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一般常識

波紋を「広げる」「呼ぶ」「投じる」の意味と違い

波紋を「広げる」「呼ぶ」「投じる」の意味と違い

波紋を「広げる」「呼ぶ」「投じる」の意味と違い

ニュース記事などの中で、「人々にショックなどを与える」といった意味を表す際に、よく「波紋を○○」という慣用句が使われます。この「波紋」に続く言葉として代表的なのが、「広げる」「呼ぶ」「投じる」の3つですが、それぞれをどう使い分けるかで悩むケースも多いでしょう。果たしてこの3つの表現には、何か明確な違いなどはあるのでしょうか。

今回は、「波紋を広げる」「波紋を呼ぶ」「波紋を投じる」の意味や違いについて解説していきますので、これらを使い分ける際の参考にしてみてください。

波紋を「広げる」

波紋を「広げる」

「波紋を広げる」とは、「ある出来事に関して、その影響が周囲に・多方面に及ぶさまを表現する言い回し」という意味の言葉です。「波紋が広がる」と言う場合もあります。「女性を蔑視したとも取れる閣僚の発言が、社会に波紋を広げている」「不正の内部告発による波紋が社内に広がっている」のように使われます。

「波紋を呼ぶ」「波紋を投じる」とはほとんど同じ意味合いですが、ニュアンスには微妙な違いがあります。「波紋を広げる」の場合は、「騒ぎの影響が拡大していく過程」に重点を置くところが特徴です。騒ぎはすでに起こった後で、それによる影響が広範囲に及んでいくさまを指すのが、「波紋を広げる」の表現と言うことができます。この点では、3つの表現のうちで最も意味が幅広いと言えるので、使い分けに迷う際はこちらを選ぶと無難でしょう。

波紋を「呼ぶ」

波紋を「呼ぶ」

「波紋を呼ぶ」とは、「周囲や世間の変化・動揺を招く」という意味の言葉です。水面に物を投げると波紋が広がるように、あることの影響が次々に周囲に及んでいくさまについて言います。「ある政治家がパーティーで発した言葉が波紋を呼んでいる」「有名タレントにセクハラされたとする女性の告発が、大きな波紋を呼んだ」のように使われます。

「波紋を広げる」「波紋を投じる」とは、上記のように基本的には同じ意味ですが、ニュアンスの違いで使い分けることもできます。「波紋を呼ぶ」の表現は、重点が「受け手側の変化・動揺」に置かれている点が特徴です。ですので、衝撃の大きさなどを特に表したい場合には、「波紋を呼ぶ」の表現が適していると言えるでしょう。

波紋を「投じる」

波紋を「投じる」

「波紋を投じる」とは、「事を起こす」「反響を呼ぶ問題を提起する」といった意味の言葉です。「波紋を投げる」という言い方をする場合もあります。「あるSNSユーザーの何気ないつぶやきが、世間に大きな波紋を投じることになった」「この週刊誌の記事は、たびたび世の中に波紋を投じることで有名だ」のように使われます。

「波紋を広げる」「波紋を呼ぶ」とは、やはりニュアンスに微妙な違いがあります。「波紋を投じる」の場合は、「何もなかったところに騒ぎを起こす」のニュアンスを持つ点が特徴です。この点において、「騒ぎが広がる過程」に重点を置く「波紋を広げる」と使い分けることができます。

なお、中には「投じる」のは「一石」であって、「波紋」に使うのはおかしいとする新聞社もありますが、こうした使い方をOKとする辞書もあるため、一般的には使っても問題はないでしょう。

波紋を「広げる」「呼ぶ」「投じる」の意味と違い

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