一般常識
「穀物」「穀類」の意味と違い
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「穀物」「穀類」の意味と違い
「穀物」と言えば、今も昔も人間の暮らしには欠かせない存在です。言葉としても頻繁に耳にするようになっていますが、その一方でこれとよく似た「穀類」という言葉も、同じく聞く機会が多くなっています。一見したところ違いが分かりづらいこの2つの言葉ですが、何か使い分けのポイントなどはあるのでしょうか。あるとすればどの辺かが気になります。
今回は、「穀物」と「穀類」の意味や違いについて解説していきますので、両者を使い分ける際の参考にしてみてください。
「穀物」とは
「穀物(こくもつ)」とは、「種実を食用とする農作物」という意味の言葉です。食糧や飼料、工業用デンプン原料とするために栽培される植物を言います。主なものとしては、イネ科のイネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ヒエ、アワ、トウモロコシ、マメ科のダイズ、アズキ、インゲンなどが挙げられますが、タデ科のソバなども「穀物」に含める場合があります。
「穀物」の「穀」という字は、「田畑で作られ、人が常食とするもの」の意味を持ちます。
「穀類」との違いは基本的にありませんが、「どの側面に焦点を当てるか」で使い分けられます。「穀物」の語は、主に食材として見た場合に使われる点が特徴となっています。特に世界中で食べられているコムギ、コメ、トウモロコシの3つは、「三大穀物」と呼ばれて広く用いられています。
「穀類」とは
「穀類(こくるい)」とは、「主に種子を食用とする農作物の総称」を意味する言葉です。子実を収穫するために栽培される一年生あるいは二年生草本作物と、その子実の総称になります。主な種類には、「禾穀類(かこくるい)」と呼ばれるイネ科のイネやコムギ、トウモロコシ、「菽穀類(しゅこくるい)」と呼ばれるマメ科のダイズ、アズキなどの他、タデ科のソバ、アカザ科のキノア、ヒユ科のセンニンコクなども含まれます。
「穀類」と「穀物」は、どちらも「デンプン主体の種子を食用とする植物」を指す点で違いはありません。ただ、「穀物」が上記のように「食材」の面から見た言葉であるのに対し、「穀類」は主に、植物としての側面を重視する場合に使われる点が特徴となっています。
なお、「穀物」と「穀類」は、狭義には「イネ科植物の種子」のみを指して使われます。また、イモ類は主に根や茎が食べられるため、通常は「穀物」「穀類」とは呼ばれません。
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