一般常識
「犯す」「侵す」「冒す」の意味と違い

スポンサーリンク
犯す・侵す・冒すの意味と違い
「おかす」と読む漢字には、「犯す」「侵す」「冒す」の3つがあります。これらは皆同じ語源の言葉ですが、一般的な意味合いは異なっています。では、具体的にはそれぞれどういった使い方をされるのでしょうか。個々の詳しい違いなどが知りたいところです。
今回は、「犯す」「侵す」「冒す」の意味と違いについて解説していきましょう。
犯すとは
「犯す」の意味合いは、3つあります。
1つは「ルールに反した行動をする」というもので、法律や規則、倫理などを違える行為に及ぶことを言います。この場合は、「法を犯す」「過ちを犯した」のように使われます。
もう1つは、「女性に対し、力づくで肉体的な行為に及ぶこと」というもので、「暴漢に犯された」のように使います。
そしてもう1つは、「権威あるものに逆らう」という意味合いで、こちらは「上(かみ)を犯す」のように使われます。
このうち主に使われるのは、最初の2つの意味合いとなっています。
「犯す」の「犯」という字は、「犬」と「はびこる」を表す象形から成っています。その意味は「野犬が村にはびこる」というもので、そこから「おかす」を表す漢字として成り立ちました。
「侵す」などとの違いについては、以下で見ていきましょう。
侵すとは
「侵す」の意味も、3つあります。
1つは「他者の権利などを損なう行為をする」というもので、「所有権を侵す」「表現の自由を侵す行為」のように使われます。
2つ目は「許可なく他国の領域に入り込む」という意味合いで、「国境を侵す」「領空を侵す」等のように使われます。そして
3つ目は、「ものごとに害を与える」「病気にむしばまれる」というもので、こちらは「作物を霜に侵される」「癌に侵された体」のように使われます。
「侵」という字は、「ほうきで次第にはきすすむ人」を表しており、そこから「次第に入り込む」「おかす」を意味するようになりました。
「侵す」と「犯す」は、語源は同じですが使われ方は違います。「侵す」は「侵害」や「侵入」「侵略」を表しており、「法律をやぶる」などの意味合いでは使われません。
冒すとは
「冒す」の意味合いも、3つあります。
1つは「苦難を承知で行動する」というもので、「危険を冒す」のように使われます。
もう1つは「聖域や尊厳を傷つける」または「病気などが心身をそこなう」というもので、こちらは「冒すべからざる神聖な区域」「結核に冒される」などのように使われます。
そしてもう1つは、「他家の姓を名乗る」という意味合いで、こちらは「養家の姓を冒す」のように使われます。
「冒」の字は、「目を覆う」などの象形から成り、「突き進む」「押し切って進む」を意味しています。
「冒す」もまた、「犯す」と語源は同じです。しかし、使われ方にはやはり違いがあります。「冒す」は主に「冒険」の意味で使われ、「犯罪を行う」などの意味では使われません。「侵す」のように「そこなう」という意味もありますが、「冒険」の意味を持つのは「冒す」だけとなっています。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
- 最新の情報をお届けします
- Tweet Follow @b_textbook
その他おすすめのコンテンツ一覧
-
「つまずく」と「つまづく」の意味と違い
-
一次元・二次元・三次元・四次元・五次元の違い
-
元・基・下の使い方の違い
-
「信用」と「信頼」の違い
-
「毎週」「隔週」「各週」の意味と違い
-
「宜しく」と「よろしく」の正しい使い分け方と違い
-
高級寿司屋のマナーと正しい食べ方34選
-
「年度」「年次」「年時」の違い
-
アラサー・アラフォー・アラフィーは何歳から何歳まで?
-
「動線」と「導線」の違い
-
「蘇る」と「甦る」の意味と違い
-
「ください」と「下さい」の正しい使い分け方と違い
-
「夫」「主人」「旦那」「亭主」の意味と違い
-
「尋ねる」「訪ねる」「訊ねる」の意味と違い
-
「早急(そうきゅう)」と「早急(さっきゅう)」の意味の違いと読み方
-
生む(生まれる)・産む(産まれる)の違い
-
「一人称」「二人称」「三人称」の意味と違い
-
「讃える」と「称える」の意味と違い
-
「対応」と「応対」の意味と違い
-
「振込」と「送金」の意味と違い
-
「覚える」「憶える」「覺える」の意味と違い
-
「出身地」「出生地」の意味と違い
-
「就任」「着任」「新任」の意味と違い
-
社会人と学生の違い8選