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一般常識

「落ちる」「堕ちる」「墜ちる」の意味と違い

「落ちる」「堕ちる」「墜ちる」の意味と違い

「落ちる」「堕ちる」「墜ちる」の意味と違い

「おちる」という言葉は、「階段から“おちる”」「罠に“おちる”」などのように、日常でもよく使われるものです。これを漢字で表そうとする時、真っ先に思い浮かぶのは「落ちる」ですが、ほかにも「堕ちる」「墜ちる」という表記が候補に上がってきます。一体この3つは、どのように使い分けるのが正しいのでしょうか。

今回は、「落ちる」「堕ちる」「墜ちる」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

「落ちる」とは

落ちる

「落ちる」とは、「上から下に自然に、また急に移動する」という意味の言葉です。この場合は「谷底に落ちる」「蛇口から水滴が落ちる」「山間に日が落ちる」「さっきから雪が落ちてきたようだ」のように使われます。

また、「色が落ちる」のように「ついていたものが取れる」の意味や、「記憶から落ちていた」のように「一部分が欠ける」の意味、「試験に落ちる」のように「落伍する」の意味、「鮮度が落ちる」のように「衰える」の意味など、ほかにも多数の意味合いを持ちます。
「落」の字は、「(草や木の葉が)おちる」を表しています。

「堕ちる」「墜ちる」との違いは、一般に幅広く使われるというところにあります。「堕ちる」「墜ちる」は使われ方が限られますが、「落ちる」は常用漢字表に読みがあることもあり、多用な場面で使用できるようになっています。

「堕ちる」とは

堕ちる

「堕ちる」とは、「品性が低くなる」「おちぶれる」といった意味の言葉です。「悪の道に堕ちる」「堕ちるところまで堕ちると、恥も感じなくなる」「かつての理想は地に堕ちて、今の奴は権力欲の塊だ」のように使われます。

「堕ちる」の「堕」という字は、「くずれおちた城壁」を表しており、そこから「くずれおちる」「こわれる」などの意味で使われるようになりました。なお、常用漢字表では、「堕」の字に「お(ちる)」の読みはありません。

「堕ちる」はこのように、「堕落する」「道を踏み外す」といった意味合いに限って使われる点が、「落ちる」との違いになります。そのため、「涙が堕ちる」や「語るに堕ちる」などの使い方は、通常はされないようになっています。

「墜ちる」とは

墜ちる

「墜ちる」とは、「落下する」という意味の言葉です。特に、今まで飛んでいた比較的巨大なものが落下することについて言い、「飛行機が墜ちる」「隕石が墜ちる」などのように使われます。また、「巨星が墜ちた」のように、「偉大な人物が世を去った」の意味で使われることもあります。

「墜ちる」の「墜」という字は、「段を人がさかさまにおちる」さまを表しており、そこから「おちる」「おとす」などの意味で使われるようになりました。こちらに関しても、「お(ちる)」は表外読みとなっており、公用文などでは使われません。

「墜ちる」も「堕ちる」と同様に、使われ方が限定される点が、「落ちる」との違いになります。「墜ちる」は、「谷底に墜ちる」などのような使い方をする場合はありますが、「色が墜ちる」や「肉が墜ちる」などの使われ方はされません。また、通常は「悪に墜ちる」などの使い方もしない点で、「堕ちる」と使い分けられます。

「落ちる」「堕ちる」「墜ちる」の意味と違い

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