経理・会計
精算、清算、成算の違い
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精算、清算、成算の違いについて
漢字熟語を用いる際にややこしいのが、同じ字が入った同じ読みの言葉です。
「せいさん」という熟語にも、「算」の字が使われた「精算」「清算」「成算」という3つの別の言葉があります。この3つはつい混同してしまいがちですが、実際にはそれぞれ使うべき場面が異なっています。
そこで今回は、使い分けに困らないように、これら3つの言葉の違いについて詳しく解説していきます。
精算とは
精算とは、お金の量を詳細に計算することを言います。大体の数値ではなく、端数に至るまで正確に金額を求めることを表します。
「精」の字は、「精緻」「精密」などと言うように、「詳細な」「微細な」といった意味があります。「算」は計算を表しますから、精算という熟語の場合、「細かく計算する」という意味合いになります。
精算という語が使用されるのは、主に金銭の計算に対してです。
例えば、社員が会社の仕事に伴い支払ったお金は、経費として会社に請求することが可能です。この際に行われる支出ごとの細かい計算が、精算にあたります。また、その計算を行う書類は、「経費精算書」と呼ばれます。
この後に見る「清算」と混同しやすくなっていますが、精算は金銭以外に対してはほとんど使われないという違いがあります。
清算とは
清算には、過去の関係をクリアにする、問題に決着をつけるといった意味があります。「清」は「きれいな」「さっぱりした」という意味を持つことから、算と組み合わせることで、「きれいに片づくよう勘定する」という意味の熟語となります。
一方、清算という言葉は、金銭に対しても使われます。「お金で片を付ける」という意味もあることから、「精算」と混同されやすい言葉となっています。実際に、同じ意味で使われることもよくありますが、前述のように両者には明らかな違いがあります。
精算が、ほぼお金の勘定でしか使われないのに対し、清算はそれ以外の問題でも使用されます。よく使われるのは、人間同士のこじれた関係についてです。
例えば、長年喧嘩してきた人ときっぱり縁を切る時などは、清算という言葉で表現されます。
成算とは
成算とは、ものごとが成功する見込みのことを言います。ある計画について、期待通りの成果が挙げられるかについての予想を表します。
「成」の字は、「成し遂げる」「成功する」といった意味を表しています。また、この場合の「算」は「見込み」や「見当」を表しており、組み合わせると、「成功の見込み」といった意味を持ちます。具体的な使い方としては、「このプランは成算がない」といった用法になります。
このように、成算は「精算」「清算」と読みは同じですが、意味するところにはかなりの違いがあります。他の2つが金銭や関係についての整理を表しているのに対し、成算は計画の期待値を表しています。
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