一般常識
「反戦」「非戦」の意味と違い
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「反戦」「非戦」の意味と違い
世の中には意味の違いが分かりづらい熟語の組み合わせが多く存在しますが、「反戦」と「非戦」の2語もそうしたものの一種です。どちらも「戦争の否定」という点で一致する言葉で、「反戦論者」「非戦論者」のように使い方もよく似ていますが、何か使い分けのポイントなどはあるのでしょうか。
今回は「反戦」「非戦」の意味と違いについて解説しますので、両者の使い分けの参考にしてみてください。
「反戦」とは
「反戦(はんせん)」とは、「戦争に反対すること」という意味の言葉です。「反戦運動に積極的に参加する」「国内では反戦の声が高まっている」「反戦がテーマの芸術作品」などのように使われます。
「反」という字は「がけ」と「手」の象形から成り、「(のしかかる重圧を)かえす、くつがえす」の意味を持ちます。「反戦」という場合は「ある物に反対・反抗する」の意味になりますが、これは日本特有の用法で、他に「反政府」や「反主流派」といった使い方をされます。
「反戦」と「非戦」の違いはあいまいで、厳密な使い分けのポイントを指摘するのは難しくなっています。ただ、「反戦」の語は「非戦」に比べて、「一時的な戦争否定」というニュアンスが強い点で区別することも可能です。
「非戦」とは
「非戦(ひせん)」とは、「戦争を否定すること」という意味の言葉です。「非戦の誓いを貫く」「非戦論者と主戦論者の論戦」などのように使われます。
「非戦」の「非」という字は、「互いに背を向け左右にひらく」さまを表しており、「そむく」「そしる」「あやまち」などを意味します。また、接頭語として否定や反対の意味を表す役割も持ち、「非戦」の場合はこちらの意味合いになります。同じような使い方の例としては、「非礼」「非道」などが挙げられます。
「非戦」と「反戦」の違いは、上で述べたように非常にあいまいです。どちらも「戦争に異議を唱え否定すること」という点で共通しますが、上記のように「反戦」が「その時点での戦争否定」の意味合いを含むのに対し、「非戦」は「あらゆる戦争行為の否定」の意味で使われることが多い点で区別することもできます。
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