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「先般」「先日」「過日」の意味と違い
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「先般」「先日」「過日」の意味と違い
「それほど遠くない過去」を短く言い表そうとする時、候補となる言葉はいくつか浮かんできます。もっとも一般的なのは「先日」でしょうが、「先般」や「過日」を思い浮かべる人も少なくないはずです。この3つの語は、一見まったく同じ役割を果たしているように見えますが、何か違いなどはあるのでしょうか。どういった点で使い分けられているのかが気になります。
今回は、「先般」「先日」「過日」の意味や違いについて解説していきますので、これらを使い分ける際の参考にしてみてください。
「先般」とは
「先般(せんぱん)」とは、「さきごろ」や「せんだって」を意味する言葉です。現在から見て、それほど遠くない過去のある時点を指します。「先般申し上げた件の経過についてご報告いたします」「先般発生した事故の影響がまだ続いている」「こちらが先般行われた会議の議事録になります」などのように使われます。
「先般」の「般」は、もともと「はこぶ」を意味する漢字です。そこから「周囲をまわる」や「もとへ戻る」などの意味でも使われるようになりました。また、「ある局面、回」の意味もあり、「先般」や「今般」と使う場合は、こちらの意味になります。
「先般」と「先日」「過日」の間には、明確な意味の違いはありません。ただ、「先般」は比較的堅い言い回しのため、使われる場面が限られる点が特徴です。たとえばビジネスメールや会議などの、あらたまった言葉遣いが求められる場面です。
「先日」とは
「先日(せんじつ)」とは、「さほど遠くない過去のある日」を意味する言葉です。「このあいだ」などと同じ意味合いになります。「先日はわざわざお越しいただいてありがとうございました」「先日のお礼に、ご夫婦で食事にお招きしたいのですが」「先日実施した試験の結果についてお知らせいたします」などのように使われます。
「先日」と「先般」は、上で述べたように、特に明らかな意味の違いはありません。どちらの言葉も、「近い過去の日」に対して使うことができます。ただ使い方の違いとして、「先日」には「先般」ほどの堅いニュアンスはなく、ビジネスシーンなど以外に日常的な場面でも使える点が挙げられます。
「先日」と「過日」の場合も同様に、堅いニュアンスを持つ「過日」に対し、ややくだけたニュアンスの「先日」という違いが指摘できます。
「過日」とは
「過日(かじつ)」とは、「過ぎ去った、ある日」という意味の言葉です。「せんだって」や「この間」と同じ意味を表します。「過日お訪ねした折は食事までごちそうになり、誠にありがとうございました」「過日の台風のせいで、家の屋根が傷んでしまった」「過日来体の調子がおもわしくなく、今はずっと臥せっております」などのように使われます。
「過日」「先般」「先日」は、前述のように基本的に同じ意味合いと考えて差し支えありません。その一方で、「過日」「先般」は文語的な堅いニュアンスを持つ点で、「先日」とは使い方が異なります。とりわけ「過日」は、会話などの場面で使われることはほとんどなく、文書での用法が中心となっています。この点は、会話でも使われる「先般」との違いに挙げられます。
また、「過日」の語は「過去の日々」とも解釈できるため、「先日」や「先般」よりも遠い過去について使われる場合もあります。この点についても、「先日」「先般」との使い分けのポイントに挙げることができます。
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