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ストックビジネスとは?メリット・デメリット4選・ストックビジネス事例15選

ストックビジネスとは?メリット・デメリット4選・ストックビジネス事例15選
ビジネスの種類にはさまざまなものがありますが、「収益の上げ方」という点で区分されるものの1つに、「ストック型」があります。俗に「ストックビジネス」と呼ばれるタイプで、企業経営には多くのメリットがあると言われ、近年もさまざまなビジネスモデルが生まれています。
しかし、「ストックビジネス」という言葉は知っているものの、正直あまり詳しくないという人も多いでしょう。

そこで本記事では、「ストックビジネス」の意味とそのメリット・デメリット、具体的な事例などについていろいろ解説していきたいと思います。

ストックビジネスとは?

「ストックビジネス」とは、一言で言えば、「蓄積型の収益構造を持つスタイルのビジネス」のことです。「ストック」は、「蓄積」や「蓄える」の意味を持つ英語「stock」を指し、「ストック収入」や「ストック経済」などと使われます。

「ストックビジネス」の基本的な仕組みは、顧客と一定期間の契約を結び、その期間にわたって定期的な売上を確保するというものです。継続的に収益が蓄積されることから、「ストックビジネス」の名前が付いています。具体的には、携帯電話の基本料金や学習塾といったものが、その典型例にあたります。

一方、「ストックビジネス」と対になる形でよく言及されるのが、「フロービジネス」です。こちらは「ストックビジネス」とは逆に、その都度ごとの取引で収益を上げるスタイルのビジネスを指します。

フロービジネスとストックビジネスの意味と違い

フロービジネスとは?メリット・デメリット4選

メリット・デメリット

ストックビジネスの意味については分かりましたが、具体的にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
以下の項目では、ストックビジネスのメリット・デメリットの双方について、それぞれの主なものをいくつか挙げて紹介していきましょう。

メリット

収益が安定しやすい

まずはストックビジネスのメリットについてですが、第一に挙げられるのが、「収益が安定しやすい」ということです。

ストックビジネスは上で述べたように、顧客との継続的な関係に基づいて営まれます。毎月のサポート料金はそれほど高額ではないものの、単発の仕事を都度ごとに重ねるフロービジネスとは違い、季節や流行といった外的要因に左右されません。そのため、一定数の顧客との契約確保に成功できれば、収益が着実に積み重なり、経営が安定しやすいという特徴があります。

これは、解約などによる急激な顧客離れが起きない限り、長期にわたって安定した収入が見込めるということを意味します。つまり、先の見通しがしやすいわけで、それだけ事業拡大に向けた構想も練りやすいということが言えます。

顧客と継続的な関係を構築しやすい

「顧客への理解度が深まり、関係が維持しやすい」ことも、ストックビジネスのメリットの1つになります。

前述のように、ストックビジネスでは、顧客とある程度の期間継続して付き合うことになります。それにより、顧客ごとのサービスの利用状況や要望など、細かい点について理解を深めやすいという特徴があります。この強みは、単発収益型のフロービジネスよりも大きいと言えるでしょう。この点をマーケティングに活かすことで、さらに顧客との関係が維持され、長期的な売上につなげやすくなっています。

営業活動が効率化される

ストックビジネスでは顧客との関係がある程度維持されるので、営業においてまったくのゼロからのアプローチは少なくすみます。これは、フロービジネスより大きなメリットだと言えます。マーケティング業界においては、新規顧客を獲得・販売するのにかかるコストは、既存顧客の場合の5倍であるというのが通説です。いわゆる「1:5の法則」などと言われるものですが、つまり既存顧客の成長に重点を置くストックビジネスは、営業活動の効率化において大きな効果が見込めるということが言えます。

デメリット

収益の即効性はない

続いてはデメリットですが、ストックビジネスには、「収益が上がるまで比較的時間がかかる」という難点があります。

上でも述べたように、ストックビジネスは一定の数の顧客が得られれば、安定した収益が見込めます。しかし、これは裏を返すと、顧客が一定数に達しないうちは売上が安定しないということでもあります。当然ながら、いきなり多くの顧客が得られる保証はなく、大抵はスタート当初に苦戦するようになっています。
これは、集客効果が大きく収益の即効性があるフロービジネスに比べると、小さくないデメリットと言えます。

仕組みを構築するまでに一定の時間と資金が必要

こちらは上で述べたことに通じるデメリットですが、ストックビジネスはシステムの構築まで、一定の時間や資金が必要となります。何度も述べているように、一旦環境が整えば安定的な収益が見込めますが、そうなるまでの仕組みづくりやインフラ整備には時間がかかるのが通常です。そのため、十分な資金力がない場合、最悪損益分岐点を超えるまでに事業が立ち行かなくなる可能性もあります。
ですので、場合によってはフロービジネスとの組み合わせも視野に入れる必要が出てきます。

事例

意味やメリット・デメリットだけでなく、具体的な事例についても知りたいところですが、一口にストックビジネスと言っても、さまざまな種類があります。
ここではストックビジネスを15のカテゴリーに分けて、それぞれの特徴や当てはまる事例について解説していきましょう。

定期契約型

1つ目の事例は「定期購入型」ですが、こちらは文字通り、定期的に継続して同じ商品・サービスを購入するタイプになります。一度申し込んでおけば、後は自動的に商品等が提供される上、割引が適用されるケースも多くなっています。

通販事業では必ず導入される型で、身近な例では新聞や雑誌の定期購読などがこれに当てはまります。

点検型

2つ目の事例は「点検型」ですが、こちらは保守・点検を定期的に行うタイプのストックビジネスになります。経年や使用により劣化していくものに適用されるようになっており、機械や建物といった商品の販売と同時に加入させるのが肝心となります。

