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一般常識

「優しい」「易しい」「柔しい」の意味と違い

「優しい」「易しい」「柔しい」の意味と違い

優しい・易しい・柔しいの意味と違いとは

「やさしい」という言葉には、いくつかの漢字表記があります。すぐに思いつくのは「優しい」と「易しい」ですが、「柔しい」というものもあります。では、この3つにはどのような意味の違いがあるのでしょうか。すらすらと答えられる人は、それほど多くないでしょう。

そこで今回は、分かりにくい「優しい」「易しい」「柔しい」の意味と違いについて、詳しく解説していきます。

「優しい」とは

優しい

「優しい」はいろいろな意味で使われますが、主に使われるのは、「他人に対する思いやりがある」という意味合いです。この場合は、「あの人は誰に対しても優しい」「優しい言葉でなだめる」「他人に優しく接することが大切だ」のように使われます。また、「姿や様子が優美である」「品がある」という意味でも使われ、この場合は「優しい顔つきの人」のような使い方になります。
このほかに、「気だての優しい子」のように「穏和である」といった意味合いや、「環境に優しい」のように、「刺激が少ない」という意味合いもあります。

「優しい」の「優」という字は、「人」の象形と「心配する」を表す象形から成っています。そこから「他人を心配する気持ち=やさしい」を意味する漢字として成り立ちました。

「易しい」などとの違いについては、以下で見てみましょう。

「易しい」とは

易しい

「易しい」の主な意味合いは、「単純で分かりやすい」というものです。あるものについての、理解や習得がしやすいことを指します。具体的には、「この本は文章が易しいので読みやすい」「易しい問題ですぐに解けた」のように使われます。また、「解決や実現がたやすい」という意味合いもあり、この場合は「比較的易しい仕事だ」「言うだけなら易しいことだ」のように使われます。

「易しい」の「易」という字は、「とかげ」を表していますが、後に当て字として使われ、「簡単」の意味も持つようになりました。

このように、「易しい」の表記は「単純」や「簡単」を意味しており、「思いやりがある」を表す「優しい」とは、使われ方が違います。

「柔しい」とは

柔しい

「柔しい」を「やさしい」と読む読み方は、常用漢字表にはありません。表外読みにあたる表記のため、公用文などでは使われないようになっています。

辞書にも載っていませんが、ニュアンスとしては、「おだやか」や「おとなしい」といった意味合いの言葉であるといえます。「柔和」という言葉に近いイメージです。また、「柔」には「よわよわしい」という意味合いもあるので、ふわふわした線の細い印象も指すようになっています。

「柔しい」の「柔」という字は、「大地を覆う木」と「矛(ほこ)」を表す象形から成っています。これは「矛の柄に使うしなやかな木」の意味合いで、そこから「やわらかい」「しなやか」などを表す漢字として成り立ちました。

このように、「柔しい」には「思いやりがある」や「単純」などの意味合いはなく、しかも表外読みであるという点が、「優しい」や「易しい」との違いになります。

「優しい」「易しい」「柔しい」の意味と違い

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