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一般常識

「間隙」「隙間」「空隙」の意味と違い

「間隙」「隙間」「空隙」の意味と違い

「間隙」「隙間」「空隙」の意味と違い

「わずかな間隙を突いて攻め込む」のように、「間隙」という言葉はニュースや小説など、さまざまな場面で使われるようになっています。一方、これと似た言葉に「隙間」と「空隙」の2つがありますが、この3語はどういった点が異なるのでしょうか。使い分けのポイントがあるのかどうかが知りたいところです。

今回は、「間隙」「隙間」「空隙」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けが気になる方は、理解の参考にしてみてください。

「間隙」とは

間隙

「間隙(かんげき)」とは、「物と物とのあいだ」「空間的・時間的なすきま」という意味の言葉です。「間隙を縫う」や「間隙を突く」といった言い回しがよくされます。たとえば、「木々の間隙を縫って進む」「ディフェンスのわずかな間隙を突かれて失点した」のような具合です。

「間隙」はまた、「人間関係の隔たり」「不和」という意味も持ちます。この場合は、「わたしたち夫婦の間には、いつの間にか間隙が生じていた」のように使われます。

「間隙」と「隙間」は、意味としてはほぼ同じで、両方を言い換えても成立する場合が多くなっています。ただ、実際の使われ方には若干の違いがあります。「間隙」の場合は文語としての性格が強く、小説などの文章中や、土木などの専門用語としてよく使われる点が特徴となっています。

「隙間」とは

隙間

「隙間(すきま)」とは、「物と物とのあいだの、わずかにあいている所」という意味の言葉です。「窓の隙間から雨が入り込む」「歯の隙間に食べかすが挟まる」のように使われます。

また、「隙間」にはこの他に、「あいている時間、暇」や「普通には気づきにくいところ、盲点」、「わずかな気のゆるみや油断」などの意味もあります。それぞれ、「仕事の隙間をみて家に連絡する」「隙間産業」「彼は彼女の心の隙間につけ込んで利用した」のような使われ方をします。

「隙間」と「間隙」は、上記のように意味合いはほぼ同じですが、使われる場面などに多少の違いがあります。「隙間」は口語と文語両方の性質を持ち、日常会話でも堅い文章でも使える点が特徴です。そのため、「間隙」に比べると、使用頻度はかなり高くなっています。

また、「隙間」は「隙間時間」や「隙間風」など、「隙間○○」という使われ方をよくするのに対し、「間隙」にはそうした用法はあまり見られない点も、両者の使い分けのポイントになります。

「空隙」とは

空隙

「空隙(くうげき)」とは、「物と物とのすきま」という意味の言葉です。「空隙が生じる」「空隙を塞ぐ」などの使い方をよくされます。たとえば、「地震で塀の一部に空隙が生じた」「壁の空隙をパテで塞ぐ」のような具合です。

「空隙」はまた、物理的な物だけでなく、個人の心理や人間関係についても使われます。この場合は、「親友を失った心の空隙は埋めがたい」のような使われ方になります。

このように、「空隙」と「間隙」は、ほとんど同じ意味を持っています。文語の性質が強く、土木用語などとして使われる点も、「間隙」と違いはありません。

ただ、使用頻度という点では、「空隙」は「間隙」よりさらに少ない傾向があります。「間隙」は日常会話でもたまに使われますが、「空隙」の語を普段耳にするケースは、あまり見られません。ですので、わかりやすさの順に並べれば、「隙間」「間隙」「空隙」という順番になると言えます。

「間隙」「隙間」「空隙」の意味と違い

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