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中国の旧正月(春節)とは?旧正月の過ごし方
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お正月と言えば、日本でも大変重要な時期にあたりますが、それは中国においても変わりません。ただ、日本とは大きく異なるのは、中国で「正月」と言えば、通常は「旧正月(春節)」を指すという点です。
この「旧正月」については、ニュースなどでも毎年よく耳にしますが、一体どのようなものなのでしょうか。
本記事では、中国における「旧正月(春節)」の意味や具体的な時期、一般的な過ごし方などについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
中国の旧正月(春節)とは?
中国の旧正月(春節)とは?
中国では、旧暦の正月(旧正月)を「春節」と呼びます。つまり「春節=旧暦における新年」のことで、中国ではこの期間を、祝祭日として盛大に祝う習慣があります。その規模は新暦の正月よりはるかに大きいもので、祝日の期間は7日に渡ります。企業でも、春節の前後7日を休暇とするところが多くなっています。春節の連休は、国民の多くが故郷で過ごそうとするため、毎年約30億人が移動します。これを「春運」と呼び、春節前後の40日間ほど続くとされます。
中国の旧暦は「太陰太陽暦」に基づくため、毎年日付が変わるという特徴があります。そのため、春節の時期については、毎年あらためて発表されるシステムとなっています。こうした旧正月は、中国だけでなく韓国や台湾、ベトナム、シンガポールなど、アジアのさまざまな国や地域で祝われています。
旧正月と春節の違い
上でも説明したように、中国において、「旧正月」と「春節」は同じものです。春節とは、正確には「正月初一(1月1日)」を表す言葉であり、古くは「元旦」と呼ばれていました。現在中国で元旦と言うと、「新暦の1月1日」を指すようになっています。一方、旧正月は「旧暦(中国暦)の正月」のことで、春節の表す時期と変わりません。つまり、中国では「旧正月」と「春節」は言い方が違うだけで、表す内容は同じと言うことができます。
ちなみに、日本の旧正月の日付は時差などの関係もあり、中国のものとずれることがよくあります。
直近の旧正月(春節):2020年~2050年
2000年 | 2月5日 |
---|---|
2001年 | 1月24日 |
2002年 | 2月12日 |
2003年 | 2月1日 |
2004年 | 1月22日 |
2005年 | 2月9日 |
2006年 | 1月29日 |
2007年 | 2月18日 |
2008年 | 2月7日 |
2009年 | 1月26日 |
2010年 | 2月14日 |
2011年 | 2月3日 |
2012年 | 1月23日 |
2013年 | 2月10日 |
2014年 | 1月31日 |
2015年 | 2月19日 |
2016年 | 2月8日 |
2017年 | 1月28日 |
2018年 | 2月16日 |
2019年 | 2月5日 |
2020年 | 1月25日 |
2021年 | 2月12日 |
2022年 | 2月1日 |
2023年 | 1月22日 |
2024年 | 2月10日 |
2025年 | 1月29日 |
2026年 | 2月17日 |
2027年 | 2月6日 |
2028年 | 1月26日 |
2029年 | 2月13日 |
2030年 | 2月3日 |
2031年 | 1月23日 |
2032年 | 2月11日 |
2033年 | 1月31日 |
2034年 | 2月19日 |
2035年 | 2月8日 |
2036年 | 1月28日 |
2037年 | 2月15日 |
2038年 | 2月4日 |
2039年 | 1月24日 |
2040年 | 2月12日 |
2041年 | 2月1日 |
2042年 | 1月22日 |
2043年 | 2月10日 |
2044年 | 1月30日 |
2045年 | 2月17日 |
2046年 | 2月6日 |
2047年 | 1月26日 |
2048年 | 2月14日 |
2049年 | 2月2日 |
2050年 | 1月23日 |
旧正月(春節)の過ごし方
赤色で飾りつける
中国では、旧正月(春節)にはあちこちを「赤」で飾り付けるという風習があります。
赤は中国においておめでたい色であり、結婚式などの慶事には、赤色を用いて祝うのが通常となっています。そのため、旧正月にも家の中はもちろん、道路や建物などさまざまな場所が、赤い提灯や切り紙などで飾り付けられます。特によく見かけるのが、赤いひし形の紙に「福」の字を書いた飾り(迎春接福)で、こうしたものが扉や壁など至るところに貼られています。
爆竹を鳴らしたり、花火を打ち上げる
日本の場合は、大晦日から新年に移行する深夜0時の時間帯に、「除夜の鐘」を突くという風習があります。一方中国の旧正月では、年が明ける深夜0時ごろに爆竹を鳴らし、盛大に花火を打ち上げるのが習慣となっています。
お祝いに爆竹を鳴らすのは、中国では古くから行われていた習慣で、これには「魔を祓い、幸運を呼び込む」という意味が込められています。これを「閉門爆竹(へいもんばくちく)」といい、大晦日の年越しの食事前には、1年で最も盛大な爆竹が鳴らされます。
家族と一緒に食事で祝う
上でも述べたように、中国の旧正月(春節)は、普段都会で働いている人も故郷で過ごすのが通常です。
中国では大晦日の夜のことを「除夕(じょせき)」と呼びますが、この除夕には、家族全員が集まって一緒に過ごすことが期待されているからです。中国において、旧正月の食事は「団欒飯」と呼ばれ、1年のうちでも最も重要な食事と位置付けられています。また、年越しにも「年夜飯」と呼ばれる食事をし、その後テレビ番組などを見つつ、寝ずに新年を迎えるのが定番となっています。
お年玉を配る
日本では、お正月に大人が子供に金銭を与える「お年玉」の風習がありますが、中国でも同様のことが行われています。「紅包」と呼ばれるもので、年長者から子供に、赤い紙で包んだお金をあげるようになっています。
「紅包」をあげることは、未成年に対し「願いと幸運を授ける」という意味があります。また、祟りを抑え、子供が無事に過ごせるようにという願いも込められています。大晦日の夜、食事が終わった後に配られるのが通常で、もらった方はその場で開くと失礼にあたるとされます。
各地域でのイベント
中国の旧正月では、その他にも地域ごとにさまざまな催し物が行われています。
例えば北京の「廟会」と呼ばれるイベントは、遼代以来の古い歴史を持ち、北京の人にとって年越しに欠かせない風物詩となっています。この「廟会」にも、「地壇廟会」や「龍潭廟会」などさまざまなものがあり、それぞれ独特の催しが行われています。また、広州市の市街で行われる「広州花市」や、香港の「香港花火大会」なども、旧正月を祝う恒例のイベントとしてよく知られています。
春節旅行
すでに述べたように、中国の旧正月は帰省して家族と過ごすのが定番ですが、近年は国内旅行の需要も急増しています。これは「春節旅行」と呼ばれ、各地のテーマパークやレジャー施設、有名観光地には、多くの人が集まるようになっています。
特に万里の長城など世界遺産の多い北京は、旅行先として高い人気を誇ります。そのほか、アモイやハルピン、長春といった場所にも、多くの旅行客が訪れています。また国外旅行も人気で、2020年の中国周辺の旅行先の人気トップには、日本が選ばれています。
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