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アドテック(AdTech)の意味とは?メリットや関連技術

アドテック(AdTech)の意味とは?メリットや関連技術

マーケティングに携わる人であれば、「アドテック(AdTech)」という言葉はお馴染みのものでしょう。インターネット広告が主流となりつつある現在、「アドテック」は企業のマーケティング活動にとって欠かせない存在となっています。
しかし、その一方で、「言葉自体は聞いたことはあるけど、詳しいことについては分からない」という人も少なくないと思います。

本記事では、「アドテック」の意味や活用するメリット、関連技術について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

アドテック(AdTech)の意味とは?

「アドテック(AdTech)」とは、「Advertising Technology」を略した言葉です。「アドテク」とも呼ばれます。
「Advertising」は「広告」を、「Technology」は「技術」を指しますが、この場合の「広告」とは「インターネット広告」のことで、ざっくりと言えば「インターネット広告関連の技術」といった意味になります。

私たちが普段WebサイトやSNSなどのページを閲覧する際、必ずと言ってよいほどリスティング広告やディスプレイ広告を目にしていますが、こうしたものの配信に欠かせないのが、「アドテック」です。

2020年における、日本の広告費全体に占めるインターネット広告費の割合は36.2%となっていますが、ここまでネット広告が社会に浸透した背景には、「アドテック」の革新が大きく関係しています。

アドテックを活用するメリット

売上が効率的に伸ばせる

売上が効率的に伸ばせる

アドテックの活用により、「無駄を省いて効率的に売上を伸ばすことができる」というメリットが得られます。

アドテックの特徴の1つに、「ユーザーの行動を追跡して、そのユーザーがどんなものに関心があるか突き止められる」ということがあります。これにより、個々のユーザーの特性に合わせた広告配信が可能となるため、広告への関心度アップとともに、商品やサービスの購買率も高めることができます。これに対し、不特定多数のユーザーに漫然と広告を配信するやり方は、アドテックを用いた場合に比べて、効率やコストの点で劣るのは明らかです。

また、アドテックでは広告主に最適なWeb媒体のマッチングも可能ですから、この点でも効率的な売上アップが期待できます。

顧客の取りこぼしを防げる

顧客の取りこぼしを防げる

アドテックを活用することで、その商品やサービスの存在をまだ知らないユーザーに対してだけでなく、ホームページに一度でもアクセスした経験を持つユーザーにターゲットを絞って、広告を配信することも可能となります。以前のアクセスではコンバージョン(お問い合わせや購入、、会員登録、資料請求など)に至らなかったとしても、時間を経て広告を配信することにより、あらためて成約に至るケースもあります。そのため、顧客を取りこぼす確率が減るというメリットが期待できます。

また、アドテックにおいては、新規顧客の開拓に限らず、一定の条件を満たしたユーザーにのみアプローチすることも可能です。例えば、購買歴のある顧客のみに向けて広告配信を行うなどすれば、さらに高い広告効果が望めます。

広告運用のコストを抑えられる

広告運用のコストを抑えられる

「コストを抑えた広告運用が可能になる」ということも、アドテックを活用するメリットの1つです。
広告効果を測定する指標の1つに、「CPA」と呼ばれるものがあります。これは、「Cost per Acquisition=顧客獲得単価」のことで、簡単に言えば、「顧客1人を獲得するのにいくらかかったか」を示す数字になります。CPAが低ければ低いほど、広告効果が高いということで、Web広告の指標の中では、最も重視されているものとなっています。

上記のように、アドテックを活用すれば、成約率の高そうなユーザーを選んで広告を配信することが可能となります。コンバージョン数が多くなるほど、CPAは低くなるわけですから、アドテックの活用は、費用面で大きなメリットがあると言うことができます。

アドテック関連技術

メディア関連アドテック

まずは、メディア(広告を表示する媒体)に関係するアドテックについて見ていきましょう。

膨大な数のメディアがインターネット上に存在する中で、「アドテック」はメディアの選定や契約の手間といった問題の解決に役立ちます。以下では、主な3つのメディア関連アドテックを挙げてみました。

