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就職・転職

「離職証明書」と「離職票」の意味と違い

「離職証明書」と「離職票」の意味と違い

監修者

弁護士:村岡つばさ(よつば総合法律事務所千葉事務所)

よつば総合法律事務所千葉事務所

弁護士 村岡つばさ

よつば総合法律事務所の弁護士の村岡と申します。日常生活や会社を運営する中で気になる法律の問題を分かりやすく解説します。

「離職証明書」と「離職票」の意味と違いとは

「離職証明書」「離職票」という単語を耳にしたことはありますでしょうか。
会社を転職したことがある人は聞いたことがあると思いますが、これらは会社を辞めた後に、失業手当を受給するために必要な書類が必要です。ただ、両者はいずれも名前や使われる場面が似ているため、混同されて使われることも珍しくありません。

今回は、失業手当に欠かせない「離職証明書」と「離職票」の意味や違いなどについて、詳しく説明していきます。

「離職証明書」とは

離職証明書

「離職証明書」とは、従業員が退職する際、会社がハローワークに提出する書類の1つです。正式には、「雇用保険被保険者離職証明書」と言います。

雇用契約が終了となった以上、会社は、その従業員を自社の社会保険・雇用保険から外す(喪失させる)必要があります。ただし、退職と同時に自動的に社会保険・雇用保険から外れるわけではありません。会社は、労働者が退職してから5日以内に、年金事務所に「健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届」を提出する必要があり、退職してから10日以内に、ハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」、「離職証明書」を提出する必要があります。

このように、「離職証明書」は、退職後に会社が作成し、ハローワークに提出する書類です。
この点が、後述する「離職票」との違いになります。

「離職票」とは

離職票

「離職票」は、正式には「雇用保険被保険者離職票」と呼ばれます。

先に見た通り、従業員の退職時には、会社が「離職証明書」をハローワークに提出し、雇用保険の資格喪失手続きをすることになります。
ハローワークは、提出された離職証明書を基に「離職票」を作成し、会社に交付します。この交付された離職票を会社から退職者に交付することで、手元に離職票が届きます。
退職者は、受け取った「離職票」をハローワークに提出し、失業手当の給付を受けることとなります。

離職票(及びその前提となる離職証明書)には、労働者の離職理由が記載されます。「一身上の都合」や「会社都合」というものです。この離職理由により、失業手当の受給を開始できる時期や、受給できる期間が異なるため、離職票に記載された離職理由が正確なものか、ハローワークに提出する前によく確認しましょう。

なお、離職票は、会社が必ず退職者に交付しなければならないものではなく、退職者が離職票の発行を求めた場合には、遅滞なくこれを交付する必要がある、というものです。退職しても自動的に離職票が送られてくるわけではないため、失業手当の受給を検討している場合には、退職時に「離職票を早めに交付して欲しい」と会社にお願いしておく必要があります。

このように、「離職証明書」は会社が発行し、ハローワークに提出するものであるのに対し、「離職票」はハローワークが発行し、会社に交付されるという点が両者の違いになります。
最終的に退職者の手元に届くものは「離職票」ですので、会社に交付をお願いする書類も、「離職証明書」ではなく「離職票」になります。

この点を押さえておくと、使い分けに迷わずに済むでしょう。

「離職証明書」と「離職票」の意味と違い

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