一般常識
「入れ墨」「刺青」「タトゥー」の意味と違い
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「入れ墨」「刺青」「タトゥー」の意味と違い
「入れ墨」は、日本では長くマイナスのイメージが持たれていましたが、近年はファッションとして見直される傾向が強まっています。ところで、その「入れ墨」と似たような意味で「刺青」「タトゥー」という言葉もよく使われますが、この3つはどのように使い分けられているのでしょうか。その点について疑問に感じている人も多いでしょう。
そこで今回は、「入れ墨」「刺青」「タトゥー」の3つの語の意味や違いについて、詳しく解説していきたいと思います。
「入れ墨」
「入れ墨(いれずみ)」とは、「皮膚に針などの道具で傷をつけ、そこへ墨汁などの色料を入れて文字や絵画を描くこと」という意味の言葉です。また、そうして描いたものについても言います。「彫り物(ほりもの)」や「黥(げい)」などとも呼ばれます。「入れ墨の痛さは、経験してみないと分からない」「彼の背中一面には入れ墨が彫られているらしいが、実際に見た者は少ない」のように使われます。
「入れ墨」の習慣は、世界各地に存在します。日本でも古くから行われていましたが、江戸時代に入って発展しました。根強い悪印象もあって、政府に規制された時期もありましたが、現在は海外でも「ジャパニーズスタイル」として人気を集めています。
「刺青」との違いは、後述するように特にありません。
「刺青」
「刺青(しせい)」とは、「皮膚を針などで傷つけて、墨や朱などを入れて絵画や文字をほりつけること」という意味の言葉です。また、そうしてほりつけたものについても言います。「彫り物」などとも呼ばれます。「友人に触発されて、今度腕に刺青を入れようと思っている」「彼の上半身には、龍の刺青が入っている」のように使われます。
「刺青」と「入れ墨」には、特に違いはありません。「入れ墨」の別称が、「刺青」になります。本来は「しせい」と読まれますが、明治43年に谷崎潤一郎が「刺青」という小説を発表して以来、「いれずみ」の当て字として用いられることが多くなりました。ですので、どちらの語も、全く同じ状況で使うことができます。
「タトゥー」
「タトゥー」とは、英語の「tattoo」をカタカナで表した言葉です。「tattoo」の日本語での意味は、「入れ墨」になります。「彼女は21歳の誕生日に念願のタトゥーを入れた」「一度タトゥーを入れたら簡単には消せないから、よく考えて決めた方が良いよ」のように使われます。「tattoo」の語は、ポリネシア語で「叩く」を意味する「ta tau(タタウ)」に由来するとされています。
このように、「タトゥー」と「入れ墨」「刺青」との違いは、実質的には無いと言えます。「入れ墨」「刺青」は和柄のもの、「タトゥー」は西洋風なものとして使い分ける向きもありますが、明確な線引きになるわけではありません。実際に現在では、和柄と洋柄をミックスした図案も多くなっています。つまり、「入れ墨」「刺青」「タトゥー」は本質的に同じもので、使い分け方は個々のイメージによって異なるというのが実状です。
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