一般常識
「和服」「着物」「呉服」「反物」の意味と違い

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「和服」「着物」「呉服」「反物」の意味と違いとは
「和服」「着物」「呉服」の3語は、日本人にとってはなじみ深い言葉です。これらは普段何気なく接しているものの、それぞれの違いがどこにあるのかについては、意外にわかりにくい問題となっています。
そこで今回は、「和服」「着物」「呉服」の3つの言葉の意味や違いに加え、「反物」との違いについても詳しく探ってみました。
「和服」とは
「和服(わふく)」とは、「日本で古くから用いられている衣服」を意味する言葉です。西洋風の衣服である「洋服」と、従来の衣服とを区別するため、明治時代から使われるようになりました。
「和服」の「和」は、本来「なごむ」を意味する漢字ですが、この場合は「やまと(日本)」の意味になります。「服」は、もともとは「船の両側のそえ板」を意味する漢字ですが、その後「身につける」「衣服」の意味で使われるようになりました。
「着物」とは、現在の意味や使われ方に違いはありません。しかし、厳密に言うと、「着物」が長着(丈が足首あたりまである長い服)を指すのに対し、「和服」は帯や羽織りなどのものも含む点で使い分けられます。また、「着物」という言葉が以前からあったのに対し、「和服」の語は明治時代にできたという点にも違いがあります。
「着物」とは
「着物(きもの)」とは、広い意味では「体に着るものの総称」ですが、狭い意味では「日本在来の衣服」を表します。
「着物」の「着」の字は、「(衣服などを)身につける」「きる」を意味しています。
「着物」の語は、上記のように古くから存在しました。しかし、もともとは単に「身につける服」という意味合いだったものが、西洋文化が本格的に流入して以降は、次第に「洋服」の対義語として使われるようになったという経緯があります。つまり、現在は基本的に、「和服」と意味の違いはないと言えます。ただ、上で述べたように、「着物」は厳密には、羽織りや襦袢などを除く「長着」を指す点が特徴です。
「呉服」とは
「呉服(ごふく)」とは、現在では一般的に「日本の伝統の衣服」を指す言葉ですが、もともとの意味は違います。「呉服」の「呉」は、中国の三国時代における「呉」のことで、最初はこの「呉」伝来の機織り技術で織った「反物」を指して、「呉服(くれはとり)」と呼んでいました。これが次第に、音読みで「ごふく」と呼ばれるようになります。つまり、もともと「呉服=反物(織物)」のことでしたが、その後絹織物を指して使われるようになり、やがて「和服」を指すようになっていきます。「呉服店」は、現在は「和服」を扱う店を指しますが、もともとは織物や「反物」を扱っていたことから、この名称で呼ばれるようになりました。
このように、「呉服」はいくつか意味の変遷があるものの、現在では「和服」「着物」とほぼ同じ意味合いで使われる言葉となっています。
「反物」とは
「反物(たんもの)」とは、「大人の和服一着分に仕上げられた布地」を意味する言葉です。また、「和服」用の織物の総称としても使われます。1つ1つが筒状に巻かれており、幅や長さについては一定ではありませんが、通常は幅9寸5分(約36㎝)、長さ3丈(約12m)が目安となっています。「三丈物(さんじょうもの)」とも呼ばれ、一着分は「一反(いったん)」と数えられます。
「反物」の「反」は、「くつがえす」を意味する漢字ですが、この場合は日本独特の意味合いとして、「織物の長さの単位」を表します。
「反物」は、「和服用の織物」を指す点では、狭義の「呉服」と違いがありません。ただ、「呉服」は上記のように、一般的には「和服」を指す点で、「反物」と使い分けられます。
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