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「先進国」「新興国」「発展途上国・開発途上国」「後進国」の意味と違い
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「先進国」「新興国」「発展途上国・開発途上国」「後進国」の意味と違いとは
国際的なニュースを見ていると、「先進国」「新興国」「発展途上国」「開発途上国」といった言葉をよく耳にします。しかし、これらの詳しい意味について言える人は、それほど多くないかもしれません。一体この3つは、具体的にどう違うのでしょうか。
今回は「先進国」「新興国」「発展途上国・開発途上国」の意味や違いに加え、「後進国」との違いについても詳しく解説していきたいと思います。
「先進国」とは
「先進国」とは、「政治や経済、文化などが国際的な水準から見て進んでいる国」といった意味の言葉です。特に経済面での発展が著しい国を言い、「発展途上国」と対比される形で使われることが多くなっています。
「先進国」は明確な定義があるわけではありませんが、一般的には「OECD(経済協力開発機構)」に加盟する国々を指すことが多くなっています。また、GDPも「先進国」を区別する指標となり、1人あたりGDPが1万ドルを超えると「先進国」と呼ばれるのが通常です。
「先進国」はこのように、工業や経済が発展して、多くのモノを生み出せる国を指すようになっています。この点は、対比される「発展途上国」との違いになります。
「新興国」とは
「新興国」の意味はいくつかありますが、一般的には、「投資や貿易が活発になり、急速な経済成長を遂げようとしている国」を指すようになっています。「先進国」ではないものの、経済発展の著しい国を言い、「エマージング・カントリー」と呼ばれることもあります。
「新興国」の定義は相対的なもので、どの視点から見るかで変わってきます。例えば現在は「先進国」とされるアメリカや日本も、20世紀の始めは「新興国」でした。ただ、現在の視点で見れば、一般的には中南米や東南アジア、中東、東欧などの国々が「新興国」と呼ばれるようになっています。
このように、「新興国」は「十分な発展はしてないものの、経済成長の目覚ましい国」を指す点が、「先進国」との違いになります。一方、「発展途上国」との違いはあいまいですが、やはり経済状況が上向きかどうかで使い分けられるようになっています。
「発展途上国・開発途上国」とは
「発展途上国」とは、「経済的な発展が相対的に後れている国」という意味の言葉です。「開発途上国」「途上国」などとも呼ばれます。
「発展途上国」は、前述のように「先進国」との対比で使われる言葉です。1960年代に、「後進国」などの言葉に代わって作られました。「先進国」とは違い、人口1人あたりの所得水準が低く、第1次産業の比重が高いなどの特徴があります。具体的には、アジアやアフリカ、ラテンアメリカなどの「DAC(開発援助委員会)」の援助対象になっている国々を指して使われます。
「後進国」とは
「後進国」とは、「産業や経済の面で、他よりも発達が遅れている国」という意味の言葉です。「発展の進行が遅れている」という意味で、「後進」の語が当てられています。イギリスの経済学者J・S・ミルが、著作「経済学原理」の中で使ったのが最初になります。
「後進国」は、かつては「先進国」の対義語として広く使われていました。しかし、前述のように1960年代に入ると、この言葉は適切ではないとして代わりに「発展途上国(開発途上国)」の語が提唱されます。以後は国連でもそちらの方が定着し、「後進国」の語が使われることはなくなりました。
このように、「後進国」と「発展途上国」に意味の違いはありませんが、「後進国」という言葉は現在ほとんど使われていないと言った違いがあります。
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