一般常識
「敗れる」「破れる」の意味と違い
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「敗れる」「破れる」の意味と違い
「敗れる」と「破れる」は、どちらも「やぶれる」と読む言葉です。意味合いも根本的なところでは共通していますが、具体的な使われ方は異なっており、明確に使い分けることができます。ではこの2つは、それぞれどのような場面で使うべきなのでしょうか。詳しい使い分けのポイントが知りたいところです。
今回は、「敗れる」と「破れる」の意味や違いについて解説してきますので、両者の使い分け方が気になるという方は、参考にしてみてください。
「敗れる」
「敗れる」とは、「勝負などで負ける」という意味の言葉です。スポーツや武術、ゲームなどの競技や、ケンカなどの争いなどにおいて、相手に敗北することを言います。「優勝候補の筆頭だったA校が、2回戦で敗れる波乱が起こった」「予選の決勝で敗れてしまい、惜しくも甲子園出場はならなかった」「今回のテストの成績で、ライバルのBに敗れてしまった」のように使われます。
「敗れる」の「敗」という字は、「負ける」「やりそこなう」「しくじる」などの意味を表しています。
「破れる」との違いは、「競い合いで負けることを指す」点にあります。主に勝負事に敗北した際に使われる言葉で、物が壊れることなどについては使われません。ですので、「壁紙が敗れる」などの表現は、間違いということになります。
「破れる」
「破れる」とは、「裂けたり、穴があいたり、つぶれるなどして、もとの形がこわれる」「割れ裂ける」といった意味の言葉です。「ガラスが破れる」「本が破れる」のように使われます。
また、「今まで続いていた状態が損なわれる」の意味もあり、この場合は「均衡が破れる」「静寂が破れる」のように使われます。このほか、「夢が破れる」のように、「成り立たずに終わる」の意味もあります。
「破れる」の「破」の字は、「こわれる」「われる」「さける」などの意味を持ちます。
「敗れる」との違いは、「勝負などに負けたことについては使われない」点にあります。たまに「試合に破れた」などという表現を見かける場合がありますが、これは正しくありません。「勝つ」の意味で「破る」の語を使うことがあるため、混同されやすい面がありますが、「負ける」を表す場合は「敗れる」を使うのが正解です。ちなみに「国“やぶれて”山河あり」という場合の「やぶれて」は、「負けて」ではなく「破壊されて」の意味なので、「破」の字が使われます。
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