一般常識
同行・同伴・同席・随行・引率・付き添いの意味と違い
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「同行」「同伴」「同席」「随行」「引率」「付き添い」の意味と違い
「どこかへ誰かといっしょに行く」という意味を表す場合、どんな言葉が思い浮かぶでしょうか。もっともポピュラーなのは「同行」ですが、それ以外にも「同伴」や「同席」「随行」といったものもあります。これらの言葉には、一体どんな違いがあるのでしょう。使い分けのポイントについても知りたいところです。
そこで今回は、「同行」「同伴」「同席」「随行」「引率」「付き添い」の意味と違いについて詳しく解説していきます。
同行とは
「同行」とは、「いっしょに連れ立っていくこと」という意味の言葉です。主たる人に付き従い、目的地まで共に行くことを指します。また、そうした人自体も指します。読み方は、「どうこう」で、「同道」と同じ意味合いになります。「バス停まで同行しましょう」「警察に任意同行を求められた」のように使われます。
「同」は「おなじくする」「ともにする」を表し、「行」は「進む」「道のり」などを意味しています。
「同行」のポイントは、誰に対しても使えるという点にあります。会社の上司や同僚、後輩に対しても、立場に関わらず使えますし、もちろん性別や年齢も関係ありません。誰かといっしょにどこかへ行く場合には、ほとんどの場合で使えるという特徴があります。
この点は、後述する「同伴」との違いになります。
同伴とは
「同伴」の意味は、「どこかへいっしょに連れ立っていくこと」というものです。特に、男女が連れ立っていくことを指します。読み方は、「どうはん」です。「父兄同伴で参加する」「恋人と同伴で来た」「彼女には同伴者がいる」のように使われます。
「同」は上記のように「ともにする」を意味し、「伴」は「連れ」や「一緒に行く」などを意味しています。
「同伴」の基本的な意味合いは、このように「同行」と違いはありません。しかし、「同伴」は前述のように、特に男女がいっしょに行動することを指すという点が特徴となっています。「同行」は性別を問わず使いますから、この点は両者の違いと言えます。
同席とは
「同席」とは、「同じ席に居合わせること」という意味の言葉です。文字通り、同じ場所で1つの座席に座ったり、席を連ねることを言います。また、そうした席も指します。類語には、「列座」や「列席」などがあります。読み方は、「どうせき」です。「上司と同席する」「同席者は苦手な人だ」「この度はご同席いただきありがとうございます」のように使われます。「同席」にはほかにも、「席次や地位が同じ」という意味もあります。
このように、「同席」は2人以上の人物が一つ所に居合わせることを表しており、どこかへ連れ立って行くわけではありません。この点は、「同行」や「同伴」との大きな違いです。
随行とは
「随行」とは、「付き従って行くこと」という意味の言葉です。ある人の共として、目的地まで付き従うことを言います。また、そうした人も指します。読み方は、「ずいこう」です。「社長に随行する」「大使の随行員」「大統領の随行団」などのように使われます。
「行」は前述のように「進む」などを表し、「随」は「したがう」「ともにする」を表します。
「随行」の特徴は、目上の人や地位の高い人に対してのみ使われるという点にあります。会社のトップや政治家、大臣といったレベルの人に対して使われる言葉で、同僚や、後輩などの人間に対して使われることはありません。この点は、「同行」との明確な違いになります。
また、「同行」は日常でも使う言葉なのに対し、「随行」は政治やビジネスなどでしか使われないという違いもあります。
引率とは
「引率」とは、「引き連れること」という意味の言葉です。多数の人間を率いて、どこかへ連れていくことを指しています。読み方は、「いんそつ」です。「小学生を引率する」「教師が引率にあたる」「引率者が見当たらない」のように使われます。
「引」はこの場合「つれていく」を指し、「率」は「ひきいる」を指しています。
このように、「引率」は生徒など大勢の人間を目的地へ連れて行くことを指す言葉で、単なる「同行」などとは意味合いが違います。「同行」は「いっしょに行く」ことしか指しませんが、「引率」は「責任を持って率先して導く」という意味合いを持っています。
付き添いとは
「付き添い」とは、「世話をするために人へ付き従うこと」という意味の言葉です。病人や年少者、または主人などの保護・世話を目的として、その人に付いてまわることを言います。読み方は「つきそい」で、「付添」と書く場合もあります。「付き添いとして、姉に来てもらった」「付き添いの方はこちらでお待ちください」のように使われます。
「付き添い」と「引率」は、目的は似ていますが、「引率」が大勢の人と行動を共にするのに対し、「付き添い」は1人か、多くても数人程度に付き従うという点が違います。
また、「付き添い」には「世話をする」という意味合いが含まれますから、「同行」とも使い方が異なります。
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