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経済

「景気減速」「景気後退」の意味と違い

「景気減速」「景気後退」の意味と違い

「景気減速」「景気後退」の意味と違い

経済関連のニュースでは、さまざまな専門用語が使われます。その1つに「景気減速」がありますが、これとよく似た「景気後退」という言葉も、かなりの頻度で耳にするようになっています。この2つの語は、どちらもイメージが重なるために混同されるケースが多くなっていますが、実際は明確に異なる言葉であり、きちんと使い分けることが可能です。

今回は、「景気減速」と「景気後退」の意味や違いについて解説していきますので、これらを使い分ける際の参考にしてみてください。

「景気減速」とは

景気減速

「景気減速」とは、「景気循環の一局面で、景気が拡大局面にありながら、その勢いが失われつつある状態」を意味する言葉です。

「景気」とは経済活動全般の動向のことですが、好況や不況など異なる局面を周期的に繰り返す性質があり、この一連の変動を「景気循環」と呼びます。景気循環は、「拡張期(上昇局面)」「後退局面」「収縮期(下降局面)」「回復局面」の4つの過程を経て変動するとされます。

このうち「拡張期」は、文字通り、景気が谷から山へ向かう好況の時期にあたります。「景気減速」はこの局面に属する状態で、依然好況ではあるものの、その拡大ペースに陰りが見えている点が特徴です。これに対し「景気後退」は、後述するように、「後退局面」に属している点で明確に違います。

「景気後退」とは

景気後退

「景気後退」とは、「景気の衰退期にあるが、不況にまでは至っていない経済状態」を意味する言葉です。英語では「recession」と言われ、日本でもこれをカタカナ化した「リセッション」の語が使われるケースが多くなっています。

「景気後退」についての判定の指標は、国によって違いがあります。欧米の場合は一般に、GDPが2四半期連続でマイナス成長を記録すると「景気後退」とされますが、日本では、「DI」と呼ばれる景気動向指数が50%を続けて下回る状況を判断の目安とする傾向があります。

「景気後退」と「景気減速」の違いは、上記のように、「景気循環のどの局面にあるか」という点に求められます。拡張期にあるのが「景気減速」で、すでに拡大が止まり、「後退局面」に入っているのが「景気後退」という風に使い分けられます。

「景気減速」「景気後退」の意味と違い

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