一般常識
「違法」「違反」「不法」「不当」「非合法」「脱法」の違い
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違法・違反・不法・不当・非合法・脱法の違いとは
世の中には、似たような意味を持つ異なる言葉が多く存在します。「何かに反すること」を表す言葉にも、「違反」や「違法」といった数々のバリエーションがあります。こうした言葉の意味や使い方について、頭を悩ませることも多いでしょう。
そこで今回は、「違法」「違反」「不法」「不当」「非合法」「脱法」という6つの言葉について、その意味の違いを詳しく解説していきます。
違法とは
違法とは、「法に違える」と書くように、法律に違反することを言います。刑法や民放などの法律に抵触するような行いに対して使われる言葉です。
違法と対になる概念として、「適法」があります。一方に適法な行為がある場合、その反対にあたる行為に対して、違法という言葉が使われるようになっています。
例えば駐車を例にとると、有料駐車場などのスペースに車を停めることは、当然法律で認められています。それに対し、交差点などに車を停めることは、法律的に認められていません。そのため、このような行為については、「違法駐車」と呼ばれるわけです。
ですので、傷害などのように元から法に背く行為の場合は、違法という言葉はあまり使われません。
違反や不法などとの違いについては、以下で見ていきましょう。
違反とは
違反とは、法規や各種協定、約束事などに背くことを言います。ある社会や団体、グループ内で決められたルールに従わないことです。「法律違反」「交通違反」「規則違反」「約束違反」などという風に使います。
このように、違反の場合、法律から約束事まで、幅広い範囲のルールに対して言うようになっています。この点は、法律に限られる違法との違いに挙げられます。
ですので、例えば会社の規約に背いて無断欠勤をした場合、「規則違反」などと言うことはできますが、法律には反しないため、違法や不法といった言葉を使うことはありません。
不法とは
不法とは法に違反する行為のことで、違法と意味に違いはありません。この2つの言葉は、意味がほぼ同じである「類義語」にあたります。
このように、不法と違法はほとんど同じ意味の言葉ですが、使われ方には若干の違いがあります。違法が単に法律に反する行為を指すのに対し、不法はさらに、倫理や道理に背いた反社会的行為であるというニュアンスが含まれます。
具体的には、「不法侵入」「不法投棄」「不法入国」といった風に使われます。不法投棄は分かりやすい例ですが、ゴミを山中や道端に捨てる行為は、社会的に大きな損失をもたらす行為で、倫理的に許されないという認識があります。そのため「違法投棄」とは言わず、倫理違反を責める意味合いが強い「不法」という言葉が使われるようになっています。
不当とは
不当とは、「当たらず」と書くとおり、ものごとが正しくない様を表す言葉です。
ある行いや出来事が、本来の筋道や道理から外れている様子を言います。対義語として、「正当」「妥当」といった言葉があります。具体的な使い方としては、「不当逮捕」「不当解雇」「不当表示」などがあります。また、「不当な要求」「不当な手段」なども、表現としてよく使われます。
不当は、法律違反も含みますが、それ以外の行為に関しても使われます。例えば「不当な扱い」という場合、暴行や傷害などの法律に触れる行為でなくても、道義に背くような行為であればそれに含めることができます。
この点は、法律に反することが前提の「違法」や「不法」との違いとなります。
非合法とは
非合法とは、「合法にあらず」と書くように、法律に背く行為や、法律が許容する範囲を超える行為を言います。
非合法は、法に反するという点では違法や不法と似ていますが、ニュアンスには違いがあります。非合法という言葉が使われる場合は、「秘密裡に行われる」という意味合いが含まれることが多くなっています。「非合法組織」「非合法活動」などというように、表立ったところからは見えない部分で行われる違法行為に対して使われます。
例えば、密輸や窃盗を行う犯罪グループや、テロ行為を容認する政治結社など、地下で運営される組織の活動が、非合法にあたります。
脱法とは
脱法とは、法律をかいくぐって悪事を働くことを言います。直接法には触れないものの、社会的に許されないことを、法律の抜け穴を突いて行うことです。
脱法という言葉が一般的に聞かれるようになったのは、「脱法ドラッグ」という表現が使われるようになってからです。これは、元は「合法ドラッグ」と呼ばれていたものですが、誤解を招くとして脱法の表現に変えられました。合法という場合は、法律で認められたという意味になりますが、実際には規制がないだけで、認められているわけではありません。そのため、「法律の外へ脱する」という意味合いを持つ「脱法」が、代わりに使われるようになっています。
このように、脱法は法律的に明確な判断が下しにくいものに対して使われます。この点は、違反性が明らかである「違法」や「不法」との違いとなっています。
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