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災害

「侵食」「浸食」の意味と違い

「侵食」「浸食」の意味と違い

「侵食」「浸食」の意味と違いとは

「侵食」と「浸食」は、どちらも「しんしょく」と読む熟語です。さらに字面もよく似ていることから、使い分けにも悩みやすくなっています。例えば「しんしょく作用」という場合、どちらの表記を使うべきなのでしょうか。

今回は、「侵食」と「浸食」の意味や違いなどについて、詳しく解説していきたいと思います。

「侵食」とは

侵食

「侵食」とは、「ほかの領域をしだいにおかし、損なうこと」という意味の言葉です。「わが国の領土は、徐々に敵国に侵食されつつある」「ライバル企業が投入した新製品は、確実にわが社のシェアを侵食している」のように使われます。

「侵食」はまた、地理用語としての意味合いも持ちます。この場合は、「地球の表面がすり減ること」の意味になります。雨や海、河川などの水や、風などの力により、地表の岩石などが削られる作用を言います。こちらは、「侵食作用」「海岸侵食」などのように使われます。

2番目の意味合いの場合、後述するように、「浸食」との違いは特にありません。ただ、教科書では「侵食」の表記が使われるのが一般的です。これは、学術用語としては「侵食」の表記に統一されていることによります。

「浸食」とは

浸食

「浸食」とは、「土地に働きかけて地形を変化させる作用のうち、風や雨、波などの外部から働く作用」という意味の言葉です。「森林が減ったせいで、大地は風による浸食を受けている」「海岸の岩は、長い年月をかけて波に侵食されている」のように使われます。

上で述べたように、地理用語としての「浸食」と「侵食」に意味の違いはなく、どちらを使っても問題はありません。これも前述のように、現在は学術用語としては「侵食」に統一されていますが、もともとは「浸蝕」あるいは「侵蝕」と書かれていました。「侵食=学術用語」となったのは、当用漢字が制定されて以降とされていますが、現在も「浸食」の表記を当てている辞書は多く、明確な規定があるわけではありません。

ただし、「浸食」には「ほかの領域をおかす」という意味合いはなく、「市場を浸食する」といった使い方は間違いとなるので、この点は注意が必要です。

「侵食」「浸食」の意味と違い

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