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ビジネス用語

「バイアス」の意味とは?使い方や例文

「バイアス」の意味とは?使い方や例文

職場やプライベートの会話で、「それはバイアスのかかったものの見方だ」などという表現を聞いた覚えのある人も多いでしょう。この「バイアス」という言葉は、近年あちこちで使われるようになっていますが、中には詳しい意味などについてよく把握しないまま使っているケースも少なくありません。一体「バイアス」とはどんな意味の言葉で、どのように使うのが正しいのでしょうか。

今回は、「バイアス」の主な意味やビジネス用語としての使い方などについて、詳しく解説していきたいと思います。

「バイアス」の意味

一般的な意味での「バイアス」とは

ビジネスシーンなどの一般的な場面で使われる際の「バイアス」とは、主に「先入観」や「偏見」を意味します。実際には何の根拠もないのに、主観的な思い込みに基づいてある件を捉えることを、「バイアスがかかる」などと表現します。

通常ネガティブな意味合いで使われる言葉で、「客観的で公平な見方を邪魔する偏った考え」といったニュアンスを持ちます。こうした「バイアス」の存在は、本人は意識していないことも多くなっています。

調査における「バイアス」とは

「バイアス」という言葉は、アンケートなどの社会調査においても使われます。この場合は、「調査結果に生じる偏り」の意味になります。

調査においては、対象にできるだけ偏りがないことが求められますが、実際にはさまざまな要因から、結果にある一定の傾向の誤差が生じる可能性が十分あります。この分野では、そうした一定の偏りを指して、「バイアス」と呼んでいます。
たとえば郵送調査法では、調査テーマに関心のない人が脱落しやすい傾向がありますが、こうしたことが「バイアス」にあたります。

電子回路における「バイアス」とは

「バイアス」は電子工学の分野でも使われますが、この場合の「バイアス」とは、「電子回路において、動作点の最適化を目的として、回路素子に一定の電圧や電流をあらかじめ与えておくこと」を指します。たとえばトランジスタにおいては、小信号でも直線的な動作が可能となるように、ベースに適切な直流電圧を与える必要がありますが、この電圧を与える回路のことを、「バイアス回路」と呼んでいます。

「バイアス」の語源

「バイアス」は、英語の「bias」という単語をカタカナ化した言葉です。「bias」の意味は、「傾向」「先入観」「偏見」「偏重」「(布地の裁ち目・縫い目の)斜線」といったものになります。たとえば、「be free from bias(偏見がない)」「a man of literary bias(文学的傾向の人)」のような使い方をされます。

「バイアス」の使い方・例文

「バイアス」の意味については上記の通りですが、実際にはどのように使われているのでしょうか。ここでは「バイアス」の具体的な使い方について、ビジネス用語としての用法を中心に、いくつか例文を挙げて紹介していきましょう。

例文①:「面接官には客観性が求められるとはいえ、どうしても第一印象などのバイアスがかかってしまうことはある」

例文②:「実際の能力に見合わない自信を示す人は、大抵自分を過大評価するバイアスがかかっている」

例文③:「電話対応では、バイアスによる思い違いが出ないように、慎重に確認しながら話を聞いていくべきだ」

例文④:「必ず計画通りの結果が出ると考えるのは、典型的なバイアスのかかった見方だ」

例文⑤:「この資料は一見よくできているが、実際は都合のいいデータばかり集めるという、強烈なバイアスがかかっている」

「バイアス」の関連用語

ここまで「バイアス」の意味や使い方について見てきましたが、この言葉は、「○○バイアス」という形で使われることも多くなっています。ここでは、そうしたいくつかの関連用語と、それらの意味や使い方について紹介していきましょう。

認知バイアス

「認知バイアス」とは、思い込みや周囲の環境に左右されて、合理的でない判断をしてしまうという心理現象です。例えば、「コンコルド効果」と呼ばれるものがありますが、これは「これ以上お金や時間を使っても無駄だと分かっていても、それまで費やしてきたコストがもったいないという理由で投資を続けてしまう」という状態を指します。

こちらは、「つい“認知バイアス”に陥って、余計な買い物をしてしまった」のような使い方がされます。

確証バイアス

「確証バイアス」は、「認知バイアス」の一種です。自らの立てた仮説などを検証する際に、それを支持・強化する情報ばかりを集め、反証となる情報は無視するか、もしくは集める姿勢を見せない傾向を指します。

「欲しい商品のレビューで好意的な意見のものばかり見てしまうのは、典型的な“確証バイアス”だよ」のように使われます。

正常性バイアス

「正常性バイアス」とは、予期しない事態などに直面した際、「これは正常な範囲だ」と自動的に思い込んでしまう心理作用を指します。たとえば、地震などの災害に直面しても、「まだ大丈夫」としてすぐ逃げようとしないケースなどが、これにあたります。

「“正常性バイアス”に陥らないためには、日頃の訓練や意識が重要だ」のように使われます。

「バイアス」の意味とは?使い方や例文

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