アドネットワーク

「アドネットワーク」は、「いくつものメディアの広告枠を一元的に管理する広告配信管理システム」というアドテックです。多数の広告媒体となるWebサイトが集まって、1つの「広告配信ネットワーク」が形成されており、広告主はそのネットワークを利用して広告を配信することができます。広告主にとっては、「個別のWebサイトに掲載を頼まなくて良いので、工数が削減できる」「指定したカテゴリーに関連するメディアのみに掲載が可能」などのメリットがあります。

アドエクスチェンジ

「アドエクスチェンジ」は、「アドネットワークごとに管理される広告枠の取引に関する仕組み」を指すアドテックです。アドネットワークが生まれてから少しして登場した広告取引市場で、複数のアドネットワークが持つ広告枠を、インプレッションベースで売買できる点に特徴があります。課金の形態や各バナーサイズなどのルールは、アドネットワークごとに異なるのですが、「アドエクスチェンジ」が登場したことにより、統一された仕様で各アドネットワークの一元管理が可能となりました。それにより、広告運用の手間の削減というメリットが生じています。

SSP

「SSP」の正式名称は、「Supply-Side Platform(サプライサイドプラットフォーム)」で、メディアの広告枠販売や、広告収益の最大化を支援するサービスを指します。複数のアドエクスチェンジやアドネットワークの中から、自動で最も高額な掲載費の広告を選んで配信される仕組みで、後述する「DSP」と対になる形で働くシステムのため、単独では機能しません。ユニークユーザーの数が多いなどの特徴を持つメディアに向いたアドテックとなっています。

広告主関連アドテック

続いては、広告主に関連したアドテックについて見ていきましょう。

予算をかけて広告を出稿する以上、なるべく適したターゲットに配信したいところですが、アドテックの活用でそれが実現できます。ここでは、「DSP」「リターゲティング」の2つのアドテックを紹介しましょう。

DSP

「DSP」は、正式には「Demand-Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)」と呼ばれます。こちらは上記の「SSP」とは逆に、広告主の広告効果最大化をサポートするアドテックにあたります。複数のアドエクスチェンジやアドネットワークを一元管理することができるプラットフォームで、広告配信の頭脳とも言うべきツールとなっています。
広告主側のためのシステムとして、入札単価の調整やオーディエンスターゲティングなど、あらゆる面の最適化をシステマティックに行うことができます。

リターゲティング

「リターゲティング」とは、ターゲティング手法の一種にあたるアドテックで、Webサイトへの訪問歴があるユーザーに対し広告を配信する仕組みを指します。過去に1度でも自社サイトを訪れたことがあるユーザーに向け、自社広告を配信することで、自社製品・サービスの認知度アップや購買率の向上に役立ちます。また、ユーザーへの広告配信回数の上限も設定できますから、適切な広告配信回数の分析を行うことにより、リターゲティングの効果を高めることも可能となります。

閲覧者関連アドテック

最後に、閲覧者(ユーザー)に関連したアドテックについて見ていきましょう。広告配信効果や広告掲載効果を最大化する上では、ユーザーの分析は欠かせません。以下では、「広告効果計測サービス」と「DMP」の2つのアドテックを挙げて見ました。

広告効果計測サービス

「広告効果計測サービス」は、広告配信におけるWebサイトへの集客効果について詳しく分析できるアドテックです。Webサイトの「集客面」に特化したツールで、バナー広告やリスティング広告など多様なチャネルの中で、どれが成果に大きく貢献できたのかの分析が素早くできるようになっています。広告の種類が多い企業ほどメリットのあるサービスで、逆に限られた種類の広告を運用している企業にとっては、コスト面や使い勝手の面でデメリットも少なくありません。

DMP

「DMP」は、「Data Management Platform(データマネジメントプラットフォーム)」が正式な名称です。こちらのアドテックは、簡単に言えば「インターネット上に蓄積されている、ユーザーに関するさまざまなデータを管理するためのプラットフォーム」といったものになります。DMPを使うことで、自社で取得したお問い合わせに関するデータなどのさまざまな情報をセグメントできるため、それによって、例えばお問い合わせフォームで離脱したユーザーのみをターゲットにした広告配信といった、きめ細かいマーケティング施策の実施が可能となります。

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