社会人のためのビジネス情報マガジン

  • フェイスブック
  • ツイッター
  • RSS

一般常識

「異存」「異論」「異議」の意味と違い

「異存」「異論」「異議」の意味と違い

「異存」「異論」「異議」の意味と違い

「特に異存はございません」などのように、「異存」という言葉は、ビジネスシーンや公的な場では比較的よく聞かれるものです。一方、同じくあらたまった場面で「反対意見」などの意味を表す言葉としては、「異論」や「異議」も挙げられます。これらの3つの言葉は、非常に意味が近いため使い分けが難しくなっていますが、どういった点で区別されるのでしょうか。

今回は、「異存」「異論」「異議」の意味と違い、使い分けのポイントについて詳しく解説していきたいと思います。

「異存」とは

異存

「異存(いぞん)」とは、「他と異なった考え」や「反対の意見、不服な気持ち」を意味する言葉です。「彼は口には出さないものの、会社の方針に異存があるようだ」「A氏の意見に異存を表明する者が相次いだ」「会議の結論に一切異存はありません」のように使われます。

「異存」の「異」は、「同じでない」や「別の」を意味する漢字です。一方「存」の字は、この場合「思う」や「考える」の意味を表しています。

「異存」と「異論」は似ていますが、「異存」の場合は「ある事柄に対する不平不満」のニュアンスが強い点で使い分けることが可能です。「異議」とも重なる部分がありますが、こちらは後述するように、法律用語としての側面を持つ点が違いに挙げられます。

「異論」とは

異論

「異論(いろん)」とは、「他と異なる意見」「対立した考え」といった意味の言葉です。また、そうしたものを表明することについても言います。「この説には異論も多く、未だに定説とは言い難い」「彼女の判断に異論を差し挟む余地はなかった」「問題解決が急がれることに異論を唱える者はいないだろう」などのように使われます。

「異論」の「論」の字は、この場合「見解」や「主張」などの意味を表します。

「異論」と「異存」は、大まかな意味合いは共通するものの、「異論」の場合は「(ある意見や考えと)同じでない」という部分に重点が置かれ、「不平不満」のニュアンスが薄い点で区別できます。一方「異議」との違いは、やはり「不服」の意味合いがあるかや、法律用語として使われるかどうかという点に求められます。

「異議」とは

異議

「異議(いぎ)」とは、「1つの意見に対して、反対または不服であるという意見」を意味する言葉です。「主流派の意見に異義を唱える」「委員会の決定に異議を申し立てる」などのように使われます。

「異議」はまた、法律用語としての用法もあります。この場合は、「法律上の効果を生じさせないため、相手方の行為に対し反対・不服の意思を表示すること」などの意味で使われます。

「異議」の「議」の字は、この場合「意見」や「提案」を意味しています。

「異議」と「異存」は、どちらも「他の意見に対する反対や不服の意見」という意味合いで共通しますが、「異議」は「異存」と違い、法律用語としての用法を持つ点が特徴となっています。一方「異論」とは、「不服」のニュアンスを持ち、かつ法律用語である点で使い分けられます。

「異存」「異論」「異議」の意味と違い

この記事が気に入ったら いいね!しよう

最新の情報をお届けします