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一般常識

「抑揚」「強弱」の意味と違い

「抑揚」「強弱」の意味と違い

「抑揚」「強弱」の意味と違い

ある人の話し方や文章などを評して、「抑揚がない」といった表現を耳にするケースがよくあります。「一本調子」のような意味合いですが、この「抑揚」という言葉は、「強弱」と言い換えられるように見えます。実際に「強弱」も、話し方などの指摘でよく聞く単語ですが、「抑揚」とは若干異なる部分を含んでおり、単純に置き換えられるとは限りません。では、両者はどういった部分が異なるのでしょうか。

今回は、「抑揚」と「強弱」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けについて知りたい方は参考にしてみてください。

「抑揚」とは

抑揚

「抑揚(よくよう)」とは、「おさえたりあげたりすること」という意味の言葉です。言葉を話したり文章を書く時、また音楽を奏でる際などに、それらの調子を上げたり下げたりすることについて言います。「彼のしゃべり方には抑揚というものがまったくない」「抑揚を意識すると、読み手に伝わりやすい文章になる」のように使われます。

「抑揚」の「抑」は「おさえる(下から上がってくるものをとめる)」を、「揚」は「あげる」「盛んにする」などを意味しています。

「抑揚」と「強弱」は、大まかな意味合いは共通していますが、使われ方には違いがあります。「抑揚」の語は、主に話し方や文章の書き方について、その癖を指摘したりアドバイスを行う際使われる点が特徴です。

「強弱」とは

強弱

「強弱(きょうじゃく)」とは、文字通り「強いことと弱いこと」を意味する言葉です。また、その程度についても言います。「同じ文章でも、読む時の強弱の付け方によって、内容の印象は変わってくる」「強弱記号は、音楽演奏では非常に重要な要素だ」「この扇風機には、自動的に風量に強弱を付ける機能が備わっている」のように使われます。

「強弱」の「強」の字は、「程度が大きい」「勢いが盛ん」などの意味を持ちます。一方「弱」の字は、この場合「程度が小さい」の意味を表しています。

「強弱」と「抑揚」は、どちらもある物事の調子の変化を表す点で違いはありません。ただ、「抑揚」が発話や文章作成などの場面に使用が限られるのに対し、「強弱」はそれ以外の幅広い場面で使われる点で区別されます。たとえば野球では、「強弱を付けた投球」という表現はたびたびされますが、「抑揚を付けた投球」とはほとんど言われません。

また話し言葉に関しては、「抑揚=イントネーション」「強弱=アクセント」の意味に使い分けることも可能です。

「抑揚」「強弱」の意味と違い

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