一般常識
「野生」と「野性」の意味と違い
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野生と野性の意味と違いとは
日本語には数多くの同音異義語がありますが、「野生」と「野性」もその一種です。ともに「やせい」と読み、字も重なることから、意味を混同しやすくなっています。しかし実際は、この2つは別々の意味や使い方を持つ言葉です。それでは、具体的に両者はどのような場合に使われるのでしょうか。
今回は、「野生」と「野性」の意味や違い、使い分けのポイントなどについて見ていきましょう。
野生とは
「野生」とは、「動植物が自然に山野で育つこと」という意味の言葉です。動物や植物が人の手によることなく、山や野原などの環境で自然に生育することを言います。「野生のブルーベリー」「野生の鹿」「菫が野生している」のように使われます。
「野生」はまた、一人称としての使い方もあります。「小生」や「拙者」などのように、男子が自分のことを謙遜して言う場合に使われます。
「野生」の「野」の字は、「里」を表す象形と、「のびやか」を表す象形から成っています。そこから、「郊外」や「自然のままの土地」などを意味する漢字として成り立ちました。一方「生」の字は、「草木が地上に生えてきた」象形から成り、「はえる」「いきる」の意味を持ちます。
「野性」との違いについては、以下で見てみましょう。
野性とは
「野性」とは、「本能のままの性質」という意味の言葉です。教育などで矯正されていない、自然のままの性質などについて言います。また、「粗野で荒々しい性質」についても言うようになっています。「眠っていた野性が目覚めた」「彼は野性的な性格をしている」のように使われます。
「野性」の「性」の字は、「草木が地上に生えてきた」象形と、「心臓」の象形から成っています。そこから、「生まれながらのこころ」「本性」などを意味する漢字として成り立ちました。
このように、「野性」は「粗野な性質」などを表すという点が、「野生」との違いです。ですので、「野生が目覚めた」のような使い方は、間違いということになります。その一方で、「やせいじ」という場合は「野生児」が正解となります。この点に気をつけて使い分けるようにしましょう。
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