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「パラダイムシフト」の意味とは?使い方や例文、具体例
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「パラダイムシフト」の意味とは?使い方や例文、具体例
「パラダイムシフトの時にこそビジネスチャンスがある」などのように、「パラダイムシフト」という言葉はビジネスシーンでたびたび使われるようになっています。しかし、その詳しい意味については、あまりよく分かっていないという人も少なくないでしょう。
そこで今回は、ビジネス用語としての「パラダイムシフト」の意味や使い方などについて、いろいろと紹介していきたいと思います。
「パラダイムシフト」の意味
「パラダイムシフト」とは
「パラダイムシフト」とは、一言で言うと「規範の遷移」という意味の言葉です。社会の規範や価値観などの劇的な変化を指しますが、ビジネスシーンでは「今までとは全く異なる考え方や価値観への転換」といった意味で使われます。「パラダイムチェンジ」「パラダイム変換」などとも呼ばれます。
科学史家のトーマス・クーンが提唱した「パラダイム概念」に基づく考えで、現在は科学の分野だけでなく、ビジネスシーンや政治、宗教、人文学といったさまざまな分野で用いられています。
「パラダイムシフト」の由来
カタカナ語の「パラダイムシフト」は、英語の「paradigm shift」という表現に由来しています。「paradigm」はもともと「規範」や「範例」、「典型」を意味する単語ですが、ここでは「認識の仕方」や「常識」、「古い考え方」、「支配的な解釈」といった意味合いになります。「shift」は、「移し替える」「転じる」「(~を別のものに)変える」といった意味を持ちます。
上記のように、この考えの発端となったのは、科学史家のトーマス・クーンが提唱した「パラダイム概念」です。それによると、科学者はある問題の解決に対し、一定のルールや発想などの枠内で研究をすすめていくものの、こうした手法が行き詰った際にはその枠組みそのものが疑問視されるようになり、やがて全く別の枠組みへの劇的な変化が起こるとされます。クーンはこの変化を称して「パラダイムシフト」と呼びましたが、現在はこれが拡大解釈され、ビジネスや政策などの分野にも当てはめられるようになっています。
「パラダイムシフト」の使い方・例文
「パラダイムシフト」の意味は上で述べた通りですが、実際の使われ方についても知りたいところです。この項目では、ビジネスシーンにおける「パラダイムシフト」の使い方について、例文を挙げて紹介していきましょう。
例文:「インターネットの普及は、ビジネスの世界において数々のパラダイムシフトを起こした」
例文:「リモート環境の整備などの要因により、働き方のパラダイムシフトが加速している」
例文:「仕事で壁に行き当たった時は、パラダイムシフトのチャンスだと思え」
「パラダイムシフト」の具体例
ここまで「パラダイムシフト」の意味や使い方について見てきましたが、具体的にどのようなものが「パラダイムシフト」にあたるのでしょうか。ここでは、ビジネスにおける「パラダイムシフト」の具体例について、いくつか紹介してみましょう。
スマートフォン
「パラダイムシフト」の例としてまず挙げられるのが、スマートフォンの登場です。それまで電話と言えば、通話のために利用するものというのが常識でした。1990年代にフィーチャーフォンが登場し、インターネットに接続できるようになりますが、その機能はまだ限定的なものでした。しかし、2000年代に登場したスマートフォンによって、それまでの電話の概念がすっかり塗り替えられます。音声通話ができるのはもちろんですが、それは機能の一部でしかなく、アプリをダウンロードして自由に機能を加えたり、ゲームやSNSを気軽に楽しむといった多角的な使い方が可能となりました。現在では支払い手段にもなるなど、それなしでは生活できないほど重要なアイテムとなっています。
サブスクリプションサービス
「サブスクリプション」とは、英語で「予約金」や「会費」を意味する「subscription」に由来する言葉ですが、ビジネス用語として使われる場合には、「製品やサービスを一定の期間一定の金額で利用できるビジネスモデル」を意味します。代表的なのが音楽配信における「サブスクリプション」で、これは一定の月額料金を払うことにより、1ヵ月間好きなだけ音楽を聴くことができるというサービスになります。従来のシステムでは、「お金を払って曲やアルバムを買う」のが一般的でしたが、サブスクリプションの登場によってこうした概念が覆されました。この「モノを所有せずに利用する」というスタイルのビジネスモデルは、現在電子書籍や動画、ファッション、飲食など、さまざまなシーンで活用されるようになっています。
最後に
以上、ビジネス用語としての「パラダイムシフト」の意味や使い方などについて、例文を挙げつつ紹介してきました。
このように、「パラダイムシフト」は本来科学における枠組変化を指す言葉でしたが、現在では「価値観の転換」といった意味で、ビジネスシーンなど幅広い場面で使われています。日常でもたびたび使われる言葉なので、社会人としてはきっちり意味や使い方を抑えておきたいところです。
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