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一般常識

「鋼鉄」「鉄鋼」の意味と違い

「鋼鉄」「鉄鋼」の意味と違い

「鋼鉄」「鉄鋼」の意味と違い

日本語の二字熟語の中には、前後の順番を入れ替えても成り立つものが少なくありません。たとえば「認否(否認)」「牛乳(乳牛)」といったものですが、「鋼鉄(鉄鋼)」もまた、そうしたものの一種にあたります。ただ、「鋼鉄」と「鉄鋼」については、ほかの場合よりも違いが分かりづらいと感じる方も少なくないでしょう。一体この2つの言葉は、どういった点で使い分けられるのでしょうか。

今回は、「鋼鉄」と「鉄鋼」の意味や違いについて詳しく解説していきたいと思います。

「鋼鉄」とは

鋼鉄

「鋼鉄(こうてつ)」とは、「鉄と炭素の合金の一種で、炭素の量が2%以下のもの」を意味する言葉です。「はがね(鋼)」とも呼ばれますが、これは「刃金(刃物を作るのに使う金)」に由来しています。英語では、「steel」と書かれます。

「鋼鉄」は鉄鉱石を原料として作られますが、最初の工程で取り出されるのは「銑鉄(せんてつ)」と呼ばれるもので、これには4%前後の炭素が含まれています。それを電気炉などで精錬し、炭素量を2%以下に抑えたものが、「鉄鋼」になります。炭素量を2%以下にすることにより、延性や靭性が増し、さまざまな用途で使えるようになります。

「鉄鋼」との違いは、「鉄と炭素から成る合金の一種」を指す点にあります。「鉄鋼」の場合は、後述するように、個別の一種ではなく総称になります。

「鉄鋼」とは

鉄鋼

「鉄鋼(てっこう)」とは、「鉄を主成分とする金属材料の総称」を意味する言葉です。英語では、「iron and steel」と書かれます。

鉄製品の原料となるのは、上でも触れた鉄鉱石です。鉄鉱石には酸素などの余分な成分が含まれるので、最初に高炉でそれを取り除き、「銑鉄」と呼ばれる状態にします。上記のように、この「銑鉄」を電気炉で精錬したものが、「鋼鉄」です。「銑鉄」はまた、別の工程を経ることで高炭素の鋳物としても用いられますが、これは「鋳鉄(ちゅうてつ)」と呼ばれます。

「鉄鋼」は、こうした「銑鉄」「鋼鉄」「鋳鉄」などをすべて含めた呼び方という点が、「鋼鉄」との違いになります。一般的には、特に「鋼鉄(はがね)」を指して「鉄鋼」の語を使うことも多くなっていますが、本来的な意味ではこのように使い分けられます。

「鋼鉄」「鉄鋼」の意味と違い

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