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ビジネス用語

「リリース」「カットオーバー」「ローンチ」「サービスイン」の違い

「リリース」「カットオーバー」「ローンチ」「サービスイン」の違い

「リリース」「カットオーバー」「ローンチ」「サービスイン」の違い

日本語には次々に新しいカタカナ言葉が流入してきますが、そうした言葉の中には、似たような使われ方をするために違いが分かりづらいものも多数あります。「リリース」「カットオーバー」「ローンチ」「サービスイン」の4つも、そうした言葉の一種でしょう。これらの4語はどれも「サービスなどの開始」といった意味合いで共通していますが、どのように使い分けられているのでしょうか。

今回は、「リリース」「カットオーバー」「ローンチ」「サービスイン」の意味や違いについて、詳しく解説していきたいと思います。

「リリース」とは

リリース

「リリース」とは、英語の「release」をカタカナ化した言葉で、主に2つの意味を持ちます。1つは「束縛を解いて放つこと」というもので、「釣ったヘラブナをリリースする」のように使われます。もう1つは、「音楽アルバムやアプリケーションソフトなどを発売・発表すること」「情報や記事などを発表すること」というもので、「新アルバムのリリース日が解禁された」「新しい業務システムがリリースされた」のように使われます。

このうち「カットオーバー」などとの違いが問題となるのは、後者の意味の方ですが、基本的な使われ方に関しては、他と大きく変わりません。ただ、「リリース」の方は、一般的な用語として幅広い分野で使われるという点に特徴があります。

「カットオーバー」とは

カットオーバー

「カットオーバー」とは、IT業界でよく使われる用語で、「新しく開発されたシステムが稼働すること」を意味します。一方、開発側からすれば、「開発作業の終了」を指します。「サービスイン」と表現されることもあります。また、Webサイトのオープンや、新旧のシステムの切り替えに際しても使われます。

「(森林地での)伐採済みの土地」の意味を持つ「cut over」という表現が、「木を伐採した土地で新しくものごとを始める」の意味になり、ビジネス用語として広まったと言われています。
ただ、「新システムの稼働」のような意味で使われるのは日本だけで、英語圏では通用しません。

「リリース」との違いは、IT業界以外ではほとんど使われない点にあります。

「ローンチ」とは

ローンチ

「ローンチ」とは、英語の「launch」に由来するカタカナ語です。元の英語の意味は、「打ち上げる」「発射する」「船を進水させる」というものですが、ここから「事業を立ち上げる」「製品などを新しく市場に投入する」の意味でビジネス用語としても使われるようになりました。カタカナ語で「ローンチ」という場合は、主に後者の意味合いで使われるのが通常で、たとえば、「新サービスのローンチ」「アプリをローンチする」のように使われます。

「ローンチ」も、「カットオーバー」と同様にIT業界を中心として使われる点が、「リリース」との違いになります。一方、「カットオーバー」と「ローンチ」は同じ意味を指すことも多くなっていますが、前者が「システムを実際に運用し始める際」に使うのに対し、後者は主に「新製品・サービスのお披露目の際」に使われる点で区別することもできます。

「サービスイン」とは

サービスイン

「サービスイン」は、「顧客に向けて新しいサービスを開始すること」という意味の言葉です。やはり主としてIT業界で使われる用語で、日本語に置き換えると、「正式公開」などとなります。また、企業などの情報システムにおいて、正式に新しいシステムが稼働を開始し、業務で実際に使われるようになること(本番環境導入)を指して言う場合もあります。この場合は、「カットオーバー」とほぼ同じ意味合いです。

実際の英語に由来するわけではなく、日本でのみ使われる和製英語になります。英語で同様の意味を表す場合は、通常「go live」や「launch」などの言葉が使われます。

前述のように、「カットオーバー」とはほとんど意味の違いはありません。「ローンチ」との違いも微妙ですが、「サービスイン」はどちらかと言うと、「本番環境導入」のニュアンスが強い点で使い分けられます。

「ローンチ」「ロールアウト」「リリース」の違い

「リリース」「カットオーバー」「ローンチ」「サービスイン」の違い

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