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通信社とは?新聞社との違いとは?日本の二大通信社
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新聞やネットニュースなどを見ていると、記事の頭などで「○○通信」という文字を目にする機会が多くなっています。これらは「通信社」と呼ばれる会社で、報道の世界では不可欠な存在ですが、一般には知られていない部分も多いのが実情です。特に、「新聞社とどう違うのか」という点については、あまりよく分かっていないという人も多いでしょう。
そこで本記事では、「通信社」の意味や新聞社との違い、また、日本で「二大通信社」と呼ばれる2つの会社について、詳しく解説していきたいと思います。
通信社とは?新聞社との違い
通信社とは?
「通信社」とは、「さまざまなニュースを取材し、それについての記事を新聞社や放送局、雑誌社などに提供する機関」という意味の言葉です。英語では、「News agency」などと呼ばれます。
記者がそれぞれの取材を通じて得た情報に基づいて記事を執筆、それを前述の各メディアや、企業に配信する役割を担っています。記者は国内の各地に配置されているだけでなく、海外のあちこちにも派遣されており、国内外のニュースを幅広く扱っています。
マスメディアのほかに通信社が存在するのは、その方が報道の効率性が高いためです。日々発生する膨大なニュースのすべてを、メディアの情報網だけでカバーするのは至難の業ですが、独自の情報網を持つ通信社から記事の供給を受けることで、効率的に多くのニュースを報道することができます。
たとえば地方紙は全国紙と違い、日本中に記者を置くことはほぼ無理ですが、通信社を活用することで、全国規模のニュースも扱うことができます。
新聞社との違い
「通信社とは、ニュースの取材と記事の執筆、そしてその提供を行う機関」を意味すると上で述べましたが、これは多くの点で新聞社と共通しています。しかし、両者はある点で大きな違いがあります。その違いとは、「自社媒体を持つかどうか」ということです。
新聞社の場合、所属する記者が書いた記事のすべては、自社が発行している新聞の紙面に掲載されます。新聞社の主な利益は、そうして発行された新聞を販売することにより得られています。一方、通信社の場合は、このような自前の媒体を持ちません。通信社に所属する記者が執筆した記事は、すべて新聞などのメディアや、企業などに有償で提供されることになります。通信社は、その対価や契約料によって利益を得る仕組みです。
このように、通信社は自社媒体を持たないという点で、新聞社と区別されます。
日本の二大通信社
通信社は、米国のUPIやフランスのAFPなど、世界のあちこちに存在しています。もちろん日本も例外ではなく、特に「共同通信」と「時事通信」の2つは、国内では「二大通信社」としてよく知られています。以下の項目では、この2つの日本の通信社について、それぞれ紹介していきましょう。
一般社団法人共同通信社
「共同通信」は、正式名称を「一般社団法人共同通信社」と言います。設立されたのは1945年11月1日で、2008年に一般社団法人となりました。NHKと加盟新聞社の56の各加盟社、及び契約新聞社や契約民間放送局などの101の各契約社へ、ニュース記事や社説、連載記事などの提供を行っています。運営は、加盟社が支払う「社費」と呼ばれる出資金によって行われる仕組みです。
非常に多くの加盟社や契約社を持つ点からうかがえるように、同社の有する影響力は、かなりの大きさとなっています。
株式会社時事通信社
「株式会社時事通信社(時事通信)」は、「共同通信」と同じく、1945年11月1日に設立されました。本来は「共同通信」と統合される予定でしたが、やがてその構想は破綻、現在はお互い競合関係にあります。
作成したニュース記事を、各メディアに配信する点は「共同通信」と同様ですが、こちらでは官公庁や企業への専門情報の配信も行っています。一般ニュースの収益構造は、加盟社を持たないことから、記事が採用される都度収入が入る形です。
規模や影響力の点では「共同通信」には及ばないものの、日本のジャーナリズムにおいて重要な存在であることは間違いありません。
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