一般常識
「ありうる」「ありえる」の意味の違いと「あり得る」の読み方
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「ありうる」「ありえる」の意味の違いと「あり得る」の読み方
「その可能性もありうる」などというように、「ありうる」という表現は、日常会話や文書などいたるところで触れるものです。一方、これと同じ意味を表す表現として、「ありえる」という言い方を使う場合も多くなっています。普段はあまり深く考えずに使っている2つの表現ですが、一度考えだすと、これらは一体どう違うのかが気になってきます。また、「あり得る」の正しい読み方はどちらかという点も知りたいところです。
今回は、「ありうる」と「ありえる」の意味や違いについて詳しく解説していきますので、両者を使い分ける際の参考にしてみてください。
「ありうる」
「ありうる」とは、「起こる可能性がある」という意味の言葉です。「当然考えられる」といったことを表します。「このままの状態では、大事故が起きることも十分ありうる」「理論の上では、地球に巨大隕石が衝突することもありうるだろう」「今のところチームは劣勢だが、本来の力を出せれば逆転もありうる」のように使われます。
「ありうる」と「ありえる」は、どちらも「あり得る」の読み方の1つで、意味に違いはありません。一方、どちらの読みが正しいのかという点については、「ありうる」が伝統的なものであるとする見方が一般的です。本来「ありうる」と読まれていたのが、後になって「ありえる」の読みが加わったとされています。NHKにおいても、放送用語としては、「ありうる」の読みを優先するように決められています。
「ありえる」
「ありえる」とは、「そういう状態が起こるのも、ありがちだ」という意味の言葉です。「考えてみても不思議ではない」といったことを表します。「彼が考えを変えるのも十分ありえる話だ」「君の話は十分ありえると思う」「あの時点では、そんなことがありえるなんて誰も思わなかった」のように使われます。
「ありえる」と「ありうる」は、上で述べたように、意味に違いはありません。「あり得る」の読みが異なるだけですが、これも前述のように、「ありえる」は後から加わった読み方になります。「あり得る」は、否定形では「ありえない」の形になることから、ひるがえって肯定形でも「ありえる」と言うケースが広まったと考えられています。
一般的にはどちらを使っても問題はありませんが、口語では「ありえる」を使い、書いてあるものを読む際や会議等の場面では、「ありうる」を使うといった区別の仕方もよく行われています。一方、文章に表す場合は、「あり得る」と書くと無難でしょう。
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