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部長と課長の違い5選
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部長と課長の違い5選
社会人になると、ほとんどの人がそれまでとは違い、「役職」というものに直面せざるを得なくなります。会社にはさまざまな肩書の人が存在しますが、そんな中で「部長」と「課長」の2つは、比較的耳にする頻度が高いものでしょう。
ただ、どちらも管理職の一種ということは分かるものの、具体的な違いについては正直よく知らないという人も多いのではないでしょうか。
本記事では、「部長」と「課長」の違いについてさまざまな点から解説していますので、区別に困っている人は参考にしてみてください。
肩書
まずは肩書の点ですが、通常は課長より部長の方が上にあたります。
部長は文字通り、「その部の長」を意味します。官庁や会社などの組織において、「部」と呼ばれる区分を束ねる立場の人のことです。会社の規模などの状況によっても異なりますが、一般的に「部」は、「課」や「室」と呼ばれる区分の上に位置します。「製造部」や「営業部」といったものがそれで、部長はこれら各「部」のリーダーという立ち位置になります。
一方課長は、「その課の長」を意味します。「課」も「部」同様組織の区分の1つですが、組織図の中では、「課」は「部」のすぐ下に置かれるのが一般的です。つまり、同じリーダーと言っても両者は立場が違い、部長の方が役職は上ということになります。
年収
出典:厚生労働省
上の図は、厚生労働省の発表による平成30年の役職別賃金の比較ですが、これによると、部長の賃金は男性が約65万9千円、女性が約59万2千円となっています。年収にすると、男性の場合ボーナスを加えて1千40万円ほどというこれになります。
これに対し、課長の賃金は、男性が約53万6千円、女性が約46万円となっています。年収にすると、男性がボーナスを加えて約840万円ほどです。
これを見ても明らかなように、賃金レベルにおいても部長と課長には違いがあり、課長より部長の方が200万円ほど年収が高いと言うことができます。これは、上記のように部長の方が役職が高く責任が重いことや、部長の数自体が少なく、昇進が狭き門であることが関連しています。
権限の範囲
続いては権限の範囲についてですが、こちらにもやはり違いがあります。
まず企業における部長の主な役割は、「部という組織における管理業務を行うこと」です。「部」は、「課」や「グループ」などの下部組織の総称であり、それらの部署の管理を行うのが、部長の中心的な仕事になります。具体的には、現場に対しての仕事の割り振りやアドバイスの提供、部署全体に対する仕事のバランスや、モチベーションの調整などを行う権限を持ちます。
一方課長の場合は、「課という組織における管理業務を行うこと」が役割になります。「課」は前述のように「部」の下にあって、実働部隊的な役割を担っており、課長はそこの中心として、全体の管理や指導を行う権限を有します。つまり、部長は課長よりも大きな権限を持ち、部署全体の調整を行っていると言うことができます。
管理する範囲
部長と課長は、管理する範囲についても違いがあります。
部長の主な役割は、上でも述べたように、「部署全体を管理すること」というものです。これは、言い換えれば「戦略を考えること」と表現できます。経営における「戦略」とは、「企業が進むべき方向を決めること」であり、経営方針に基づき、どのプロジェクトにどれくらいの投資をするかなどについて決めることを指します。
一方、課長の役割は、部署の方針に基づいて「課」の動きを管理することにあります。言い換えれば「戦術を考えること」が課長の仕事であり、この場合の「戦術」とは、「戦略」達成のための具体的手段を指します。
このことからわかるように、部長は課長よりも、より広い範囲を管理しなくてはならない役職となっています。
経営視点か現場視点か
「視点」の面から見ても、部長と課長には違いがあります。
上でも述べたように、部長は経営戦略に携わるポジションです。会社の業績アップや成長に向けた部署の管理を行うのが役割で、社外の情勢も意識に入れて、組織の方向性を探っていくことが求められます。つまり、「経営的な視点」に立つ役職であることが、部長の特徴と言うことができます。
これに対し課長は、前述のように戦術の立案や実行に携わるポジションです。実際的な業務が順調に運ぶよう、計画を立てたり調整を行うのが主な仕事になります。具体的には、メンバーの業務内容や進捗状況の把握、サポート人員の割り振り、トラブル時の対応といったことを行います。
このように、課長は部長に比べ、「現場の視点」をメインとした役職となっています。
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