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一般常識

「刺す」「指す」「挿す」「射す」「差す」の意味と違い

「刺す」「指す」「挿す」「射す」「差す」の意味と違い

刺す・指す・挿す・射す・差すの意味と違い

「さす」と読む言葉には、「刺す」「指す」「挿す」「射す」「差す」といろいろなものがあります。これらは皆同じ語源から来ているものの、実際に使われるケースは異なります。では、具体的にはそれぞれどういった違いがあるのでしょうか。

今回は、「刺す」「指す」「挿す」「射す」「差す」の意味と違いについて解説したいと思います。

刺すとは

刺す

「刺す」の意味合いは、いくつかあります。1つは、「突き立てる」「突きとおす」の意味合いで、刃物のような先の尖ったものを繰り出し、何らかの物体に突き入れることを表します。具体的な使い方は、「肌に棘を刺す」「ナイフで胸を刺す」のようになります。
もう1つは、「針を突き入れて縫う」という意味合いで、こちらは「ぞうきんを刺す」「魚網を刺す」のように使われます。また、「鳥を刺す」のように、小鳥などを黐竿(もちざお)で捕える意味や、「盗塁を刺す」のように、野球で走者にボールをタッチしてアウトにするという意味もあります。

「刺す」の「刺」という字は、「とげ」と「刀」の象形から成っています。ここから「(刀でとげのように)さす」を意味する漢字として成り立ちました。
「指す」などとの違いについては、以下で見ていきましょう。

指すとは

指す

「指す」の意味合いも、複数あります。まず1つは、「指などを向けて示す」「指摘する」というもので、人や物、方向に指や針などを向けて、それと示すことを表します。具体的には、「磁石は北を指す」「彼は前を指して叫んだ」「彼の言う“彼女”とは、Aさんを指している」のような使い方になります。
もう1つは、「ある方向へ向かう」というもので、こちらは「鳥は南を指して飛び去った」のように使われます。また、このほかに、「将棋の駒を動かす」という意味合いなどもあります。

「指す」の「指」という字は、「手」と「おいしい」の象形から成っています。これは「おいしいものに手がのびる」を意味しており、そこから「ゆび」や「ゆびさす」を表す漢字として使われるようになりました。

「指す」と「刺す」の語源は同じですが、このように使われ方には違いがあります。「指す」には、「突きとおす」などの意味合いはありません。

挿すとは

挿す

「挿す」の大まかな意味合いは、「ある物の間に、細長い形状の物を入れる、さしこむ」というものです。例えば女性が髪に櫛やかんざしなどを入れることや、刀などを帯に挟んだりすることなどを表します。また、いけばなをすることや、入れ物の中に何かを収めることも、「挿す」と言います。具体的には、「髪に花を挿す」「花瓶に桜を挿す」「大小を挿した侍」「状差しに手紙を挿す」のように使われます。

「挿す」の「挿」という字は、「手」と「うすにきねをさしこんだ」象形から成っています。そこから「手でさしこむ」を意味する漢字として成り立ちました。

「挿す」もまた、「刺す」と語源は同じなものの、このように使われ方は違います。「刀を挿す」という使い方はされますが、「刀で挿す」という使い方はされないようになっています。

射すとは

射す

「射す」とは、「光が当たる」という意味の言葉です。日光や電灯の光などが、あるところに入り込んだり当たることを言います。「雲間から薄日が射す」「暗闇に光が射す」「まるで後光が射しているようだ」のように使われます。

「射す」の「射」という字は、「弓に矢をつがえている」象形から成っています。そこから「矢を放つ」「狙う」「あてる」を意味する漢字として成り立ちました。

「射す」は「差す」と意味合いが重なりますが、「射す」の場合は「光が入る」の意味でしか使われない点に違いがあります。

差すとは

差す

「差す」の意味合いも多数ありますが、大まかに言うと、「あるものが表面に現れる」「あるものが生じる」「かざす」といったものになります。具体的には、「頬に赤みが差す」「嫌気が差す」「傘を差す」といった使われ方になります。また、「魔が差す」のように「悪い気持ちを起こす」といった意味合いや、「左を差す」のように、相撲で相手の腕と胴の間に自分の腕を入れることも表します。

「差す」の「差」という字は、「稲」「左手」「のみ」などの象形から成り、本来は「ふぞろい」や「ばらつき」を表しています。「生じる」などの意味合いは、日本独自のものです。

「差す」は、「射す」と同じく「光が当たる」という使い方もありますが、上記のようにそれ以外にもさまざまな使われ方をするという点が違います。