一般常識
「処置」「措置」の意味と違い
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「処置」「措置」の意味と違い
日本語の中には、「意味」と「意義」のように一見よく似通っていても、細部が異なる熟語の組み合わせがいくつも存在します。「処置」「措置」の2語もそうしたものの一種で、これらは使われ方などに共通点が多くなっていますが、細かい違いを指摘することが可能です。では、一体どういう部分で区別されるのでしょうか。
今回は「処置」「措置」の意味と違いについて解説しますので、これらの使い分けについて知りたい方は参考にしてみてください。
「処置」とは
「処置(しょち)」とは、「場面や状況に応じた判断をして何らかの手立てを講じ、物事に始末をつけること」という意味の言葉です。「最初の処置が適切だったことから、事態は大事にならずに済んだ」「彼に対する処置は、客観的に見て公正なものだったと思う」などのように使われます。
「処置」はまた、「傷や病気の手当をすること」の意味でも使われます。この場合は、「彼女は応急処置のおかげで意識を取り戻した」のような使い方をされます。
「処置」の「処」という字は、「いる」や「ところ」を表しますが、この場合は「物事の段取りをつけて終わらせる」の意味になります。
「処置」と「措置」は、意味の重点の置きどころが微妙に違います。「処置」の場合は、「物事について都度判断を下し、取り扱い方を決める」という意味合いに重きを置く点が特徴となっています。
「措置」とは
「措置(そち)」とは、「事態に応じて必要な手続きを取ること」「取り計らって始末をつけること」という意味の言葉です。「万全の措置が取られていたおかげで、突発的なトラブルにもうまく対応することができた」「講じた措置が十分だったかについては、これからしっかり検証しなくてはならない」などのように使われます。
「措置」の「措」という字は、「他のものの上に重ねておく」を表しますが、この場合は「適切に処理する」「物事の決着をつける」の意味になります。
「措置」と「処置」は、意味合いや用法に重なる部分が多いものの、細かい違いも存在します。
「措置」の場合は、「始末をつける」という意味に重点を置くところが特徴です。物事が決着するまでの一連の対応を「措置」と呼ぶことが多いのに対し、「処置」は「その時々の物事の適切な判断や取り扱い」といったニュアンスが強い点で使い分けられます。
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