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取引先、顧客、得意先、仕入先、クライアントの違い

取引先、顧客、得意先、仕入先、クライアントの違い

取引先、顧客、得意先、仕入先、クライアントの違いについて

ビジネス用語には、使い方を混同しやすい言葉が多くあります。

例えば「取引先」「顧客」といった言葉は、意味が似ているため、あまり気にせずに同じ言葉として使ってしまいがちです。
しかし実際には、両者には微妙な意味の違いがあります。

社会人としては、しっかりと意味の違いを把握しておきたいところでしょう。
そこで今回は、比較的紛らわしい「取引先」「顧客」「得意先」「仕入先」「クライアント」の5つの言葉について、意味や使い方を詳しく解説していきます。

取引先とは

取引先とは、企業が取引行為を行う相手方のことを言います。

この場合の取引とは、企業同士、あるいは企業と消費者が営利目的で行う、製品やサービスの売買のことです。具体的には、製造業者(メーカー)と卸売業者間、卸売業者と小売業者間などで行われる売買行為ですが、こうした関係を有する相手方であれば、売買のいずれの側であっても、取引先と呼ぶことができます。
また、小売業者と消費者の関係も、取引先に含まれます。

このように、取引先という呼び方は、取引を行う相手であれば、全てそれに当てはまります。
しかし、一口に取引と言っても、頻繁に交わされる契約や会社の利益の大部分を担うような大口の売買もあれば、年に一度しか行われない契約といったものまでさまざまです。
このような取引のうち、会社にとって特に重要な取引先のことを、「主要取引先」などと呼んで他と区別する場合もあります。

一方、取引先と似た言葉に、「顧客」や「得意先」があります。これらの違いについては、後ほど詳しく説明します。

顧客とは

顧客とは、企業が製品やサービスを販売する相手方のことを言います。

例えば、建材卸売業者が工務店に商品を販売する場合、卸売業者から見た工務店を、顧客と呼びます。ですので、顧客は取引先に含まれますが、商品を購入する側に限定されるところに、取引先との違いがあります。
相手が企業と消費者のどちらであっても、商品を購入する場合は当然、顧客にあたります。また、顧客にはこれから商品を購入しようとする相手と、過去に商品を購入したことのある相手の両方が含まれます。

顧客は企業にキャッシュをもたらすため、あらゆる事業活動においては、いかに顧客を獲得するかが重要になります。このために、多くの企業がマーケティングを行って、日々顧客の獲得に勤めています。

顧客には、前述のようにまだ商品を購入していない相手も含まれますが、こうした顧客は「見込み顧客」と「潜在顧客」に分けられます。
見込み顧客とは、文字通り商品やサービスを購入してもらえる見込みのある顧客のことで、こちらの商品について、すでにある程度興味や関心がある相手になります。
一方、潜在顧客とは、まだこちらの商品について知らないものの、情報を得れば見込み顧客となる可能性を持つ相手を言います。マーケティングでは、こうした潜在顧客まで含めたアプローチが求められます。

得意先とは

得意先もまた、取引先に含まれる言葉です。前述のように、取引には頻繁に売買を行う場合もあれば、頻度がごくわずかな場合もありますが、得意先とはこのうち、取引を日常的に行っているなじみの取引先を指します。また、頻度だけでなく商品をたくさん仕入れたり、一度に大量に購入してくれる顧客を得意先と言うことも多くなっています。
つまり企業にとってメリットが大きいかどうかという点に、得意先と単なる取引先の違いがあると言えます。

このように、得意先は安定した利益や多額の報酬をもたらしてくれることから、企業にとって特に重要な存在となっています。付き合いを失うと、会社の存続に関わるような相手であることも少なくありません。
そのため、得意先との取引については、とりわけ注意や気配りが必要になります。

一方、それ以外の取引先についても、今後得意先になる可能性を秘めているため、きめ細かいサービスが求められます。このように、企業としてはいかに得意先を維持し、増やしていくかが重要な課題となってきます。

仕入先とは

仕入先もまた、取引先に含まれる言葉です。

顧客との違いは、顧客が商品を販売する相手であるのに対し、仕入先は、販売や製造のための商品を購入する相手であるという点にあります。つまり、完成した製品や材料・部品などを仕入れる相手方が、仕入先にあたります。得意先もまた、主に商品の販売先に対して使う言葉で、購入相手である仕入先に対して使うことは、あまりありません。

仕入先と呼ばれるのは、一般的に製造業者(メーカー)、問屋、商社などです。このうちメーカーは、製品の企画から製造まで行う業者で、問屋はそのメーカー製品を卸販売する業者になります。
一方、商社は主に商品の輸出・輸入を行う業者で、場合によっては会社への出資や事業の立ち上げなども行います。さらに細かく見ると、メーカーでも国内と海外のメーカーに分かれ、問屋も店舗型とネット型の2つに分けられます。
また、商社も総合商社や専門商社に分けることができます。それに加え、代理店や特約店と名乗る企業でも、問屋の機能を有している場合があります。仕入れに関しては、「仕入品の内容と値段」が最も重要になりますが、こうした仕入先の性質についても、ある程度知っておくことが大切になります。

販売先とは

販売先は、商品や製品を購入してくれる相手ということになります。
つまり、仕入先の反対にあたるのが販売先で、完成している製品を仕入れて販売する相手はもちろん、材料や部品を仕入れて自社で製品を製造して販売する相手も販売先となります。

クライアントとは

クライアントとは、「依頼人」や「(商店などへの)客」を意味する英語(client)です。つまり、顧客や取引先などの言葉と、意味における違いはありません。しかし、使われ方には若干の違いがあります。

クライアントという言葉が使われる場合、主に「依頼人」を指して言うことが多くなっています。具体的には、弁護士や医師、建築家、会計士などへの依頼人を、クライアントと呼ぶケースが目立ちます。しかし、それ以外でも商品の発注依頼や融資の相手などに対して、クライアントという呼び方をする場合もあります。顧客との違いで言うと、顧客という言葉が不特定多数の相手を含むのに対し、クライアントは特定の相手を指すことがほとんどという点が異なります。

また、クライアントという言葉は、コンピューターの世界でも使われています。例えば、サーバーからのサービスの提供を受けるコンピューターを、「クライアントコンピューター」と呼ぶといった具合です。その他にも、Webブラウザなどをクライアントソフトウェアと呼ぶ場合もあります。