相手に不快感を与えないばかりか、好感を持ってもらえる可能性もありますのでしっかりと覚えておきましょう。

略称は避ける

すでに仕事でメールを使用している方の中には取引先から「株式会社」を「㈱」と略されて送られた経験がある方もいると思いますが、略称を使うのはマナー違反です。
当然「有限会社」を「㈲」と略したり、「代表取締役社長」を「代表取締役」と略すことも失礼にあたります。

直近の上司など社内のある程度親しい間柄では許されることもあるかもしれませんが、少なくとも取引先など外部の方にメールを送る際は略称を使わないように注意が必要です。

敬称を正しく使い分ける

メールに限らずビジネスシーンでは敬語を使うことが多くあります。しかし正しい敬語となると社会人経験の長い方でも難しいですが、しっかりと使えるようになることで上司などとも良好な人間関係を築きやすくなりますし、社外の方とも信頼関係を築きやすくなるはずです。

特に「使ってませんか?間違った敬語70選」に記載した「了解しました」「ご苦労さまです」などはメールでも間違って使われることの多い敬語ですので使わないように注意が必要です。

クッション言葉や敬語を正しく使い分ける

お客様:新商品のAを発注したいと思います。
担当者:現在、在庫切れとなっております。

と言ったような直接的な表現は冷たい印象を与えてしまうだけでなく、相手に誤解を与えてしまう要因になりかねません。
そんな時に便利なのがクッション言葉です。

お客様:新商品のAを発注したいと思います。
担当者:せっかくご注文をいただいたにも関わらず大変申し訳ございませんが、現在在庫切れとなっております。

と言ったようにクッション言葉をメールに使うことで相手への印象は大きく異なります。
相手への気遣いができることはメールの基本であるだけでなく、社会人に必要なビジネスマナーでもあります。

●■【】を上手く使う

●や■などの記号を使い可読性の良いメールにするのもマナーです。
強調して伝えたい箇所や見出しの先頭などに入れるだけで読みやすいメールになるはずです。
ただし、多用し過ぎてしまうと可読性の悪いメールとなってしまうので注意しましょう。

また、●や■以外にも「【】をうまく使う」でも記載した【】を使うのもおすすめです。

書き出しが長くならないに注意する

ビジネスでメールを送る時は「いつもお世話になっております」「先日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございました」と言ったような書き出しから始めるのが基本です。

しかし長すぎる書き出しはかえってマナー違反となります。
冒頭でも記載したように多い方は1日に多数のメールを受信します。そのため、書き出しが長いメールは例え好意があったとしても読むのに時間がかかるため迷惑になってしまう可能性があります。

メールの書き出しは相手の迷惑にならない程度の長さにまとめ、要件が伝わりやすいメールを送るのが基本です。

文末の締めの言葉にも注意する

書き出しと同様にビジネスメールには文末に締めの言葉を書くのがマナーであり基本です。

返信を求める場合に「お手数ですがお返事をお待ちしております」や注文などをお願いする場合に「ご検討のほどよろしくお願い致します」と文末に一言記載するだけで文中に記載するよりも相手に要件が伝わりやすくなるためリアクションを得やすくなります。

また、返信などを求めない場合にも「よろしくお願い致します」や「ありがとうございました」と言った締めの言葉を記載するだけで丁寧な印象を与えることが可能となります。

内容は要点を押さえる簡潔に伝える

聞いたことがある方も多いと思いますが、相手に何かを伝える場合には5W1Hが基本となります。
5W1HとはWho、When、Where、What、Why、Howの頭文字から出来ており、だれが、いつ、どこで、なにを、なぜ、どのように、と言った6つをメールに記載することで伝えたい内容を過不足なく伝えることができます。

たとえば下記のようなメールの場合

株式会社社会人の教科書様から新商品の説明をして欲しいとのご連絡をいただきましたので、11月12日の13時に本社へ来社いただく予定になっておりますが、新商品のパンフレットはいつごろ出来上がる予定でしょうか?

この場合の5W1Hは下記のようになります。

Who:株式会社社会人の教科書様
When:11月12日の13時
Where:本社
What:新商品
Why:商品の説明をするために
How:パンフレットを使って

開封通知はできるだけ使わない

送信したメールが開かれたかどうか送信者が知ることができる「開封通知」。

「開封確認」や「開封要求」なども言われることもありますが、仕事で使用するメールでは使わないのが基本です。

開封通知は送信者にとっては便利な機能ですが、メールを受け取る側にとっては後で読もうと思っていても開いた瞬間※に相手に通知されてしまうため相手に強要などマイナスイメージを与えてしまう可能性が高くなります。
もちろん、人によって感じ方は異なりますので気にしない方もいますが、半数以上の方が「不快に思う」と言ったデータも存在しています。

