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「人月」の意味とは?使い方や例文、計算方法

「人月」の意味とは?使い方や例文、計算方法

「人月」の意味とは?使い方や例文、計算方法

IT業界に籍を置く人であれば、「人月」という言葉はおなじみでしょう。業務の工数(完了までに必要な作業量)を測る単位ですが、正直まだよく分からない部分が多いという人もいるかもしれません。
そこで今回は、そうした人のために、「人月」の意味や使い方などについて詳しく解説していきたいと思います。

「人月」の意味

「人月」とは

「人月(にんげつ)」とは、上記のように、業務や事業の作業量を表す単位です。分かりやすく言えば、「1人で○ヵ月かかる仕事の量」といった意味を表す言葉になります。「1人の人間が1ヵ月かかってこなせる仕事の量」は、「1人月」とされます。システム開発のプロジェクトにおいて、業務の工数管理や、価格の見積などの際によく使われます。「人数」と「月数」の頭の文字を取って、「人月」と呼ばれます。

「人月」は、「ある作業に従事する人員数×1人あたりのプロジェクト従事期間(月)」によって表されます。例えば、10人で5ヵ月かかる仕事であれば、「10×5=50」で「50人月」、30人で半月かかる仕事であれば、「30×0.5=15」で「15人月」ということになります。これらはそれぞれ、「1人で50ヵ月(50人で1ヵ月)」「1人で15ヵ月(15人で1ヵ月)」の作業量と言い換えることもできます。

「1人月」の目安

1人の1ヵ月分の作業量は、フルタイムで働く従業員を想定し、1日8時間×20日間=160時間と仮定されることが多くなっています。つまり、「1人月=1人が1日に8時間に働き、20日かけてこなせる仕事量」ということになります。ただ、実際にはこれより少ない時間数を用いる場合や、正確な営業日数をもとに計算を行う場合もあります。

「人月」の使い方・例文

上では「人月」の意味について見ましたが、実際にはどのように使われているのでしょうか。ここでは、ビジネス用語としての「人月」の使い方を、例文を挙げて紹介していきましょう。

例文:「3人月は、1人が3ヵ月間働いてこなせる仕事量を指す」

例文:「人月計算で価格を決めるやり方には、異論も多い」

例文:「ベテランSEと新人SEでは、人月単価に倍以上の差が出ることも珍しくない」

「人月単価」については、この後の項目で説明します。

「人月」を使った計算方法

「人月の意味」の項目で、「人月」の単位は工数や見積の計算に際して必要になると述べましたが、具体的にはどのようにして計算されるのでしょうか。ここでは、「人月」を使った計算法について見てみましょう。

工数管理における「人月」

例えば、プロジェクト全体の工数を「40人月」と見積もったとします。この場合、期間が5か月とすると、必要なメンバー数は「40÷5=8」で、「8人」ということになります。一方、実際に要した工数を計算する場合には、「人数×時間」を足していくことで求められます。例えば、最初の3ヵ月は6人で作業していたものの、遅れが生じたために、後の2ヵ月は8人で作業したとします。この場合、最初の3ヵ月は「6×3=18」で「18人月」、後の2ヵ月は「8×2=16」で「16人月」ですから、合わせて「34人月」が実際の工数ということになります。

「人月単価」による見積計算

例文でも少し触れましたが、「人月単価」とは、「1人のエンジニアの1人月あたりの価格」を意味しています。例えば「人月単価120万円」という場合には、「エンジニア1人の1ヵ月分の作業に対してクライアントが支払う金額が120万円」ということになります。「人月単価」は、個人の能力や企業の規模などによって決まり、各エンジニアによって異なります。
例えばAという機能を作る際、人月単価120万円で工数が4人月の場合、見積では以下のような計算式で表されます。

A機能:単価120万円/月×4人月=480万円

と、この場合全部で480万円の費用がかかることになります。

「人月」の問題点

「人月」で作業量を表す場合には、各人員の能力(作業をこなすスピード)に差がなく、投入する人数に比例して仕事の速度が上がることが前提になります。こうした条件は、単純作業や定型的な業務には適用しやすいものですが、個人間の能力の差が顕著な場合や、並列化が難しい作業の場合などは、適用しづらいという特徴があります。

前述のように、「人月」はシステム開発の業務規模の工数管理に際してよく使われるようになっていますが、こうした開発工程は複雑で、各作業が相互に関連するケースが多くなっています。また、プログラミングなどの業務は個人の力量に差が生じやすく、人によって開発効率も異なってくるため、「人月」を使用した価格の決定には意味がないとする意見も多くあります。

最後に

以上、「人月」という言葉の意味や使い方などについて、いろいろと紹介してきました。

このように、「人月」は主にシステム開発における工数の単位として使われる言葉で、「1人月=1人が1ヵ月でこなせる作業量」を指します。「人日(にんにち)」や「人年(にんねん)」といった用語もありますが、これらも単位が「1日」か「1年」かというだけで、基本的な考えは「人月」と変わりません。こうしたことも踏まえておくと、混乱せずに済むでしょう。