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「ペルソナ」の意味とは?使い方や例文、「ターゲット」との違い
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「ペルソナ」の意味とは?使い方や例文、「ターゲット」との違い
「ペルソナ」という言葉は、近年のビジネスシーンでは頻繁に使用されています。しかし、新社会人などの中には、ビジネス用語としての「ペルソナ」の意味がよく分からないという人も大勢いるはずです。また、なんとなく意味は分かっていると言った方の中にも「ターゲット」との違いはよく分からないと言った方も少なくないはずです。
今回はそうした人のために、ビジネスシーンにおける「ペルソナ」の意味や使い方などについて解説していきますので、職場で使う際の参考にしてみてください。
「ペルソナ」の意味
「ペルソナ」という言葉は、ビジネスシーンでは主にマーケティングの分野で使われています。ここでは、ビジネス用語としての「ペルソナ」の意味と、その由来について見ていきましょう。
ビジネスにおける「ペルソナ」の意味
ビジネス用語としての「ペルソナ」とは、「企業が自社の商品やサービスについて想定する、典型的なユーザー像」を意味する言葉です。上記のように、マーケティングの分野においてよく使われます。架空のモデルではあるものの、あたかも実在する人のように、詳細な情報を設定するのが特徴となっています。ペルソナを設定する場合には、年齢や性別などはもちろん、住所や家族構成、職業、収入、趣味、価値観、インターネットの利用状況に至るまで考えられるのが通常です。
「ペルソナ」の由来
「ペルソナ」という言葉は、もともとラテン語の「persona」に由来しています。「persona」の意味は、「(劇などの)登場人物」「(文学作品の)語り手」といったものです。また、心理学においては「表向きの人格」の意味になり、ビジネス用語として使う場合の意味合いも、こちらに由来します。「persona」の語源は諸説ありますが、ギリシア語で「仮面」などを意味する単語にあるとする説が有力です。
「persona」は、英語の「person」の語源でもあります。「person」の意味は、「個人としての人間」「人柄、個性、人格」といったもので、「She’s a charming person(彼女は魅力的な人だ)」のように使われます。
「ペルソナ」の使い方・例文
「ペルソナ」の意味について学んだところで、実際の使い方についても見ていきましょう。ビジネスシーンで「ペルソナ」の語は、以下の例文のように使われます。
例文:「ペルソナは一度作ったら終わりではなく、定期的に見直す必要がある」
例文:「ペルソナを設定する際は、アンケート調査などのデータ収集をしっかり行うことが重要だ」
例文:「ペルソナには、作成者の思い込みやイメージを反映しすぎてはいけない」
「ペルソナ」と「ターゲット」の違い
ビジネスシーンで「ペルソナ」とよく似た意味を持つ言葉に、「ターゲット」というものがあります。どちらもマーケティング戦略で使用される言葉ですが、どのように違うのでしょうか。ここでは、「ターゲット」の意味と「ペルソナ」との違いについて説明していきましょう。
「ターゲット」とは
「ターゲット」とは、英語で「的」や「標的」の意味を持つ「target」に由来する言葉ですが、ビジネス用語としては「商品・サービスにおける想定顧客層」の意味になります。
「ターゲット・マーケティング」という形でよく使用されますが、これは自社の商品やサービスを売る際に、市場の中で具体的に狙い(ターゲット)とする層を定め、そこへ集中して販売促進活動を行っていく手法を指します。市場を細かく区切って「ターゲット」を絞ることにより、商品・サービスを多様化する市場のニーズにうまく適合させようという狙いがあります。「近代マーケティングの父」と呼ばれるフィリップ・コトラーが提唱した概念になります。
「ペルソナ」との違い
上で説明したように、「ターゲット」はマーケティングにおいて「商品・サービスの想定顧客層」を意味しており、「ペルソナ」と非常によく似た概念となっています。ただ、両者は「人物像の詳細さ」の点で大きな違いがあります。
「ターゲット」の場合、「ペルソナ」ほど細かい情報が加えられるわけではありません。例えばボディローションの「ターゲット」であれば、「20~30代 男性 よく海に行く」といった具合です。一方「ペルソナ」の場合には「山田太郎、25歳、男性、趣味はサーフィンと映画鑑賞、営業職3年目」と言ったようなより具体的な設定を行います。
つまり、「ターゲット」はゆるやかで大まかな人物像であるのに対し、「ペルソナ」はよりリアルで詳細な人物像であるという点で区別できます。
「ペルソナ」設定の必要性
上記のように、「ペルソナ」は「ターゲット」と似ていながらも、より細かい人物像を持つ点が特徴となっています。しかし、そもそもなぜ、こうした「ペルソナ」を設定する必要があるのでしょうか。
大量生産や大量消費を前提としたマーケティングを行っていた時代であれば、「ターゲット」による施策だけで十分でした。しかし、ユーザーの嗜好性が多様化し、市場がますます細分化している現代では、こうした大まかなマーケティングでは追いつかなくなってきています。求められるのは、「漠然とした大勢」ではなく「具体的な個々人」へ向けたマーケティングであり、そのためにより詳細な人物像を持つ「ペルソナ」が必要になったというわけです。
最後に
ここまで「ペルソナ」の意味や使い方などについて、例文を交えつつ紹介してきました。
このように、「ペルソナ」はマーケティング施策において重要な概念となっています。業界を問わず使われる言葉なので、社会人としてはぜひ覚えておきたいワードです。また、「ターゲット」との違いについても、きちんと説明できるようになっておきましょう。
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