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「GDP」「GNI」「GNP」「NNP」「NI」「NNI」の意味の違い
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GDP・GNI・GNP・NNP・NI・NNIの意味の違い
「GDP」や「GNP」といった言葉は、経済関連のニュースで比較的おなじみです。しかし、それらの言葉は何となくわかっているつもりでも、実は内容をよく知らないという人も多いのではないでしょうか。経済の動向を示す重要な指標であるこれらの言葉は、やはりしっかりと意味を踏まえておきたいところです。
そこで今回は、「GDP」「GNI」「GNP」「NNP」「NI」「NNI」の意味の違いについて詳しく解説していきます。
GDPとは
「GDP」とは、日本語で言う「国内総生産」のことです。「Gross Domestic Product」の頭文字を取って「GDP」と呼ばれています。「Gross」は「全体の」「総体の」を、「Domestic」は「国内の」を、「Product」は「製品」を意味しています。
「GDP」は、一定期間内に国内でどれくらいの付加価値が生み出されたかを表しています。この場合の付加価値とは、モノやサービスの生産・提供によって生じた価値のことです。具体的には、国内で1年間に人々が稼いだ金額を指します。「GDP」には、物価の変動を反映させた「名目GDP」と、物価の変動を取り除いた「実質GDP」の2種類があります。
「GNI」などとの違いについては、以下で見ていきましょう。
GNIとは
「GNI」とは、「Gross National Income」の略語で、「国民総所得」を意味する言葉です。「National」は「国民」を表し、「Income」は「所得」を表しています。
「GNI」は、以前は「GNP」と呼ばれていました。しかし現在では、同様の概念として「GNI」の方が使われるようになっています。
「GNI」は、経済成長の指標という点では、「GDP」と変わりません。両者の違いは、「GDP」が「1年間に国内で生み出された総付加価値」を表すのに対し、「GNI」は「国民が1年間に受け取った所得の合計」を表すという点にあります。「GDP」の範囲は国内に限られますが、「GNI」は国外の所得も含んでいます。
GNPとは
「GNP」とは、「Gross National Product」の略語です。日本語では、「国民総生産」と訳されます。一定期間内に、国民によって生み出された商品やサービスの付加価値の総計を意味しています。
「GNP」は、前述のように「GNI(国民総所得)」以前に使われていた指標です。しかし、2000年からは同様の概念として「GNI」が用いられるようになりました。「GNP」は「付加価値の合計」、「GNI」は「所得の合計」と表現されますが、両者の違いは、実質的にはありません。
「GNP」は、かつてはその国の経済規模を表す数値としてよく使われていましたが、1993年に「GDP」が導入されて以降、注目される割合は下がっています。
NNPとは
「NNP」とは、「Net National Product」の略語です。日本語では、「国民純生産」となります。この場合の「Net」は、「かけ値のない」「正味の」などを意味します。「大まかな総体」を表す「Gross」と対になる言葉です。
「NNP」は、「GNP(国民総生産)」から減価償却費(固定資本減耗)を差し引いたものを表します。減価償却費とは、生産活動によって失われる資産の価値を意味しています。減価償却費を差し引くことによって、「GNP」よりも純粋な付加価値を算出することが可能となります。
以上のように、「NNP」と「GNP」の違いは、中身に減価償却費部分を含むかどうかという点にあります。
NIとは
「NI」とは、「National Income」の略語です。日本語にすると、「国民所得」という意味になります。
「NI」は、ある一定期間内に国民が得た所得の合計を示した指標です。「NNP(国民純生産)」から間接税や固定資産税の消耗分を差し引いて、そこへ補助金を足し合わせることで求められます。「NNP」は市場価格(実際に販売される際の価格)を用いて算出されますが、市場価格には間接税等が含まれています。それらの影響を取り除くことにより、国内民間企業の本当の経済力を測る指標が、「NI」になります。
このように、「NI」と「NNP」の違いは、「NNP」から間接税を控除して、補助金が加えられているという点にあります。
NNIとは
「NNI」とは、「Net National Income」の略語です。日本語での意味は、「国民純所得」になります。
「NNI」と「GNI」は、減価償却費を含むかどうかという点に違いがあります。「NNI」は、「GNI(国民総所得)」から減価償却費(固定資本減耗)を差し引くことで求められます。
経済循環の過程は、ある国民が1年間に生産した製品の純付加価値を合計したもの(生産)、それを賃金や利子、配当といった形で分配したもの(分配)、さらに、それらを消費あるいは投資という形で支出したもの(支出)という3つに分けられます。この3つの側面はいずれも等価となりますが、「NNI」は、このうち分配面を表したものになります。
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