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「主催」「共催」「協賛」「協力」「後援」の違い
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主催・共催・協賛・協力・後援の違いとは
各地で開催されるスポーツなどのイベントには、ほとんどの場合で、「主催」や「協賛」といった肩書の団体名・個人名が並んでいます。こうした言葉の意味は、なんとなくは分かっていても、きちんと説明できないという人も多いでしょう。
そこで今回は、「主催」「共催」「協賛」「協力」「後援」という5つの言葉の意味について、詳しく説明していきます。これらの言葉の違いを把握し、正しい使い分けの参考にして見てください。
主催とは
主催とは、ある行事やイベントの開催に際して、その実行を中心となって行うことを言います。また、それを担う個人や団体、機関等も指しており、この場合は「主催者」とも呼ばれます。例えば、地域の運動会やお祭りを行う場合は、町内会や自治会が主催となります。また、大規模な展覧会やスポーツ大会についても、新聞社などが主催となり、実行を取り仕切るのが一般的です。主催はイベント運営の要であることから、事故やトラブルが起きた際の責任も負うことになります。
主催と間違いやすい言葉に「主宰」がありますが、両者の意味は異なります。主宰の「宰」は「つかさどる」という意味で、催し事についての意味ではありません。こちらは、劇団などの団体のトップなどを指して言う言葉となっています。
共催とは
共催とは、あるイベントの運営を、複数の団体が共同で執り行うという意味の言葉です。また、その主体となる団体等も指しています。文字通り、「共同開催(者)」を意味します。主催との違いは、1社単独の運営ではないという点にあります。
このように、共催は2つ以上の団体が共同で運営にあたることですが、実際には、「主催」として2つの団体が記載されている場合もあります。しかし、これも本来は、共催とするのが正確と言えます。具体的な例では、春と夏の甲子園が挙げられるでしょう。この2つの大会は、日本高等学校野球連盟と、毎日新聞(春)、朝日新聞(夏)の共催となっています。
協賛とは
協賛とは、イベントの趣旨に共鳴し、運営に協力すること、またはその団体を言います。実質的な役割としては、スポンサーの立場になります。主に金銭的なサポートを担い、人や物、サービスの提供などもします。とりわけ費用の負担が多い協賛を「特別協賛」と呼び、その企業名や団体名をイベント名に冠する場合もあります。協賛側としては、金銭等を援助することで、イメージや知名度の向上が見込めるというメリットがあります。
協賛は、言葉の響きから共催と間違いやすいところですが、両者には明確な違いがあります。協賛は上記のように、金銭や人・物のサポートを指していますが、共催は前述のように、複数の団体が運営実行に関わることを指しています。
協力とは
協力とは、一般的な意味では、他の人々と目的達成に向かって力を合わせることを言います。興行で言う場合の協力は、イベント実施のために特定の役割を担うこと、またはその団体を指しています。
金銭的な援助を行う場合もありますが、協賛とは違い、それほど多額のものではありません。それよりも、場所や物品の提供など、イベント運営のための特定の役割を担うことが主となっています。例えば、マラソンなどのスポーツイベントの趣旨に賛同した地方自治体が、物品の貸し出しを行ったり、広報や情報の提供を行うといったことが、協力にあたります。協賛と同様に、とりわけ大きな尽力があったものを、「特別協力」として区別する場合もあります。
後援とは
後援とは、一般的には、ものごとがうまく進むように後ろ盾となって援助することを言います。興行における後援は、そのイベントの趣旨に賛同し、応援の意を表する団体や個人のことです。自治体などの公共機関や、新聞社といった公共性の高い団体が担当することが多くなっています。
後援と名前が付いていても、実務的な役割は担わないことが通常で、現実には単なる名義貸しといった面が強くなっています。そのイベントの社会的な信用を高めるため、名前だけを借りているという場合がほとんどです。この点は、実際に場所の提供などを行う協力との違いとなっています。ですので、金銭等の援助があるケースはまれですが、報道機関が後援に入る場合には、広報による援助を行うこともあります。
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