具体的な事例としては、ビルのメンテナンスや、太陽光発電の保守点検、植木の手入れといったものが当てはまります。

保険型

子供からお年寄りまで、幅広い年齢層の人が加入している保険も、ストックビジネスの事例の1つにあたります。起こりうるリスクに備えて定期的に掛け金を支払い、リスクが現実のものとなった際に、補償を受け取る仕組みです。「もしもの時の備え」というニーズに応えるビジネスとなっています。

典型的な例としては、生命保険や火災保険、自動車保険といったものが挙げられます。

レンタル・リース型

続いて紹介するストックビジネスの事例は、物品を販売するのではなく、貸し出すサービスになります。「必要な時だけ使えればいい」「資産計上したくない」といったニーズに合わせたビジネスです。

典型例としては、観葉植物のレンタルやカーリース、ウォーターサーバーなどがあり、また最近では、月額料金で服が好きなだけ借りられるという「ファッションレンタル」なども登場しています。

消耗品の定額型

こちらは、消耗品や日用品を定額料金で購入できるというストックビジネスの事例です。「消耗品をなるべく安く買いたい」というニーズに向けたビジネスとなっています。最近の例では、プリンターのインクのケースが挙げられます。これはプリンターを無料で貸し出す代わりに、一定の月額料金でインクを販売するというものです。

このように近年は、本体に付属する消耗品を定額制で売るビジネスモデルが増えています。

教室型

こちらの事例は、現実空間での習い事や稽古に関するストックビジネスです。「面と向かって指導を受けたい」というニーズに合わせたビジネスとなっています。

具体例としては、パソコン教室や英会話スクール、学習塾、料理教室、家庭教師などが挙げられます。ただ、今後こうしたタイプのものは、身体を動かす習い事以外縮小していき、代わってEラーニング型になっていくと予想されています。

Eラーニング型

こちらも習い事に関する事例ですが、上とは違い、オンライン上で行うものになります。「時間や場所に縛られずに学びたい」という層に向けたストックビジネスです。

具体例としては、Web英会話やバーチャルコンサル、学習支援クラウドサービスといったものが挙げられます。特に専門性の高い授業のニーズが高くなっていますが、上で述べたように、学習塾なども今後はこちらのタイプに移行していくものと見られています。

権利使用量型

続いての事例は、自分の知的財産を他人に使用させ、その使用料によって収益を上げるタイプのストックビジネスです。「著作権を使用したい」などのニーズにマッチします。特許技術使用料や著作権使用料、ブランド権利使用料といったものは、こちらの事例に当てはまります。

具体的には、イラストやブランド名の使用料などで、「月額料金+売上の一定割合のロイヤルティ」という形を取ることが多くなっています。

サービス型

こちらの事例は、定額を支払うことで、何らかのサービスを受けられるというストックビジネスです。「月ごとに利用の波はあるものの、費用を一定にしたい」というニーズに応えるビジネスとなっています。

具体例としては、税理士報酬やコンサルティング、脱毛エステ、ペットのトリミングといったものが挙げられます。人件費がコストの大半を占めるタイプのビジネスでは、全般的に活用可能なモデルです。

会員制型

こちらの事例は、利用者がお店などの会員となり、事前に一定の料金を支払うことで、決まった期間商品やサービスの提供が受けられるというストックビジネスです。特にステータスを求める層にはマッチします。そのため、比較的レベルの高いサービスの提供が可能な場合に限って有効となっています。

典型例としては、リゾート会員権や会員制のバー、フィットネスジムなどが挙げられます。

ファンクラブ型

こちらは文字通り、ある個人や団体、ブランドなどのファンを集め、そこに向けた商品販売やサービス提供を行うといった事例になります。「憧れの人やグループに近づきたい」などのニーズに適合するストックビジネスです。

タレントのファンクラブや、有料メルマガなどが例として挙げられます。
ただし、こちらはブランドが確立されていないと成立しない、やや難易度の高いビジネスモデルになります。

コミュニティー型

続いて紹介する事例は、「価値観が共通する人とのコミュニケーションが図りたい」というニーズを持つ層にマッチする「コミュニティー型」ストックビジネスです。一定のブランド力を持つ人によるコンセプト提案と、それに基づくコンテンツの提供により、クローズのコミュニティーを築くビジネスモデルとなっています。

会員同士のコミュニケーションに重点を置くのが特徴で、オンラインサロンがその典型例になります。

ASP型

こちらの事例は、インターネット回線を通じたソフトウェアの月額利用により、収益を上げるタイプのストックビジネスになります。「ASP」は、「Application Service Provider」の略です。現在は、買い切り型からこちらの方へ主流が移りつつあります。

具体例としては、アフィリエイトASPやSEOツール利用料、クラウド型顧客管理ソフトといったものが挙げられます。

賃貸型

こちらの事例は文字通り、あるスペースを定額料金で貸し出すタイプのストックビジネスです。「一定の期間部屋を借りたい」などといったニーズに適合したビジネスになります。

代表的な例としては、月極駐車場が挙げられるでしょう。そのほかにも、レンタルオフィスや賃貸住宅、有料老人ホームなどがこちらの事例に当てはまります。

インフラ型

最後に紹介する事例は、生活の基盤となるシステムの提供で収益を得る「インフラ型」のストックビジネスです。元請となるのは大手企業で、中小企業の参入は、インフラ整備が成長期に入った時が適しています。

具体例としては、電話回線やケーブルTV、インターネットプロバイダ、また水道・ガス・電気や携帯電話の基本使用料などが挙げられます。