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ビジネス用語

「バリュー」の意味とは?使い方や例文

「バリュー」の意味とは?使い方や例文

「バリュー」の意味とは?使い方や例文

「バリュー」という言葉は、「バリュー商品」のように日常でもよく目にするものです。ただ、ビジネスシーンではやや独特の使われ方をすることから、詳しい意味合いをつかみかねるといった人も少なくありません。

そこで今回は、ビジネス用語としての「バリュー」の意味や使い方などについて、いろいろと紹介していきたいと思います。

「バリュー」の意味

ビジネスにおける「バリュー」とは

ビジネスシーンで使われる場合の「バリュー」とは、「企業が社会に対し提供しようとする価値」といった意味合いの言葉です。経営学者のピーター・ドラッカーが提唱した概念で、自社の経営方針に基づいて行動することにより、企業が社会に還元したいと考える価値観を指します。実際にどういった価値を提供するかは、それぞれの企業で異なります。

また、「バリュー」という言葉は、企業にとっての「行動指針」を指して使われることもあります。

マーケティング用語としての「バリュー」

「バリュー」はマーケティング用語としてもよく使われていますが、この場合の「バリュー」とは、経営学用語の「カスタマー・バリュー(customer value)」を指しています。「カスタマー・バリュー」を日本語にすると、「顧客価値」となりますが、これには主に2つの意味があります。1つは「顧客がある製品やサービスなどに対して、それらが適正であると認める価値」という意味で、もう1つは、「ある製品やサービスを利用することにより、実際に顧客が得られる価値」という意味です。

企業にとっては、いかに「カスタマー・バリュー」を向上させるかが重要な命題になりますが、実際に適正な「カスタマー・バリュー」を導き出すことは容易ではなく、通常はリサーチやデータ分析といった作業を繰り返すことによって、適正な値を見極めようとする努力が図られています。

一般的な「バリュー」の意味

日本で一般的に使われる場合の「バリュー」は、「価値」や「値打ち」といった意味を持ち、「ネームバリュー」や「ニュースバリュー」のように使われます。また、「割安」「お買い得」などの意味で使われることも多く、この場合は「バリュー商品」「バリュープライス」のように使われます。ただ、後述するように「バリュー」には本来「割安」という意味はなく、こちらは日本独特の用法となっています。

「バリュー」の由来

カタカナ語の「バリュー」は、英語の「value」に由来しています。「value」には、名詞としての使い方と動詞としての使い方の2種類がありますが、前者の場合は「価値」「値打ち」「価格」「代価」といった意味になり、「market value(市価)」「nutritional value(栄養価)」のように使われます。一方後者の場合は、「(金銭的に)評価する」「(~と)評価する、見積もる」「(~を)高く評価する」といった意味になり、「value old books for an auction(競売のために古書に値段をつける)」のように使われます。

上でも述べましたが、「value」の語自体には「割安」や「お買い得」といった意味はありません。こうした意味を表す場合には、「good value for the price」などと表現されます。

「バリュー」の使い方・例文

「バリュー」の意味について見たところで、実際の使い方についてもチェックしておきましょう。ビジネス用語としての「バリュー」は、以下の例文のように使われます。

一般的なビジネスシーンでの使い方

例文:「明確なバリューを示すことは、企業の力強い成長を促す上で重要だ」

例文:「バリューは頻繁に変更したりせず、時間をかけて組織に根付かせることが大切だ」

マーケティング用語としての使い方

例文:「顧客と企業との間でバリューについての認識にズレがあると、なかなか購買にはつながらない」

例文:「最高値の売上を目指すのであれば、バリューの上乗せが欠かせない」

「バリュー」と「ビジョン」「ミッション」との違い

ビジネスシーンで「バリュー」と共によく使われる言葉が、「ビジョン」と「ミッション」の2つです。この項目では、これらの言葉の意味と「バリュー」との違いについて説明していきましょう。

ビジネスシーンにおける「ビジョン」「ミッション」とは

「ビジョン(vision)」は本来「視覚」や「未来像」、「幻」といった意味の言葉ですが、ビジネスシーンで使われる場合には、「企業が目指す将来像」の意味になります。一方「ミッション(mission)」は、「使命」や「任務」、「役目」を意味する言葉ですが、ビジネスシーンでは通常「企業が果たしたい(果たすべき)役目」といった意味になります。

「バリュー」との違い

上記のように、「ビジョン」が企業が描く将来像を、「ミッション」が企業が果たしたいと考える役目を表すのに対し、「バリュー」は企業が社会に提示する価値観を表す点で区別できます。また、「バリュー」は企業が「ビジョン」や「ミッション」を達成するための「行動指針」であると表現することもできます。

最後に

以上、「バリュー」の意味や使い方などについて、例文を挙げつつ解説してきました。

このように、「バリュー」という言葉はビジネスシーンにおいて、経営方針とマーケティング用語の2種類の意味を持ちます。どちらを指すかは場合によるので、状況に応じて判断できるよう、両方の意味についてしっかり押さえておきましょう。

「バリュー」の意味とは?使い方や例文

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