相手の配慮を欠いたメールはマナー違反となりますので、やはり開封通知付きのメールを送るのは控えるようにしましょう。

※正確には開いた際にポップアップが表示され、開封確認のメッセージを送信者に送信するかを聞かれ、「はい」を選択すると自動的に送信者に開封されたことが通知されます。

引用記号を上手く使う

相手からの質問に返答する場合などでは、相手のメールの一部を引用することもあると思いますが、その際は引用している部分の先頭に「>」をつけるのがマナーです。

「>」が付いていることで引用だとひと目で分かりますし、誤解などを防ぐことができます。

ただし、引用する際にも注意点があります。
「Re:」「Fw:」などと同様に何度もやり取りしたことによって不必要に多くなってしまった「>」は適度に止めるようにしましょう。また、不必要な部分まで引用してしまうとかえって分かりにくくなってしまいますので避けるのが基本です。

顔文字を使用しない

プライベートで使用する分には問題ありませんが、ビジネスメールでは顔文字は使いません。また(笑)や(爆)と言ったモノも使いません。
同僚や後輩、部下と言った相手に使ってしまう方もいると思いますが、相手によっては不愉快や返答に困ることもありますのでビジネスでやり取りをする場合には避けるのが基本です。

特殊な記号は避ける

メールを送った相手があなたと同じ環境でメールを見ているとは限りません。そのため機種依存文字と呼ばれる特殊な記号をメールに使うのはマナー違反です。

機種依存文字とはパソコンやOS(WindowsやMac)と言った機種ごとに独自に設定されている文字のことです。機種依存文字は便利な機能ではありますが機種や文字コードの違いなどによって、文字化けが発生する原因となりかねません。そして文字化けが発生してしまえばメールは読みにくくなってしまいます。

ビジネスで相手にメールを送る際は相手の受信環境(OSの種類やメールの種類など)が分からないことが多くなりますので、機種依存文字と呼ばれる特殊な記号の使用は避けるのが基本です。

本文は適度に折り返す・適度に改行を入れる

何度も記載しているように可読性の低いメールはマナー違反ですので、本文は適度に改行を入れ、折り返し、可読性の良いメールにするのが基本です。

目安としては一行あたり30文字前後で折り返すと読みやすくなります。もちろん、ルールとして決まっている訳ではありませんので、20文字や40文字で折り返しても問題ありません。

転送では本文を書き換えない

転送する際は本文を書き換えないのがマナーです。
「説明不足」や「分かりにくい」などの理由で手を加えたくなる内容を転送したい時もありますが、それにより事実が変わってしまう可能性もありますので一切手を加えずに転送をします。

補足や訂正等を行いたい場合には転送するメールに補足内容や訂正内容を別に記載するようにするのがメールを転送する基本です。

必要な情報を入れた署名を入れる

署名とはメールの最後に送信者の社名や名前、連絡先などをまとめて記載したモノです。
仕事で相手にメールを送る場合には必ずメールの末尾に署名を記載するのが基本であり、マナーです。

・会社名
・氏名
・電話番号
・メールアドレス
・住所
・ホームページのURL

などの項目が一般的ですが、それ以外の項目を記載しても問題ありません。また内線番号などがある場合には予め記載しておくことで相手もストレスなくメール以外の連絡を選択することが可能になります。

その他の基本とマナー

件名や本文以外にもメールにはマナーが存在します。

メールと電話は使い分ける

メールはビジネスでよく使われるコミュニケーションツールの1つですが、全ての連絡をメールで行うのはマナー違反です。
確かに、メールには「履歴が残る」「相手の業務を阻害しない」などのメリットがありますが、「相手がいつ読むか分からない」「細かいニュアンスが伝わらない」「複雑なやり取りには時間がかかる(やり取りの回数が増える)」などのデメリットがあります。

そのため、自分の都合だけを考え全ての連絡をメールでやり取りするのもマナー違反となります。電話でのやり取りはもちろんのこと、直接の対面も視野に入れて使い分けることも社会人の基本です。

TOとCC、BCCを正しく使い分ける

メールのTO、CC、BCCの違いと使い分け」にも記載しましたが、TOとCC、BCCを正しく使い分ける必要があります。

しっかりと使い分けられる人からすれば間違った使い分け方をしているメールが送られてくれば気分の良いモノではありませんし、社会人としてのマナーが出来ていない人と見られてしまいかねません。
また、正しく使い分けられるだけでなく、送る必要のない相手をCCやBCCに入れてしまわないようにすることもビジネスメールを送る際のマナーです。

返信は全員返信

送られてきたメールに自分以外の宛先が指定されている場合には、送ってきた相手はもちろんのこと、TOやCCに入っている方も含めて全員に返信するのが基本です。

上記で記載した「メールのTO、CC、BCCの違いと使い分け」に詳しくは記載がありますが、CCで指定されている相手と言うのは「情報を共有しておきたい」相手として指定するのが基本です。
そのため、返信する際もCCに入っている宛先をCCとして送信することで返信内容もその方と共有することができます。

反対にその他の方を勝手に外したり、TOで指定されている方をCCに変更することは基本的にマナー違反となります。

返信はできるだけ早く

朝一で送ったメールが夕方に返ってくる。前日の夕方に送ったメールが翌日になっても返ってこない。と言ったような相手とはスピーディーなやり取りを行うことができません。
それにより競合他社に仕事を取られてしまったり、相手の業務を止めてしまうことになりかねません。

