一般常識

「光栄」「栄光」「名誉」の意味と違い

「光栄」と「栄光」は同じ字を入れ替えて成り立っている熟語で、字面だけ見るとほとんど同じ内容を指すように見えます。しかし、具体的な使われ方は明確に異なり、意味の違いを指摘することが可能です。では、両者は一体どの点で区別されるのでしょうか。また、この2つと意味合いが近いように思われる「名誉」との違いも知りたいところです。

今回は「光栄」「栄光」「名誉」の意味と違いについて説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。

「光栄」

「光栄（こうえい）」とは、「業績や行動を褒められたり、重要な役目を任されるなどして、それを名誉に思うこと」という意味の言葉です。また、そのさまについても言います。「高名な評論家のあなたに作品を気に入っていただき光栄です」「今回このような賞をいただいたことは、まことに光栄の至りです」「これほどの大作映画の主演に抜擢されたのは、身に過ぎて光栄なことと感じています」などのように使われます。

また「光栄」には、「栄えかがやくこと、さかえること」といった意味もあります。この場合は、「我が国は必ずや光栄するだろう」などの使い方をされます。

「光栄」の「光」は「ひかり」を意味しますが、この場合は「ほまれ」の意味になります。一方「栄」の字は、「名誉」や「名声」を意味しています。

「栄光」との違いは、意味の重点の置きどころにあります。「光栄」の場合は、「名誉に感じること」に重点を置くところが特徴となっています。

「栄光」

「栄光（えいこう）」とは、「輝かしいほまれ、大きな名誉」を意味する言葉です。「彼女は努力の末に栄光をつかみとった」「大舞台で優勝した栄光をかみしめる」「栄光の時はあまりにも早く過ぎ去った」などのように使われます。

「栄光」はまた、「幸いを表す光、瑞気（ずいき）」の意味でも使われます。この場合は「神の栄光」などのような使い方をされます。

「栄光」と「光栄」は意味が重なる部分もありますが、一般的には異なる言葉として使い分けられます。「光栄」意味の重点が、前述のように「名誉に思うこと」にあるのに対し、「栄光」の場合は「名誉の大きさ、すばらしさ」にポイントが置かれる点が特徴となっています。「光栄」は賞賛や抜擢について謝意や感激を表す言葉として、「栄光」は、達成したことの社会的評価の高さを表す言葉として使われます。