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一般常識

「侵攻」「進攻」「進駐」の意味と違い

「侵攻」「進攻」「進駐」の意味と違い

「侵攻」「進攻」「進駐」の意味と違い

武力による他国への襲撃は、残念ながら今現在も絶えることがありません。そうした時にニュースや新聞記事などでよく使われる言葉に、「侵攻」「進攻」「進駐」の3つがあります。しかし、これらは使われるケースは似ているものの、それぞれが表すニュアンスには、微妙な違いが感じられます。では、具体的にどういった点が異なるのでしょうか。

今回は、「侵攻」「進攻」「進駐」の3つの用語の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けについて知りたい方は参考にしてみてください。

「侵攻」とは

侵攻

「侵攻(しんこう)」とは、「敵地に侵入して攻めること」「攻めて相手の領地に入り込むこと」という意味の言葉です。「隣国の隙をついて侵攻する」「敵本土への侵攻作戦を開始する」「A国の激しい抵抗に遭って、B国の侵攻は思うようにはかどっていない」のように使われます。

「侵攻」の「侵」の字は、「他人の土地に入る」「攻め入る」「奪い取る」などを意味します。一方「攻」の字は、「兵力を用いて敵をたおす」の意味を表します。

「侵攻」と「進攻」は読みも同じで、意味合いも似ていますが、微妙なところに違いがあります。「侵攻」は、「相手の領地に入り込む」という意味合いを含む点が特徴です。これに対し「進攻」には、こうした意味合いは特に含まれません。

「進攻」とは

進攻

「進攻(しんこう)」とは、「進んで敵を攻撃すること」という意味の言葉です。武力を持った勢力が前進し、敵方へ攻め込むことを言います。「進撃」と言い換えることも可能です。「敵基地へ向けて進攻する」「戦車部隊が進攻してきた」「順調に進攻してきた部隊は、すでに敵の本営まで迫っている」のように使われます。

「進攻」の「進」の字は、「前へ出る」や「押し出す」などの意味を表します。

「進攻」と「侵攻」は、同じような使い方ができることから違いが分かりづらくなっていますが、意味の重点の置きどころで使い分けることもできます。「進攻」は上記のように、「進撃」と同じ意味であり、攻め込むのが相手の領土かどうかは特に問われません。なので、「前進して攻撃する」のニュアンスに重点を置きたい場合は、「進攻」を使うのが適していると言えます。

「進駐」とは

進駐

「進駐(しんちゅう)」とは、「軍隊が他国の領土に進軍し、そこにある期間滞在すること」という意味の言葉です。「連合国軍が進駐する」「進駐軍が到着する」「降伏文書への調印から数日後、本格的な進駐が始まった」などのように使われます。

「進駐」の「駐」の字は、「とどまる」「一定の地に滞在する」などの意味を表します。

「進駐」と「侵攻」「進攻」は、場合によっては同じ場面で同時に使われることもありますが、言葉本来の意味には明確な違いがあります。「侵攻」と「進攻」には、「他国の領土にとどまる」という意味はありません。

使い手の主観やイデオロギーによってどの用語を選ぶか変わることもあるため、混乱しやすくなっていますが、本来の意味合いを踏まえておくと、比較的使い分けに迷わず済むでしょう。

「侵攻」「進攻」「進駐」の意味と違い

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