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「昇任」「昇進」「昇格」「出世」の意味と違い
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「昇任」「昇進」「昇格」「出世」の意味と違いとは
「昇任」「昇進」「昇格」「出世」の4語は、いずれも「何らかの地位が上がること」を意味する言葉です。どれも同じような使い方ができそうですが、実はそれぞれ特徴があり、個別に使い分けることができます。では、具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
今回はこれら4つの言葉について、その意味や違いを詳しく解説していきましょう。
「昇任」とは
「昇任」とは、「上級の地位・役職に上ること」という意味の言葉です。読み方は「しょうにん」で、「課長に昇任する」「部長に昇任する」のように使われます。
「昇任」の「昇」という字は、「太陽」の象形と、「すくい上げる・あがる」を表す象形から成り、「のぼる」「地位・身分が上がる」を意味します。「任」の字は、「人」「持続的に保つ」を表す象形から成り、「になう」「たもつ」の意味を持ちますが、この場合は「仕事」「つとめ」の意味になります。
「昇進」などとの違いは、「一般企業ではほとんど使われない」という点にあります。「昇任」は、主に公務員(自衛隊や警察官も含む)に対して使われる言葉です。例えば、自衛隊員が士長から曹長になる場合や、地方公務員が主事から係長になる場合などが当てはまります。
「昇進」とは
「昇進」とは、「職務上の地位や官位が上がること」という意味の言葉です。組織における役職が、現在のものより上になることを言います。読み方は「しょうしん」で、「係長に昇進する」「マネージャーに昇進する」「本部長に昇進する」などのように使われます。
「昇進」の「進」という字は、「行く」「鳥」の象形から成り、「すすむ」「のぼる」などの意味を持ちます。
「昇進」の意味合いは、「昇任」とほとんど違いはありません。しかし、「昇任」が主に公的な仕事で使われているのに対し、「昇進」は主として一般企業で使われる言葉という点が違います。
「昇格」とは
「昇格」とは、「格式や階級などが上がること、もしくは上げること」という意味の言葉です。読み方は「しょうかく」で、「出張所から支社に昇格する」などのように使われます。
「昇格」の「格」は、「木の枝が突き出る」さまを表す漢字ですが、そこから転じて「地位」「身分」の意味も生まれました。
「昇格」は、意味合いは「昇進」と似ていますが、一般的な使われ方には違いがあります。会社員に対し「昇格」という言葉が使われるのは、主に「職務資格制度」が採られている場合です。この制度では、「部長」などの役職とは別に、「等級」(個々の職務遂行能力レベルに応じた格付け)が設定されています。「昇格」とは、この「等級」が上がることを示す点で、「昇進」と使い分けられています。
「出世」とは
「出世」とは、「社会的に高い身分を得ること」という意味の言葉です。また、役職などの地位が上がることも指します。読み方は「しゅっせ」で、「立身出世を果たした」「取締役に出世した」のように使われます。
「出世」はもともと、仏教用語で「俗世間を脱して悟りを得ること」を意味する「出世間(しゅっせけん)」を略した言葉です。やがて仏教の世界に入った僧侶を「出世者(しゅっせしゃ)」と呼ぶようになり、さらに僧として高い地位を得ることを「出世」と呼ぶようになったという経緯があります。
「出世」は「昇進」と同じような使い方をされますが、単に役職が上がるだけでなく、比較的高い地位を得て多くの人に知られるようになった場合に使われるという点が違います。
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