社会人のためのビジネス情報マガジン

  • フェイスブック
  • ツイッター
  • RSS

ビジネス用語

「ファクトベース」の意味とは?使い方や例文

「ファクトベース」の意味とは?使い方や例文

「ファクトベース」の意味とは?使い方や例文

日本のビジネスシーンには、次々に新しいカタカナ用語が流入しています。「ファクトベース」という言葉も、ここ数年あちこちでよく耳にするようになりました。「ファクトベース思考」などと使われますが、一体これは何を表しているのでしょうか。

今回は、ビジネス用語としての「ファクトベース」の意味や使い方などについて、詳しく解説していきたいと思います。

「ファクトベース」の意味

「ファクトベース」とは

ビジネスシーンで使われる「ファクトベース」とは、「事実に基づく」を意味する言葉です。ビジネスにおいては、意思決定や計画などの前提が確実であることが重要になりますが、「ファクトベース」はそれらが事実に基づくものであることを示す際に使われます。また、相手に何か説明したり説得するなどの際も、確かな事実に基づいた明快な話でなくては、十分に理解してもらえません。「ファクトベース」は、こうした話の裏付けが確かであることについても使われます。

「ファクトベース」の由来

「ファクトベース」は、英語の「fact」と「base」の組み合わせをカタカナ化したものです。「fact」の意味は「事実」「実際に起きたこと」で、「base」は「(ものごとの)基礎」「(計画・行動などの)出発点」「基礎づける」などの意味を持ちます。

「ファクトベース」という言葉は、もともとコンサルティング企業のマッキンゼー・アンド・カンパニーが生み出したものでした。従来のコンサルティングでは、「グレイヘア・コンサルティング(gray hair consulting)」と呼ばれる年配者の経験に基づいた手法が主流でしたが、マッキンゼーは若者でも習得可能な「ファクト・ベースト・コンサルティング(fact based consulting)」という手法を活用することにより、世界的な企業へと成長を遂げました。この「fact based」という概念が日本にも輸入され、やがてさまざまな場面で使われるようになったという経緯があります。

ビジネスにおける「ファクト」とは

上では、「ファクト(fact)」の意味が「事実」であると述べました。ビジネスシーンで使われる場合も、基本的にこの意味と変わりませんが、より細かく言えば「業務上実際にあった事象やことがら」という意味になります。具体的には、売上や来客数といった数値データや、文書で明文化された発言などが、ビジネスの「ファクト」にあたります。

例えば、あるデータの数字がにわかには信じがたい内容であっても、検証の結果間違いないと認められれば、それは「ファクト」であるということになります。逆に、表面上どれだけ本当らしく見えても、架空の数字や発言であれば、「ファクト」とは呼ばれません。ビジネスの現場では、こうした偽りや誇張のない「ファクト」が、何より重要視されるようになっています。

「ファクトベース」の使い方・例文

「ファクトベース」の意味は上記のようなものですが、実際にはどのように使われるのでしょうか。この項目では、ビジネス用語としての「ファクトベース」の使い方について、例文を挙げて見ていきましょう。

例文:「あいまいな表現ではなく、ファクトベースで分かりやすく話してくれ」

例文:「企業経営における意思決定では、いかにファクトベースで考えられるかが重要なポイントになる」

例文:「提案に説得力がないのは、ファクトベース思考が徹底できてないからだ」

「ファクトベース」と「ロジカルシンキング」

「ファクトベース」と共によく持ち出される言葉に、「ロジカルシンキング」というものがあります。ここでは、「ロジカルシンキング」の意味などについて解説していきましょう。

「ロジカルシンキング」とは

「ロジカルシンキング(logical thinking)」は、日本語では「論理的思考」と訳されます。文字通り、「論理的な筋道だった考え方」という意味の言葉です。直感や山勘に頼るのではなく、矛盾のない論理の積み重ねにより結論に至ろうとする思考法を言います。論理学に由来するものと、前出のマッキンゼーに由来するものの2種類がありますが、ビジネスシーンで使われる場合は後者の方を示すのが一般的です。こちらの「ロジカルシンキング」では、「ロジックツリー」や「フレームワーク」といったさまざまな手法が使われるのが特徴で、現在では経営や企画を手掛ける際に効果的であるとして広く利用されています。

「ファクトベース」は「ロジカルシンキング」の基本

「ファクトベース」の概念は、「ロジカルシンキング」を実践する上で欠かせません。なぜならば、論理だけでの思考はいくら筋道が通っていても、「机上の空論」と呼ばれかねないからです。そこで、具体的な数字や実例を基礎として取り入れることで、理論が説得力を持つようになります。このように、「ファクトベース」は「ロジカルシンキング」において、基礎とも呼べる考え方となっています。

最後に

以上、「ファクトベース」の意味や使い方などについて、いろいろと紹介してきました。

このように、「ファクトベース」はもともとコンサルティング手法として開発された概念ですが、現在ではビジネスシーンで幅広く使われています。企画立案や報告、提案などさまざまな場面で役立ちますから、社会人としてはぜひとも覚えておきたいワードです。例文で示したような用法を踏まえ、スムーズに使えるようになっておきましょう。

「ファクトベース」の意味とは?使い方や例文

この記事が気に入ったら いいね!しよう

最新の情報をお届けします