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第三セクターの意味とは?第一セクター、第二セクターとの違い

第三セクターの意味とは?第一セクター、第二セクターとの違い
バブル経済の崩壊後、日本ではさまざまな問題が噴出するようになりましたが、それに関する話題の中で、「第三セクター」という用語を聞く機会が多くなっています。「放漫経営」や「借金」などの言葉とともに語られやすく、負のイメージの強い「第三セクター」ですが、そもそもどんな組織なのでしょうか。

本記事では、経済ニュースなどのキーワードである「第三セクター」の意味や、「第一・第二セクター」との違いなどについて、詳しく解説していきたいと思います。

第三セクターの意味とは?

第三セクターの意味とは?

「第三セクター」とは、「地域開発や都市づくりなどを目的として、国あるいは地方公共団体と民間企業との共同出資によって設立された事業体」を意味する言葉です。
具体的には、地方公共団体と民間企業が共同出資して設立運営する地方公社のうち、株式会社などの法人形態を取るものを指します。公共的な事業への民間活力の活用方式の一種で、「三セク」などとも呼ばれます。

「第三セクター」は、昭和40年代から盛んに作られるようになったものです。地方公共団体と民間企業が結びつくことで、事業の規模や予算、期間などにおける互いの短所を補い、長所を活かそうという狙いが込められていました。ただ、放漫経営に陥りやすいという難点があり、バブル崩壊後は経営難が相次いで表面化する事態となりました。

「第一セクター」「第二セクター」との違いは、後述するように、両者の共同出資によって設立された事業体を指す点にあります。

第一セクターとは?第二セクターとは?

「第三セクター」の他にも、「第一セクター」と「第二セクター」と呼ばれるものがありますが、これらはそれぞれ、「国および地方公共団体が経営する公企業」「民間事業者が経営する私企業」を指しています。つまり「第三セクター」は、「第一セクター(公企業)」と「第二セクター(民間企業)」がそれぞれ出資し合って作られた企業ということになります。

ただし、これは日本独自の定義で、国際的な意味合いは違います。「セクター(sector)」とは、本来「部門」「部署」を意味する言葉で、「第一セクター」は「公共部門」を、「第二セクター」は「民間営利部門」を指し、「第三セクター」は「民間非営利部門」の意味になります。

日本初の第三セクター

日本初の「第三セクター」は、1913年(大正2年)設立の「佐渡汽船株式会社」であるとされています。しかし、今日使われているような意味での「第三セクター」は、上記のように、昭和40年代にルーツが求められます。

この頃の「第三セクター」は、社会資本の整備のために民間企業の効率性を活かし、かつ長期の事業継続を担保し公共性を確保するという、明確な意図を持つ点が特徴です。そのような初期「第三セクター」の代表例としては、青森県や経団連などの出資による「むつ小川原開発株式会社(臨海コンビナート開発」、苫小牧市などの出資による「苫小牧東部開発株式会社(工業団地造成)」などが挙げられます。

第三セクターの意味とは?第一セクター、第二セクターとの違い

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