届いたメールは基本的に数時間以内に返信するのが基本です。また、外出などですぐに返信できない場合でもその日の内に返信し、営業時間外に届いたメールは翌日の朝一で返信するように心がけましょう。

中には社内で確認をしなければ返信することができないこともあると思います。そんな時も「現在社内で確認中です」や「明日の午前中までにご返事致します」と言ったようなメールを送っておくことも相手に迷惑をかけないためのマナーです。

添付ファイルは1M(メガ)まで

仕事でメールを送る場合、請求書や見積書、企画書などを添付して送ることも多くありますが、添付ファイルのサイズにも注意が必要です。

あまりにも大きなファイルサイズのデータをメールに添付して送ると届かいないことがあります。
自社の使用しているメールサーバで拒否されれば、送信者にエラーメールが届いたり、メールソフトでエラーが表示されることもありますが、相手のメールサーバで拒否された場合にはエラーの通知がされないこともあるため、送ったつもりでも相手の連絡が一向に届かないこともあります。

また、仮にメールが無事に届いても相手のメールボックスの容量を圧迫することになりかねず、詳しい方に送ると「嫌がらせか?」と思われてしまいます。

何M(メガ)であれば問題ないと言ったルールはありませんが、大きくても1Mまでに抑え、それ以上のファイルを相手に送る場合にはファイル共有サービスなどを利用するようにしましょう。

テキストメールが基本

メールの形式にはテキストメールとHTMLメールの2種類があり、ビジネスで相手にメールを送る場合にはテキストメールを送るのが基本です。
HTMLメールは様々な装飾などができるメリットがありますが、ウイルスを埋め込むことができるメール形式であるためビジネスでは基本的に利用されません。

また、メーラー(メールソフト)によっては初期設定がHTMLメールとなっているソフトもあります。
知らずにHTMLメールを送っているとは言えマナー違反であることには違いありませんので一度確認するようにしましょう。

相手の営業時間に気を配る

メールは時間を気にせず連絡をすることができるコミュニケーションツールです。
しかしビジネスでメールを送る場合には相手の営業時間内に送るのがマナーと言われています。

特に最近はメールをスマホなどの携帯でも受信できるようにしている方もいるため、急ぎでもないメールを営業時間外に送ることは社会人として配慮にかけていると言われています。
そのため、深夜にメールを送ることや土日など相手の定休日にメールを送るのは特別な理由がないかぎり避けるのが基本となります。

筆者の個人的な意見としては、それほど気にする必要はないと思いますが、迷惑になる可能性もないとは言えない以上、相手の営業時間外にメールを送る場合には「夜分遅くのご連絡大変申し訳ございません」と言ったようなお詫びの言葉を添えたり「ご返信は週明けで問題ございません」と言ったような言葉を添えるのがマナーかと思います。

送信前に必ず確認する

メールに限らず誤字や脱字は社会人としてあってはならないことです。
また、予測変換によって漢字への変換は楽になっていますが、その分、誤変換と言ったミスが多くなりやすい傾向にあります。
そのため、送信前には必ず記載内容を確認することが重要です。

特に名前の間違いには注意しましょう。例えば「高橋」と言った名字には「高」の字と「髙」の字があります。また、「よしだ」にも「吉田」と言った名字もあれば「????田」と言った名字もあります。
相手の名前や社名のミスは特に失礼にあたりますので送信前には必ず確認するようにしましょう。

宛先の間違いに注意

上記に続き多い間違いとなるのが送信先となる宛先の指定間違いです。

A社の高橋さんに送るつもりがB社の高橋さんに送ってしまうなどのミスは失礼になるだけでなく、個人情報の漏洩や取引情報の漏洩などにも繋がりかねません。
本文確認と同様に送信前には宛先が間違っていないかも必ず確認するようにしましょう。

また、間違えてメールの入力途中で送信してしまうこともありますので、宛先は最後に入力・指定するようにすることでそういったミスを防ぐことが可能になります。

間違えた場合にはすぐに訂正しお詫びの連絡をする

それでも間違えてしまった場合にはすぐに訂正しお詫びの連絡をすることもマナーです。
また、間違いの内容によってはメールで連絡をするだけでなく、電話でもお詫びの連絡をするとなお良いと言われています。

ミスは仕事上許されることではありませんが、その後の迅速な対応で相手の印象も変わってくるはずです。

最後に

これまで紹介したようにビジネスメールには名刺交換やエレベーターなどと同様に基本やマナーが存在しますが、ビジネスメールに関するマナーが出来ていない方とやり取りをした経験がある方も多いと思います。

新社会人など社会経験の少ない方であれば仕方がない部分もありますが、社会人経験が豊富な方の中にもマナーが出来ていな方や独自のマナーを作ってしまっている方も多くいます。

これから社会人になる方や社会人になったばかりの方はこれを機にしっかりとビジネスメールに関するマナーを覚えていただければと思います。

ビジネスメールの基本とマナー

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